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2014-10-24

烏魯木斉旅行一日目

2014年10月11日、新疆ウイグル自治区、烏魯木斉(ウルムチ)へ。三泊四日の一人旅です。
ぐずぐずしていたらいつも利用する夜行バスがいっぱいになってしまい、羽田空港付近で前泊。前泊すると飲みにいけるからうれしい♪ついつい一人居酒屋で飲み過ぎてのスタートでした。

今回の旅行は、ちょっと特別な旅行でした。
憧れの新疆、私には無理だと思っていた。それを実現できること。
それから新疆ウイグル自治区は、相次ぐテロと暴動とそれに対する武力弾圧により神経質なエリア。周囲を心配させたこと。
そして、何よりも今回は一人旅と冠しながらも“ひとり”ではなかったこと。

「10月に烏魯木斉に行くことにしました」
中国語の授業の時に、Q先生にそう伝えたのは6月のこと。
「新疆に友達がいます。自然環境の仕事をしている人で、案内をしてくれるかも知れないです」
Q先生の言葉。

私は一人で自由気ままに行動するのが好き。
一人だから無理もできるし挑戦もできるし、色んな感慨に耽ることができる。
けれど、旅行まであと一カ月と少しの時、少し新疆行きに不安を感じた。そうした成り行きで、現地の方に同行をお願いすることにしたのだった。
Q先生の友達、龍さん。もちろん中国語。
しかも、通信もままならない広大な自然区域を回る仕事をしているので、さあ出発、という時まで待ち合わせさえはっきりしていなかった。
今回の旅行予定はほとんど“白紙”の状態でスタートすることになった。


羽田空港を出発したのは、白ワインお替わりしながらの全日空の北京行き。
北京に到着したのはお昼過ぎ。
それから青島ビールを買い込んで、中国国際航空 CA1291便へ乗り換えて烏魯木斉へ。
陸路で行くとなれば、大変な時間を要する。何しろ、広大な中国の一番“向こう”だ。
空路があるから、このようにちょっと会社を休んでその地を踏むことができる。
けれど本心を言うならば、やっぱり長い時間をかけてやっと辿り着くのが、新疆の旅にはふさわしい。

とはいえ、北京から烏魯木斉空港まで4時間と少し。
羽田から北京までより遠い。

ウイグル ئۇيغۇر
烏魯木斉 ئۈرۈمچى
この地の本来の現地語はウイグル語。中国語が浸透してきたのはそう昔の話ではない。そういう場所だ。

烏魯木斉空港に到着したのは、20時過ぎ。
でも実は先ほど日没を迎えたばかりだ。
飛行機の中からは、鮮やかな西日に染められた翼が見えた。その沈みゆく太陽を追いかけるようにして、しかし追いつくことはなく、この地に辿り着いた。

20141011.jpg

中国はこの広大な面積にも関らず、北京時間で統一されている。
ここは実質、北京-2時間、日本からは-3時間と考えることができ、実際に現地では新疆時間という非公式の時間と公式の北京時間が混在している。

到着ロビーへ出てみると、出迎えの人々がわんさかしていた。
龍さんとはここで待ち合わせすることになっている。事前に写真を交換していたが、私が持つ龍さんの写真はとても小さくて難しかった。
敦煌の空港みたいのを想像していたから、着けばすぐに落ち合えると思っていたのが間違いで、誰も彼もが龍さんに見えて途方に暮れた。
そこへQ先生から電話。
「まゆこちゃん、龍さんが来ないって言ってるよー」
「先生、私、赤いワンピース着ててきっと目立つからそう伝えて!」
こうして無事落ち会えたのでした。

車に乗り込むと、二人の女性。張さんと李さん。
龍さんは奥さんと一緒に来てくれると言っていた。どっちかなー。
中国では結婚しても姓が変わらない。夫婦別姓だ。
張さんが奥さんで、李さんはここ烏魯木斉の友達なのだということがわかった。

龍さん、張さん夫婦。
てっきり烏魯木斉在住なのかと思ったら、わざわざ“库尔勒”(コルラ)という街から、ここまで来てくれたのでした。
库尔勒は烏魯木斉から南西に離れた場所。結構遠い。
「どれくらいかかりました?」 と聞いてみたら、張さん。
「9時間だよー」
「えー!遠い!」
「全然、遠くないよ」
そうか、この広大な新疆に暮し移動する彼らにとっては、遠すぎる距離ではないんだ。
それにしたって、「友達の教え子」を迎えるためにここまで来てくれるなんて、なかなかできない。
「あなたの為に行くわけではないよ。友達に会うのだから。気にすることはない」
そう言ってくれていた。

張さん、車内で小さなリンゴみたいなものを幾つかくれた。
「これ何?」
「红枣、だよ」
ピンポン玉みたいな大きさの红枣。リンゴみたいな外観と食感だけど、味は完熟のサクランボみたいに甘かった。
どこでも果物丸かじり!は、中国の文化だ。

市街地に向かう途中、夕ご飯に。
「辛いの好き?」

201410112.jpg

大好きな火鍋でした♪でも、私が知っている火鍋とはやり方が違う。
手前にある小皿。
青辣椒、红辣椒、香菇、香菜、小葱…これらを器に適当によそっていき、しゃぶしゃぶのつけダレにする。
私が食べたことがある火鍋は、辛い物はみな唐辛子の辛さだったけれど、つけダレの材料を見ての通り山椒の痺れる辛さ!
あっという間に口や頬が痺れてきた。
この辛さに耐えながら食べるのが楽しい。しかし、強ばった表情を見て、みんな私が無理をしていると思っただろう。

メンバーは私を含めて5人。
龍さん、張さん、李さんに加え、このお店のオーナーである曹さんがもてなしてくれた。
白酒が注がれているのは、私と張さんと曹さんだけ。
李さんと龍さんはもともとお酒は飲まないのだそう。奥さんの張さんはヘビーな中国煙草を吸いながら白酒をぐいぐいと、とてもたくましかった。
白酒は洛陽に続き、二度目。
流通していない白酒なのだそうで、なんと一瓶500元もするのだそう!
度数は高いけれど、爽快でフルーティーな香りに悪酔いすることはなく、私はすっかり白酒が好きになっていた。
そして、私の飲みっぷりにみんな喜んでくれたから、遠慮なく飲むことができた。
「欢迎你来!」
「别客气」
とても嬉しかった。

私が理解できる単語はとても少ない。
隣りに座った李さんは、私が?になると私が書きとめ用に持ってきたノートに書き込んでくれた。
龍さんは私が生まれた1982年に大学に入学しているそうで、現在49歳。
「大叔!」 と言ったのは、龍さん本人。
張さんは龍さんの10歳下の39歳。

201410113.jpg

ところで今更ですが、火鍋に入っているこの白いの、何?
白身魚の天麩羅みたいな感じ…。
「兎子肉」 なんと、ウサギでした!実はこのお店、ウサギ料理のお店だったのです。どうりでそこかしこにウサギの置物やらがあるわけだ。
「日本ではウサギ、食べる?」
「食べないよー、食べるとしたら高級料理だよ」

中国では、「食事」を大切にする。
食べることは楽しいし、食事はコミュニケーションの場でもある。
一緒にご飯を楽しめたら、もう友達だ。

ホテルは繁華街にある百花村酒店。
中級のホテルで、コストパフォーマンスはたいへん良かった。エレベーターの入り口には、金属探知機と警備員が。
烏魯木斉に来てまだ数時間、ここが治安維持に努めている場所であること、沿岸部の都市とは違うことが、すでに感じられていた。
先ほど、ホテルへ向かう途中の車の中で。
「マーヨーズ!見て!」
前方を見ると、戦車みたいな形をした厳めしい公安の車が通り過ぎて行った。戦車じゃないんだけど。
ちなみに、マーヨーズ、とは私の名前。ピンインは、ma you zi ということでマーヨーズ。


ホテルのチェックインの際、フロントの女の子は明らかに漢人ではなく中央アジアの雰囲気があった。
髪は茶がかっていて、瞳は大きく透き通った薄い色をしていた。
「维吾尔族!」
ウイグル族だ。龍さんがこそっと囁いて教えてくれた。
ここ烏魯木斉には、42の民族が暮らしているのだそう。その中でも、人口に膾炙しているのがウイグル族だ。

ホテルの部屋に荷物を広げていると、龍さんが上の階から段ボール箱を抱えて入ってきた。

201410114.jpg

なんと、お土産にたくさんの果物!
先ほどの红枣に梨に葡萄!!
葡萄なんか、日本で売られているみたいにまとまった房ではない。持ち上げると、だらだらと大粒の果実が連なり、とても重かった。
梨は日本の梨とは違う。洋ナシを小さくしたような外観で、味と触感は日本の梨に近かった。
「これあると便利だよー」 と小型ナイフを貸してくれた。

中国は果物の国。そして、ここ新疆はその王国だ。



後日談:家に持ち帰った梨を見て、母が「あー!これ、この前、項羽が食べてたやつだー!!」 と叫んだ。
母はBSの中国ドラマ「項羽と劉邦」を録画して見ていて、その中にこの梨が度々出てきたのだという。
「あれ何かと思ったんだよね」 日本にはない梨です。

⇒ 烏魯木斉旅行二日目~その一~ へ続く

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プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国四川省宜賓市にて生活を始めました。
旅行記に絞ったブログ、一つひとつは旅のあしあとです。

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