2016-05-22

伊寧旅行一日目

2016年4月28日、お昼に退社しそのまま新幹線へ。
暦通りのGWに有給をつけ、7泊8日の伊宁旅行へいよいよ出発です。

伊宁(イーニン)へ行くといって、ほとんどの人に「それ、どこ?」と訊かれてしまう。それも当然の話だ。
イーニンは中国内陸に位置する新疆ウイグル自治区、その最奥に位置する都市。
中国地図を見てみれば、いちばん左上端の国境手前にその地名を見つけることができる。

新疆ウイグル自治区に魅せられてしまった私。
「一度、中国のもっとも遠くに行ってみたい。中央アジアとの国境へ行ってみたい」
それが今回の旅行のスタートでした。

中国をおおざっぱに見るとき、ひとつこんな傾向があると知っておくといい。
それは、東側の沿岸部ほど都市機能が整った場所が多く近代化していて、一方内陸にいくほどその逆だということだ。
つまり、日本人にとって中国の内陸部に足を進めるということは、ただ単に距離の問題だけではないといえる。
有給をつけたとはいえ、今後こんなに長い休暇があるかわからない。
だから、かねてからの憧れである内陸国境へ。

「もっとも遠く」と言うならば、実はそれは新疆南西部の喀什(カシュガル)の方面の方がそれにあたるだろう。
最初はホータンかカシュガルを行先に考えていたが、安全面を考慮して今回はイーニンに。

新疆・ウルムチの友人、ロンさんに「GWにイーニンに行くから友達がいたら紹介して」と話を持ちかけたのは2月の終わり。
新疆ウイグル自治区は他の場所とは違い、外国人がふらりと出掛け、気軽にあちこち回れる場所ではない。
いつもは一人で動きたい私だけれど、車も必要だし、現地に詳しい人がほしかった。それに何より安全を優先すべきだった。
「もちろん!」
ロンさんがそう答えてくれたことで今回のイーニン旅行の計画はスタートし、それは同時に素人である私はそのすべてを彼に一任したことになる。
スタートと同時に私は行きたい場所とやりたいことの詳細を彼に伝えていたが、その通りにいくはずはなかったから、それだけは覚悟していた。

何度もやりとりを重ねていたが、旅行の詳細は出発直前までまったくはっきりしていなかった。
一週間前になり、その時点でようやくあらわれてきた旅の輪郭は、三日後にまたがらりと様相を変えた。

もともとウルムチまで空路で行き、その後寝台列車で10数時間かけてイーニンまで行く予定が、切符が手に入らずに寝台バスで行くことになった。
とりあえず、出発三日前の時点では仮・旅程として、
1日目、北京泊
2日目、ウルムチ発の寝台バス泊
3日目、霍城泊
4日目、イーニン泊
5日目、コルガス泊
6日目、新源泊
7日目、ウルムチ泊
こんな風に毎日違う場所を転々とする流れができていた。
その中で、コルガスと新源でロンさんの友人が私にごちそうしてくれる。

いつどこへどうやって行くかはっきりしない。
なんてアドベンチャーなんだろうと、不安よりもわくわくの方が強く、いつもより旅行日数があるからこそだなと思った。


成田から夜便で北京首都空港へ到着すると、2月に北京旅行でお世話になったモンさんが迎えに来てくれていた。
買ってきてと頼まれたものを渡す代わりに「ホテルまで送って」とお願いしていたのだ。

今回、複数の友人に頼まれてきて買ってきたものは総量かなりのものだった。
ところが。
4月の上旬、関税の決まりが改定された。
中国人の外国での爆買いが政府に懸念されたのか、空港で税関を通過する際の検査が比較にならないほど強化されたのだ。
昨年にすでに税関がかなり厳しくなっているのを感じたが、日本人だとわかると通してもらえた。
しかし今回はどうかわからない。
特に注意が必要なのは、化粧品だ。飛び抜けて税率が高く、なんと50%。
限度額5000元を越したものには容赦なくこの税率が適用される。

恐る恐る空港を抜けようとすると、やはり税関にひっかかってしまった。
日本人だとわかっても免れられなかったが、X線検査機に通せと言われたのは、なんとシリアルと洋服が入ったボストンのみで、あとの荷物は免れた。
この適当さは中国ではかなりの幸運だといえる。
決まりは決まりだけれど、この先のことを考えるとうんざりだ。

1604281.jpg

モンさんに空港近くのホテルまで車で送ってもらい、頼まれていた荷物を渡す。
時刻はすでに遅く日付が変わろうとしていたが、明日のフライト時刻を伝えると、フロントは「5時半発のバスに乗らないと間に合わないね」とあっさり言った。
ホテルから空港までの無料送迎バスを5時半に予約し、部屋へ。

1604282.jpg

空港から2㎞ほどのホテル。
北京といえどもここは郊外で周囲は真っ暗。
「マーヨーズ、何時に何のフライトでウルムチに着くんだ?」
ああ、そうだった。
ウルムチで待っているロンさんに急いで返事をしながら、これからが旅行のスタートだというのに、まるで旅行から帰ってきたばかりのような余裕のなさと疲れを感じた。
ロンさんに久しぶりに会える喜びも、なんだかまだ実感がわかずに、本当のことじゃないみたいだった。


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シルクロード好き

はじめまして。
シルクロード紀行に惹かれて訪問しました。
旅の出来事を詳細に記録されているようで、けっこう読みごたえがあるみたいですね。
ゆっくりとですが、読ませてください。

Re: シルクロード好き

べぇべぇべぇさん、初めまして!
ご来訪ありがとうございます。
長文のうえにご参考になる内容かわかりませんが、よろしければご覧になってください。

お久しぶりです。やんです。
仕事と家庭と忙しく、まゆさんのブログを読む暇もありませんでした。2月にアメリカに行き、6月にもアメリカに行って帰ってきました。息子も大学受験と忙しくなってきました。
その間にも、精力的に中国を旅游していて、とても羨ましく思っています。頑張ってください。
私も当初、中国旅行をしていた時は、漢族の街より少数民族の街を重点的に回っていました。秘境に行きたいと思うところと、大都会の人の多いところに魅力を感じなかったこともあります。
いま、まゆさんが新疆に行く気持ちも分かる気がします。くれぐれも女の子の一人旅、気を付けてください。
では、再見!

Re:

やんさん、お久しぶりです!
仕事をしながら海外へ度々行くのはほんとうに難しいですよね。2月、6月といっても、それでも本当はもっと頻繁に行きたいのではないかと思います。
息子さん、大学受験ですか…、大変だとは思いますが、これから大学生活も楽しみですね。きっと良い結果が待っているはずです!

以前に、私が行く旅先にはやんさんが訪れたことがある場所も多いとおっしゃっていましたね。
もしかしたらどこか旅の好みに共通するものがあるのかも知れません。
私も都会はあまり好きではないんです。
けれど色んな中国を見たいので、まんべんなく行先を決めようとはしているのですが、やっぱり偏ります。

やんさんが旅行されていたころは、秘境はやはり秘境だったはずです。
けれど、今では本当の意味でそう呼べる場所はもうほとんどないかも知れません。
新疆もまた例外ではありませんが、それでも内地とは比較にならないと感じています。手つかずの場所がほとんどで、素晴らしい。

うんざりするほど長い旅行記ですが、ご覧いただいてうれしいです。
ありがとうございます。安全第一で頑張ります。

はじめまして!

こんにちは!
突然コメントすみません。
ここ数年、中国旅行にはまっており、まゆさんの旅行記、いつも楽しく拝読しております。

まゆさんの書く文章は理知的かつ詩的で、あまりに月並な言い方になってしまいますが、中国各地の風景や習俗が目の裏に浮かぶようです。
特に今回のの伊寧旅行記は、朋友の方々とのやりとりも含め、叙事的なノンフィクションを読んでいるようでした。

実は、こちらのブログを知ったのは1年ほど前になります(ずっと読み逃げしててごめんなさい涙)。
すぐに惹きこまれたのですが、一気に読んでいまうのがあまりにもったいなく、各旅行記を少しずつ、旅をなぞるように楽しませてもらっております。
どこまでも頭脳明晰で慎み深いのに、時に大胆でお酒が大好きなまゆさんに勝手に親近感を覚えております(私もビールと焼酎が命のうわばみです笑)。

来月下旬、夏休みを利用して南京に一週間ほど一人旅に行こうと計画中です。
『南京旅行二日目~その三~』の文中にあった、干支のあしらったカラーストーン(『飛行石みたい』なやつです)が気になっていて、母や叔母、祖母へのおみやげにいいなあ、と思っているのですが、こちらはいわゆる雨花石なのでしょうか?
すごくきれいな色合いだなあと思いつつ、ガラスという記述もありましたし、別に紹介のあった雨花石とは少し風合いが違うような…。
それと、こちらはネックレスにしつらえてもらえるものなのでしょうか?
画像ですとネックレスを通す穴のようなものがあるみたいですが…。
質問ばかりですみません..。

私は、昨冬と今年のGWに、それぞれ重慶とハルビンに行ってきました。
重慶では、マンハッタンばり?の超高層ビル群に驚き、さらにその真下に天秤で果物を売る人民がびっしりいることにまた歓喜し…。
郊外の大足石刻のポップなデザインも楽しく、武隆のカルストでは、本気で精霊や天使の存在を信じたくなるほどの絶景に言葉を失いました。
ハルビンも最高でした。上海や武漢の洗練された租界建築群とは全く違っていて、ヨーロッパ建築がまさに“現代の中華人民共和国”の中で活かされている様に痺れました。

勝手な言い分ですが、こういった街がいずれまゆさんの筆でどう表現されるのか、ひとり楽しみにしております(偉そうでごめんなさい!(><))。

ブログのヘッダーにある、『壮大な中国。自分の物差しが小さいことに気づく。』の文言、私はまだまだ中国旅行ひよっこですが、大きくうなずきたい思いです。
中国に行くと、人もモノも街も土地も、すべてが広く自由で、私がふだん思い悩んでいることってなんて瑣末でせんないことなんだろうと感じます。
私はまゆさんと違って中国語がまるっきり話せないのですが、にもかかわらず、筆談や身振り手振りで一生懸命に伝えようとしてくれる中国人の優しさにいつも心が温かくなる思いです。。

…って、すみません!途中から完全にひとり語りになってしまいました。
なかなか周りに中国旅行を語れる仲間がいないもので…迷惑な読者で申し訳ないです。
どうぞ、いちファンの戯れ言と思って読み流してくださいませ。

これだけ書いておいて恐縮なのですが、お忙しいと思いますので、くれぐれも返信はご無理なさらないでくださいね。
次の旅行記もゆっくり心待ちにしております!
本当に長々と失礼いたしました。

Re: はじめまして!

べーこんさん、初めまして!ご覧いただきましてありがとうございます。数々のお褒めの言葉、純粋に嬉しいです。

来月南京に行かれるのですね。
南京は郊外まで足を広げれば見所は本当にたくさんありますので、一週間時間を用意されるのは理想的だと思います。
私のときは時間がなさすぎでした。
私は弾丸旅行が多いのですが、やむをえないのです。けれど叶うならば、3日4日の旅行よりもじっくり一カ所を堪能したい。
ある程度時間を過ごさないと、見えてこない風景知ることができないことなんかもあるはずだからです。

干支のカラーストーンですが、あれはガラスです。雨花石ではないんです。
ペンダントトップになっていて、自分でネックレスにもキーホルダーにもストラップにもできます。
売っているのはきちんとしたお店ではなくて、ごちゃごちゃと店先にさまざまな商品を並べたそんな小さなお店ですので、そこではしつらえてもらえないです。
購入した時、一緒に紐をつけてくれましたが、簡易過ぎて用を足さないです。
金具はついているので、やっぱり持ち帰って日本で自分でやるのがいいかと思います。
今でも夫子廟の裏道あたりにはあるのではないかな、と思います。
干支がきれいだし、おばあさまはきっと喜ばれるのでは。

雨花石はいわゆるメノウ、天然石ですので、けっして色は均一ではないのでひと目でわかります。
水に水彩絵の具を垂らしてできた模様のような、そんな風合いを持っています。
これもあちこちに売られていました。

重慶もハルピンも、今までなんどか旅先の候補に上がりながらも未だ訪れていないんです。
でもいつかきっと行きたいと思っていますので、その時には良かったらまた旅行記ご覧になってください。がんばります(^_^)
実は先日も河北省秦皇島へ行って来ました。これから旅行記書こうと思っています。

ありがとうございます!

お忙しい中、早々に返信をいただきありがとうございます!

少し前の記事への質問ですのに、本当に丁寧に教えていただいて…。
干支のカラーストーン、ガラス製でも十分素敵ですね!
時間だけは無駄にあるので笑、ぜひ選り好んでみたいと思います。
雨花石のつかみどりも面白そう♪

今回は秦皇島ですか!河北省は私にとっては未知の領域なので、今から読むのが楽しみです。
『弾丸旅行』とおっしゃいますが、まゆさんは限られた時間の中でめいっぱい充実した旅をされているので、見習うことばかりです。
私は生来の怠け者で出不精なので、却って一週間くらいないとまともに観光できないのです…笑

このたびはありがとうございました。
これからもひっそりと応援させていただきます!

Re: ありがとうございます!

いえいえ、ご参考になれば幸いです。
いい旅行になるといいですね!
南京は反日感情が心配なところですけど、私の時にはたいしてそういうことはありませんでした。
けれど何があるかわからないし、用心してし過ぎることはないと思うので、お気をつけて!

旅行記という性質柄、こうして以前の記事を見ていただいたりコメントをいただいたりすることがよくあります。
私にとってすべての旅の思い出が大切なものですし、あの時こんなこと書いてたんだ~こんなこと思ってたんだ~なんて懐かしくなります。
中国は変化が早いから、1年前からまた南京も様変わりしているのかも知れません。1年は早いな~と思うと同時に、遥か昔のよう!
プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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