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2016-05-22

伊寧旅行二日目~ウルムチ・前編~

2016年4月29日、ほとんど睡眠をとらずにホテルをチェックアウトし、抱えきれないほどの荷物を抱えバスに乗り込む。

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5時半、月がまだ明るく輝いていた。
北京首都空港から、7時40分発、中国南方航空CZ6931便でウルムチに到着したのは11時40分。
機内でアナウンスが入る。
「コルラ行きのお客様は一度降りて30分程待合室でお待ちください」

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乌鲁木齐(ウルムチ)行きの乗客は右へ。
库尔勒(コルラ)行きの乗客は左へ。
昨年9月に友人に会いに訪れた、コルラ。この飛行機はウルムチ経由のコルラ行きだったことを知って懐かしい思い。

飛行機を降りて携帯を立ち上げると、ウルムチで落ち合うロンさんから微信にメッセージが入っている。
「ウルムチ南站で待っているから、空港からバスに乗って来な」
…なんで火车站(列車駅)なんだろう。
そう訊くと、「切符を買うからに決まってるじゃないか」
予定では、今夜の寝台長距離バスに乗って、明日午前中にイーニン手前の温泉县まで行くはずだ。
夜行列車のチケットがとれなかったから、やむを得ずそうなったのでは。
「キャンセルがあって切符がとれたんじゃないか」
とういうことのようだ。

空港出口から直行バスに乗って、ウルムチ南站へ。10元。
案内には「火车站」としかないので心配になったが、ウルムチ南站=ウルムチ站だ。
初めは北京のように、北京站、北京西站、北京南站、なんてあるのかと思い不安になったが、ウルムチにはこの一つしか列車駅はない。

ウルムチ市内の街並みは懐かしく、それでいて見慣れた感覚がした。
昨年9月にリー・リーの運転であちこち回ったものだった。
ここもあそこも記憶に新しい、そんな風に感じて嬉しかったけれど、実際に私があの時通った場所と同じかどうかは定かではない。
再来の喜びが作りだした錯覚のような気もした。

ウルムチ南站へ到着すると、ロンさんが降り場で待っていてくれた。
私の恐るべき量の荷物を持ってくれるが、しかしこの荷物の3分の1は彼から依頼されたものだったので遠慮なく手伝ってもらう。

セキュリティーが厳しい激混みのウルムチ南站の窓口で、購入済みのチケットを受け取る。
前回同様、購入済みにも関わらずなかなかスムーズにいかなかった。

ここで受け取るチケットは3枚。
実は、ウルムチからイーニン手前の霍城にかけて、当初ひとりで動く予定になっていたが、ロンさんから指示されたルートがよくわからず、確認を繰り返していた。
新疆ウイグル自治区は、街と街の間隔がかなりある。
そして、街があるところ以外は果てしない砂漠や荒涼とした自然風景が広がるのみ。
街ならばともかく、なんにもないところで行動を見失ってしまうことは命取りだ。
そこで、ウルムチから霍城まであるご夫婦と一緒することになった。旅行出発前々日の話だ。
彼らは彼らで向こうに行く予定があるらしい。

そんなことで、受け取るチケットは私を含め3枚。
ロンさんから彼らの身分証を預かり、自分のパスポートと共に窓口に提出するも、私のチケットのみが見つからないのかなんなのかなかなか発行してもらえなかった。

無事チケットを3枚受け取り見てみると、
本日4月29日 22時46分発、5801次、博乐行き。
ここで下車するのが「博乐站」だということを知る。

ウルムチ南站を出て、私たちはタクシーへ乗った。
咳こむ私を見て、ロンさんは「いつから?」と訊いた。
実は4月のあたまからひどく体調を崩し、下旬になってようやく良くなったかと思いきや激しい咳に苦しんだこの10日間。
病院で薬をもらい、少しは良くなった?と思ったら、ウルムチで飛行機を降りた途端再発してしまった。
「今日は空気はいい方?」
「今日は、まあまあかな」
ウルムチもそんな話は無関係ではない。

14時過ぎ、タクシーを降り私たちは歩いた。街の喧騒から離れた落ち着いた雰囲気だ。

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そんな中にどかんどかんと二棟の高層マンションが道路を隔てて向かい合っていた。
ひとつがロンさんが住むマンション、向かいのもうひとつが今回夜行列車を同乗するご夫婦が住むマンションだ。

私たちは15階のロンさんの部屋へ荷物を置きに行った。
すると、例のご夫婦が。
旦那さんの方は存在だけは以前から知っていたが個人的に連絡をしたことはなかったし、もちろん顔を合わせるのも初めてだ。
意外にも私と歳の近いご夫婦で、すぐに打ち解けた。
旦那さんのチャンさんと、奥さんのフェイフェイだ。

荷物を置いて、ロンさんと私は再び階下へ降りて近くの市場まで歩いた。

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ロンさんには色んな仕事があるが、そのひとつ、新疆の産物を扱っている。
この市場にはロンさんの倉庫があるよう。
「この中にいるのはすべてウイグル族だよ」
門をくぐる時、彼はそう言った。

ずらーっと向こうまで干果(ドライフルーツ)が並べられている。

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その中で見慣れないもの。
枸杞(クコ)でした。実物を見たのは初めて。
このように紅いものと黒いものがあることも知りませんでした。
枸杞は今回の旅行を通して、市場で何度も見かけることになりました。

大きさも色も様々な葡萄干(レーズン)を見ては、一つひとつを食べ比べてみる。
こうした新疆で売られている輝くような葡萄干は、種類の豊富さだけでなく、その姿形も日本で販売されているものとまったく違うので、私はレーズンという言葉がしっくりこない。これはやっぱり“葡萄干”だ。

新疆に来たな~と実感しながら様々な特産物を眺めながら歩いて行くと、ロンさんの倉庫に着いた。

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手前が杏干、奥には紅棗干。
ロンさんは倉庫の鍵を開けて奥であれこれやっているので、私も入ってみた。
麻袋に詰められた杏干が山積みになっている。
「これどれくらいあるの?」 と訊いてみると、
「どれくらいだと思う?40…」
「…キロ?」 それはないだろうと思いながらも。
「トン」 40吨
まさかの40トンでした。すごい~!

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倉庫の横では、ウイグルのおばちゃんたちが胡桃の殻を取り除いている。
「それ、自分の手でやるの?」
驚いていると、おばちゃんたちはこうやるんだよと見せてくれた。

一昨年ウルムチ旅行の際に胡桃を持ち帰ったが、処理に困りトンカチで割ったのだがまたまた処理に困ったのだった。
そんな話をしたらロンさんが胡桃割り道具をくれた。
胡桃の殻にも硬さはいろいろだとは思うが、そんな話をしたばかりだったのでおばちゃんたちの作業には驚きだった。

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「マーヨーズ、見てごらん」
「大芸~!」
手前の二つのケースにある木の枝みたいなのは、“肉苁蓉”。漢方薬だ。
中国での通称、大芸。
滋養強壮に効果があり、日本でも流通し滋養強壮剤に配合されていたりする。
私はロンさんから貰ってよくお茶にして飲んでいるが、本当に元気がでる。
しかし、この巨大な塊はまるで石のようで処理できず、一度日本の漢方薬のお店に粉砕処理できないか訊ねたことがあった。
自分のお店の商品以外のものにどうこうする気もないといったふうで取りつく島もなかったが、その調剤師さんはそもそもこれがなんなのかわからないようだった。
おそらく、細かく処理されたものしか見たことがなかったんだと思う。
ちなみに以前見た中国ドラマ「衛子夫」では、西域にしかない万能の薬としてこの植物が登場していたがあれはまさしくこれだった。
しかしこの肉苁蓉、けっして万能の仙薬ではないんだとロンさんは言った。
この漢方が素晴らしいのは、比較的どんな人にも適合しそして副作用を起こさないということだ。
それは、第一の効能が血流を促進させることであって、言ってみればただそれだけだからだ。
血流が良くなることによって体調は改善されるが、だからといって万能の仙薬なのではない、それは理解すべきだと。
副作用を起こさないと書いたが、若干おなかがゆるくなるという。しかし私はそれで困ったことは多分ない。

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ウイグル文字がふられたけばけばしい看板はどれも色褪せている。
もともと塗料や材質が耐久性を持っていないか、あるいは厳しい気候風土が退色を促すのか、単に年月が経ったものか。
どれにしても、私にとってはその土地の生活感を感じるようで、各所でこうしたものを見るのが好きだ。

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こちらは山になった“雪菊”。この細かい黄色い花はお茶になるのだ。
標高が高い山岳に生息する植物で、崑崙山脈のものが有名。
目に効能があり、私も好んで飲んでいる。

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ではこちらの赤い山になっているものは何かというと、紅棗干だ。
積み上げられた段ボールには「和田大枣」の文字。
「前に、若羌だけでなく、和田(ホータン)、哈密(ハミ)の紅棗もくれたね」
大きさも味もぜんぜん違って驚いたよ、と話すと
「どれが一番良かった?」 とロンさん。
「若羌」
「私たちはみんな和田のは食べない。若羌が一番いいのだよ」

市場を抜けながら、「二年前に行った市場とは違うね」と話した。
「そう、ここは商店や専門店に売る市場で、お客さんには売らないんだよ」
お客さんが一人もいないわけだ。
こうして、お昼ご飯へと向かうことに。

⇒ 伊寧旅行二日目~ウルムチ・中編~ へ続く

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ナツメ 

貴重なレポートありがとうございます。
僕も中国のとある大きな町の市場でナツメを買ったことがあります。
山西や寧夏産のが主流ですが、新疆産のは粒が大きく、高値で売られてました。アクスとホータンだったような記憶があります。
大元はこうして集められていたんですね。
肉厚なので、夏バテした時にそのまま食べてました。
リンゴのような味がしておいしかったです。
また続き読ませてください。

Re: ナツメ 

大芸、そのまま…リンゴのような味…乾燥したものではなくて新鮮なものですか?
私は乾燥したものしか口にしたことがないのでびっくりです。
そんな味がするんですね!
乾燥したものを煮て飲んでいますが、やり方が悪いのでとても苦いです。
友人が飲ませてくれたものは、ほのかに苦みがある程度で美味しく飲めたので、やり方の問題だと思うのですが…。

ええ、大棗。色はアメリカンチェリーみたいな色で、果肉がちゃんとありましたよ。リンゴのような味でしたが、一般的にはそのように言わないかもしれません。僕が買ったのはとにかくとても大きく、最高級品だったかもしれません。八宝茶や薬膳スープなどに入っている棗より、もっともっと大きかったです。

話しは変わりますが、肉苁蓉というんですか、知りませんでした。
でもお写真から見ると、朝鮮ニンジンやマカみたいな根菜のようで、それならば、同様の物を扱っている食料品店なら、粉砕機で砕いてくれます。
鹿の耳の漢方みたいにスライスするような感じなので、粉末にはなりませんが、そんな機械がお店にあるなんて、さすが中国でした。
楽しい記事なので、また読ませてくださいね。

Re:

あ、棗のことでしたか!大元と書かれていたので、大芸(肉苁蓉)の入力間違いかと思い…失礼しました。
棗ならば、新鮮なものはリンゴのように甘くて美味しいですね。
ホータンなどの大棗は新鮮なものは食べたことがないし、アクスのものは乾燥したものも食べたことがないです。
だから一度それも食べてみたい。
若羌産のものは小振りタイプになりますが一級品なので、これを見つけたらぜひ選んでみてください。美味しいです!

というわけで、先ほどの苦い云々は棗のことではなく、大芸(肉苁蓉)の話になります。
スライスされた状態で乾燥されたものはいいのですが、塊で乾燥されたものは本当に石のように硬くて、ノコギリでも無理でした。
水に浸けて二日、これでも太いものはダメでした。
そうですね、中国現地の漢方薬局なんかでは処理できるかと思いますが、いつも時間のない旅程なのでそれもなかなか難しく…。
現在は水でふやかした後(その水も飲んで)、できる範囲で切断して煮ています。。。
プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国四川省宜賓市にて生活を始めました。
旅行記に絞ったブログ、一つひとつは旅のあしあとです。

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