2016-05-22

伊寧旅行七日目~コルガス二日目・中編~

フェイフェイたちと合流して、来た方面を戻って行く。
また、点在するショッピングモールを覗きながら。

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「この一週間、ずーっと天気が悪かったのに、最後になってこんないい天気!」
雨が降って曇ってまた雨が降って。
サイリム湖には雪が残り、雹が降った。
それなのに今コルガスは、気持ちのいい青空に白い雲。
温かい日差しは、もう間もなく初夏がやってやってきそうな予感がした。
「もし今日サイリム湖に行ったらすごくきれいだよ」 とフェイフェイ。
たしかにそうだ。
天気に恵まれたサイリム湖や那拉提はどんなにか美しいだろう。
でもやっぱり今回の旅行にそうした意味の悔いはない。

最後にカザフスタンのものを買って行きたいよ、とお願いしある建物へ。

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マトリョーシカ、香水、毛皮製品、食品。
ロシア風のアクセサリーもあり、安いものを購入。
奥には本格的なアクセサリーがあり、「いくらするんだろう…」 と見ていたら。
「そんなに宝石が好き?」
うしろからシュー・イーハンが声をかけてきた。
本人にたいした意味はなかったと思うが、私はどきりとした。
なんだか、見透かされたような気がしたからだ。

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煌びやかな器たち。
金銀に赤や青や緑などの色彩が派手。
アラジンがでてきそうなのもある。
一番下の段、タマゴみたいな形をしているのはここだけでなくあちこちで見かけたものだ。
イスラム寺院が象られていたり、とってもきれいなんだけど、これ何かというと爪楊枝入れ。
使いどころがない。

店員さんが勧めてきたもの。

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三頭のラクダ。
これなにかと言うと、小物入れ。
どこに物を入れるかというと、“くら”の部分が蓋になり開くのだが、錠剤が2、3粒入るくらいしかスペースがない。
これも使いどころがない。

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ガラスの器もたくさん。

口岸すべてに共通することだが、どこにも値札がない。
もともとの価格がいくらでいくら安くなるといったような、免税販売の基本的情報がない。
中国人は元を、カザフスタン人はカザフの通貨を使う。
だから値札がないというが、それなら両方の価格を提示すればいいと思う。
実際には価格はあってないようなもので、大概は交渉で決まる。

買いたいものを両手に抱えて「これいくら?」と訊いていく私。
店員さんは、それぞれにいくらいくらと答えていく。
値引き交渉が頭になかった私は、それらの価格をそのまま引き受ける。
「ここではどんどん値引ける。でもそんな風に買う準備されたら私でもどうしようもないよ」
フェイフェイはじれったそうに、私の抱えた商品を指してそう言った。

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私が求めるものとフェイフェイたちが買い求めるものは違う。
彼女たちは生活用品を。
私は旅行のお土産を。
彼女たちはもう3日間、ひたすら買い物をしている。
その理由は、一日に免税で買うことができる限度が設定されているからだ。
1日、一人8000元まで。
その他、煙草は何カートンまでなどあるのだろうか。
一人8000元はなかなか越さないと思うが、フェイフェイたちは1日の限度を越さないように日を分けて買い物していたようだ。
一方、カザフスタン人が購入できる限度は、1日、50㎏までとのこと。
「金額じゃなくて重さなの?」
イミグレーション付近では、大量の食料品を買い込んだカザフ人が大勢いた。
中国人とカザフスタン人はそれぞれ自国の制限内で買い物をする。

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真ん中が吹き抜けになっていた。
飲食店なんかはなく、どのショッピングモールもみごとに同じような免税販売店だけが並んでいた。

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こちらは口岸敷地内の模型。
D型の左一辺が、先ほど馬を見物したテントの通りだ。
その一番奥にコルガス口岸の建物がある。

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カザフスタンやロシアのものだけでなく、新疆の特産品も並ぶ。
こちらは有名なラベンダーの産地のようで、イーニンでもここでもラベンダーの香料や石鹸などがたくさん売られていた。
もしそうなら、機会があればそのラベンダー畑もいつか見てみたい。
その他、和田玉も。

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こちらの建物は、哈萨克斯但、俄罗斯、土耳其、つまりカザフスタン、ロシア、トルコの輸入品を扱う。

その他、中国初め各国のの煙草、化粧品などを扱う、空港の免税店のような小ぎれいなビルもあり、入ってみた。
すみっこに少しだけ、日本の化粧品スペースがあり見に行く。
高級ブランドが棚に並ぶ中、こちらは日本の薬局などで手軽に買えるような品物が簡単に置かれていた。
「なぜ、わざわざここに来てこのラインナップ?」 という感じ。
中には薬局なんかで見たことがあるものもあり、しかしほとんどがありそうだけど見たことがない日本の安い化粧品だった。
例えば、化粧水で言えば日本では1000円以下で買えそうな手頃なもの。
BBクリームなんかも、見たことがなかったが薬局に売っているような1000円くらいのもの。

フェイフェイが興味を持ったようで見ていると、店員さんと話している。
私はBBクリームのパッケージを裏返して、1200、と四角で囲まれた欄をこっそり見せた。
「これが定価。だからここの高いよ」
このビルだけは価格が提示してあり、日本のBBクリームはだいたい2倍以上の元価格が設定されていた。
薬局やネット上では定価以下でだいたい購入できるから、
「これ、高い。日本で定価よりも安く買えるよ」
そうフェイフェイに。
店員さんには悪いが、2倍は高い。輸入するコストを考えたら当然だけど。
「彼女、日本人なの」
そう言うと、店員さんは苦笑した。水を差してすみません。
フェイフェイは日本の手頃な価格帯の化粧水とBBクリームに興味を持っており、後日しっかり整理して紹介してあげる旨約束した。
それにしても世界の高級ブランドの一角に、よりによってなぜこのラインナップだったかわからない。

フェイフェイはまだ買い物をしたいようだったので、私はひとり外に出てのんびり待っていた。
すると、シュー・イーハンが話しかけてきた。
「昨日、車のスピード150㎞以上出てたの知ってた?」
例のイケイケお兄さんの運転だ。
私は120㎞を越した時点でメーターを見るのをやめたのだった。

とりとめもない話をしながら、彼の日本への興味の強さを感じた。
しかし、「現代の若者文化」と条件を加えなければならない。
さらに条件は絞られるが、そこは考えないことにする。
ともかく、別に日本の歴史や伝統的風俗に興味を持っているわけでも、日本の風土に興味を持っているわけではないのだ。
中国には、こうした方向性で日本に興味を持つ若者が、思っていた以上に多いことを実感し始めている。
北京や上海ならいざ知らず、新疆・ウルムチもそれは同じなのだった。
しかし、まさかこんな辺境にまでそうした若者がいるとは、本当に驚きだった。
何故なら、情報規制が厳しい中国の中で、特別に情報規制が厳しい新疆ウイグル自治区、その中でも国境付近はさらに規制が厳しいからだ。
こうした若者文化だけでなく、日本製の製品だけでなく、それをきっかけに日本のさまざまな文化に対する興味や理解も広がっていけばいいな、とそう思う。

4人ふたたび集合して、ご飯を食べに口岸を離れることに。
時刻は14時。
何度も通ったこの道。
広がる風景の中に、点々とする建築中のビル。

「マーヨーズ、これ見て!」
見ると、伝統的な様式の派手な建物。内地では当たり前のこれも、ここでは浮いてしまう。
別に伝統的な建物というわけではなく、新築。

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中には中国系のファーストフード店が入っている。できたばかりみたいだ。
「新疆の***だよ!」
なんのファーストフードだったか忘れたが、フェイフェイは強く勧めてくる。
「新疆のもどこのも同じ***じゃないか」 チャンさんが呆れたように言う。

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少し活気のある方まで来た。
私が宿泊したホテルの周りは何にもなかったし、口岸の周辺もそうだったが、ちゃんとこうした人気ある場所はあった。
眺めながら歩いていくのが楽しい。

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コルガスは美しい街だな、と思った。
青い空に白い雲がとても似合うな、と思った。
もし仮に、旅行中天候がいい日と悪い日の日数が決まっていてそれを自由に采配できたとしても、やはり私はこの日に青空をもってくると思う。
旅行前だったらサイリム湖と那拉提をあげただろうが、こうして旅行を終えてみると、最終日この街で青空の下のんびり歩くことができて良かった。

お昼に選んだのは、たまたま見つけたお店。

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大好きになった奶茶。
これが飲み収めだ。

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こちらは定番、抓饭。
杏干と葡萄干、それから人参が混じり合ったご飯に、羊肉を加えている。
おばちゃんは丸太のまな板の上で羊をダンダンと切り、最後にダンッと包丁を丸太の上に刺した。
豪快だ。

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チャンさんはここでも、奶茶も皮包子もいらないという。
ひとりホテルに残ったり、一人で先に行ってしまったり、私に気を遣ってフェイフェイと一緒させてくれてるのかなと思っていたが、実はイーニンで食べた丁丁炒面によりずっと体調を崩していたのだそう。
胃が痛いのだと、フェイフェイが教えてくれた。
それでも昨晩、白酒の乾杯をこなしていたのはさすがだ。

みんな帰りの時間を心配してくれ、ホテルへ戻ることに。
どんどん寂しくなっていく。
私はここからイーニンへ戻り、そこから空路で夜ウルムチ入りする。
フェイフェイたちは18時頃の列車で明日朝にウルムチへ戻る。

歩きながらシュー・イーハンが何か言ったが何を言っているのかわからなかった。

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見てわかった。
「天空之城」という店名の本屋さん。
天空之城は、「天空の城ラピュタ」の中国語名だ。
「君をのせて」の出だしを歌い、「これでしょ?」と言うと、「そうそう」と。
またまたの、こんなところに日本関連、だ。

あの地平線 輝くのは
どこかに君をかくしているから
たくさんの灯がなつかしいのは
あのどれかひとつに、 君がいるから

さあでかけよう ひときれのパン
ナイフ、ランプ かばんにつめこんで

父さんが残した 熱い想い
母さんがくれた あのまなざし

地球はまわる 君をかくして
輝く瞳 きらめく灯
地球はまわる 君をのせて
いつかきっと出会う ぼくらをのせて


子供の頃、大好きだったこの歌。
どうしてか、この街にとても合っている気がした。
というよりも、ここを訪れた私の旅の感傷に合っている、といった方がいいかもしれない。

中国を各地旅行していて、さまざまな日本の歌と出合うことがある。
伝統的なものから歌謡曲まで。
出合い方もいろいろだけれど。
そんな中で、この「君をのせて」との遭遇率は実は低くない。
私の中にだけある、驚きのデータだ。
実は今回の旅行中、イーニンの地下通路でも一度、出合っている。
小さなお店から流れてきたのは、日本のオリジナルではなく中国で作られたものだった。
以前に訪れた敦煌でも、楽器で演奏している人がいた。
道端でバイオリンでこの曲を弾いているおじさんに出会ったこともある。

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このあと歩いて行って、私がコルガスに着いた時にバスを降りた付近までやってきた。
ここには緑豊かな公園があり、そこでのんびりしてからホテルに向かうことに。
みんなで写真を撮っていなかった私は、ここで通りすがりの人にお願いして撮ってもらった。
木陰のベンチに4人座る。
乾燥もなく過ごしやすい気候だ。

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ホテルへ向かう途中。
中国語にウイグル語にカザフ語。
中国語は私にとって難しいが、文字の識別ができない言語よりはましだな、と思う。

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ホテルに預けていた荷物を受け取る。
フェイフェイの荷物はチャンさんが、私の荷物のうちボストンをシュー・イーハンが持ってくれる。

先ほどのフェイフェイとの会話。
「チャンさん、荷物持ってくれて優しいね。中国人の男性はみんな優しいね」
「みんなが旦那みたいではないよ」
中国にも、旦那みたいのもいて、そうじゃないのもいるんだから。
「マーヨーズはどっちが好き?」
「チャンさんみたいに優しい方!」

シュー・イーハンが持ってくれているボストンを指して、
「重い?」
と訊いてみた。
「うん、ちょっと重い」
そこは、「没事」(大丈夫)と言ってほしかった。
チャンさんであれば、または他の中国人男性であれば、今私が持っているキャリーバックの方も持とうとしてくれるだろう。
「日本の女の子はどんな男の子が好き?」
そう彼が訊いてきたので、
「優しい人!」 と即答しておいた。



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まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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