2016-05-22

伊寧旅行八日目

2016年5月5日、一睡もできず6時にホテルのバスで空港へ。
バスに荷物を載せるだけでも一苦労。

1605051.jpg

ウルムチにも朝がやってきた。
時間的には余裕と思っていたら、機内預け荷物が重量過多。
慌てて荷物を広げて詰め替える。
液体物は必ず預け荷物に入れなければならない。
他にも色んなトラブルが続き。
そんなこんなをしていたら、搭乗時間ぎりぎりに。
保安検査も激込みで、抱えきれない程の手荷物をもって「間に合わないから!」とお願いしながら前に割り込んで行く。
軍手をしているが手がちぎれそうだ。

そうこうして、北京首都空港に到着したのはお昼。
ここまでくれば一安心だと、マッサージしたりバーガーキングを食べたり珈琲を飲んだりしてのんびり。
搭乗口ではエコノミーの搭乗が開始された。
軍手をしながらロンさんのお土産を必死に持って移動していると、JALの方がビジネスクラスの搭乗口の方へ案内してくれた。
そうしてなんと、私の搭乗券の座席を1Aと書き直してくれたのだ。
エコノミーが混雑していたようで、そうしたこともあったかもしれない。

1605052.jpg

昨日眠れなかったことや、シャワーも浴びれず洗顔もできなかったこと、連日の溜まった疲れ。
そんなことも吹き飛んでしまった。
と同時に、先ほどハンバーガーを食べてしまったことを激しく後悔。
サービスの良さに感動し、シャンパンの美味しさに感動し。
もっと長く飛行機に乗っていたかった。

無事に羽田に到着し、新幹線の最終にも間に合った。


帰国して10日程たったある日。
ロンさんから微信にメッセージがきた。
「マーヨーズの道のりは長いから未だに心配してるんだけど、烤羊肉腿、大丈夫だったか?」
「羊肉ってなんのこと?羊肉が恋しいよ」
そう返事した私に対し、翌日。
「渡した荷物の中に銀色の袋があっただろう。2㎏の烤羊肉腿じゃないか」
慌てて銀色の袋を開けると、中にはナンに挟まれた大量の烤羊肉腿が。
すでに10日が常温で経過している。しかもここ最近、暑かった。
「ホテルでしっかり説明したじゃないか。お母さんに食べさせてって」
袋には“葡萄”の文字があり、中身は葡萄干だと思っていた。
「あの日、疲れてしっかりしてなかったんだよ」
まさか、羊肉が入ってるなんて思わないから私の耳はそのワードをキャッチしなかったと思われる。
「わざわざ説明したじゃないか。それに、他の物は中身が明確だった。あれだけ中身が見えないのに、好奇心の観点からも開けてみるべきだろう」
そのあとはえんえん、私に対する恨みつらみが…。
「このまぬけ、私の苦心を無駄にした」

ロンさんの性格はわかっているので、本当に私のお母さんに日本ではお目にかかれない烤羊肉腿を食べさせてあげたかったんだという善意はよくわかった。
にこにこした彼の笑顔と、今のがっかりして溜め息している表情が想像できる。
私がロンさんのことを好きなのはそういうところだ。
けど、まさか。
突っ込みどころはたくさんあった。
・日本の検疫はそもそも一切の肉類の持ち込みを許していない。
・日本の食に対する感覚として、調理された羊肉は当日でも数時間経ったら抵抗があるだろう。
・2㎏は食べきれない。
さらに、私の母はこうした食べ物を食べない。
紅棗干なんかも、「何これ」といって勧めても決して口にしない。
何かわからないものということもあるし、そもそも中国の食品に対する抵抗を持っているのだ。
そういうわけで、もしこの烤羊肉腿の存在を知っていたとしても、私しか食べることはなく、それを伏せてロンさんにお礼を言っただろう。

この時折よくフェイフェイからチャットが来た。
そうして事情を説明。
「ダメになった?そんなことないでしょ。味が変わっただけでしょ?加熱すればそれで大丈夫だよ」
私、説明間違ったかな。
それとも、彼女の言葉を間違えて理解してるのかな。
10日、常温で経過してるんだ。調理済の羊肉が。
中国人と日本人とでは、食の安全に対する感覚は全然違うだろう。
日本人は過剰過ぎる、と思うこともある。
中国人は気にしなさすぎる、と思うこともある。
育ってきた環境により、そもそも日本人がおなかを壊してしまうようなものも、中国人には平気な場合はあるだろう。
「真空されてたでしょ?」
「空気入ってたよ」 でも、そういう問題では…。
これはたいへんだ、と思った。
どんなに仲良くなっても、どうしても埋まらない溝というか、理解し合えない分厚く高い壁がそこにあるような気がした。
性格的にそこは議論したい私だが、いかんせん語学力がなかった。


今回の旅行は、私の旅行なので恐縮だけども、まるでロンさん初めみんなで作り上げた旅行のようだと思った。
色んな人が関り、色んな人と出会うことができた。
得られたものは何にも代えられないものばかりだった。
関わったすべての人たちにお礼を言いたい。




16050444.jpg
また会える日まで


〈4月28日〉
成田北京  [北京泊]

〈4月29日〉
北京ウルムチ ー  [寝台列車泊]

〈4月30日〉
博楽 ー サイリム湖 ー イーニン 喀賛其民俗旅遊区 ー イリ河  [イーニン泊]

〈5月1日〉
六星街 ー 漢人街 ー イーニン新源  [新源泊]

〈5月2日〉
ナラティ風景区 ー 西域酒文化博物館 ー 新源イーニン  [イーニン泊]

〈5月3日〉
イーニン コルガス コルガス口岸・カザフスタン国境  [コルガス泊]

〈5月4日〉
コルガス口岸 ー イーニンウルムチ  [ウルムチ泊]

〈5月5日〉
ウルムチ北京羽田


クリックしていただけると励みになります☆
↓↓↓
にほんブログ村 旅行ブログ 中国旅行(チャイナ)へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

良い旅でしたね(^^)

伊寧までとはさすがですね(^^) 現地のネットワ-クを利用して行ければ女性ならではの様々なリスクが軽減されると感心しながら読みました。僕は基本一回の旅行期間は10日間と決めています。いつもル-トは適当なんで最終日の空港所在地へ戻る事だけを注意して色々と軌道修正をしつつの旅行です。中国旅行は時期次第では本当にストレスの多い旅となるので足が遠のくばかりです。当面は家内の帰省以外で旅行する気にはなれません。多くの意味で中国人は好きですが政府は相容れず、時に制約された自由と本当の自由の違いのわからぬ彼等を憐れにも悲しくも多少の苛立ちを持って最近は見ています。中国の経済の減速は色々な方面に弊害を起こしつつあります。家内の実家の生業は小売りビジネスなのですが、市中の購買減が顕著になりつつあり、規模の縮小等の方針転換が余儀なくされています。経済の変調は社会体制の脆弱な中国では社会不安に繋がり、治安の悪化が予想されます。今は娘同伴の帰省であるのでどうしても慎重な行動が良き無くされます。今回の記事は、お土産の話を含めて何か安心するかのような話で気持ち良く読めました。少しでも平和で安寧した環境がこの国で長く続く事を祈るように観ています。

いつもブログ拝見してます!

関口知宏さんの中国鉄道大紀行よりディープな中国の旅されてますね!

次回の旅も楽しみにしてます!

Re: 良い旅でしたね(^^)

toripagonさん、ありがとうございます。
トラブルもなく無事に帰ってこれました。

中国の制約についてですが、外国人である私の感覚と友達の感覚が違うように感じています。
例えば、中国のネット制約は新疆では特に厳しいですが、それについて「仕方ないこと」と受容しているみたい。
ずっとその環境なのだから、それは当然なのかも知れないですが。
以前に新疆の友人が、「新疆」の文字を含む言葉が発信できなくなったかもしれないと、テスト発信していたことがありました。
気づかないうちにそうしたことがあるかも知れないなんて、怖いです。

中国の経済失速は新聞にその記事を見るだけで、実感がありませんでした。
toripagonさんの奥様のご実家では、影響が表れているんですね。
中国では貧しさ=治安悪化、中国に旅行に行くならちゃんと動向も見ておかなければいけないんですけど…。
旅行していて嬉しい気持ちになるのが、現地の人たちの豊かな生活やその表情を見たとき。金銭収入云々ではなくて。
一方で悲しくなるのが、言葉にならない貧しさや苦痛を目にしたとき。

私が交友しているのはみんな生活が豊かな人たちです。
以前に友人が、「日本人ってこんなに礼節があって素晴らしいって書かれているよ」とある文章を見せてくれました。
「中国人もみんなすごく親切にしてくれるよ、素晴らしいよ」と返したら、
「まだ本当の坏人にあったことがないからだよ」と言われました。
私は中国の片側しか見ていない、あるいは見ようとしていないのかも知れない、そんなふうに感じました。

Re:

まなぶさん、ご覧いただきありがとうございます。

関口さんの旅行を引き合いに出してもらいまして、恐縮です。
とにかくドジで頼りない私なのですが、そんな私でも色々やって無事に帰って来れています。
ディープな旅行とは、最高の褒め言葉に感じます(^_^)

またご覧いただければ嬉しいです。

全てを知る事…

中国のアンダ-グラウンドな部分に立ち入ることは絶対にお勧めしません。僕ら夫婦が新疆を訪れた頃は、ウイグル族と漢族の衝突情報が家内の友人から入ってきて、吐魯番から早々に立ち去る事を進められました。今の中国人の若い世代は、制約された自由である現実を知りつつも本当の自由を知りません。このギャップをいずれまゆゆさんも知る事になるかもしれません。お話の通り多くの意味で中国人は親切で愛すべき人々です。家内の親族や家内実家は中流層で、家内の大学の友人は富裕層が沢山います。でも、彼等の生活にも色々な陰りが出てきています。日本のバブルは弾けたと言われてから随分後にどん底に陥りました。中国は既に経済破綻をしていますが、その影響は徐々に現れ一定期を過ぎると加速度的に進むと考えられます。不動産バブルは東北地方から南下しつつ都市部に到達しています。爆買いで来日する中国人は中流階級以上でその影響は徐々に現れています。中国の為替は下落傾向にあり1元/20円が17円を切りました。当局の為替介入があったとしても多少の変動を繰り返しつつ下落してゆくと思います。13円をしたまわった時が危険水準でこれ以降は想像したくありません。情報操作の甚だしい中国では真実の情報を得るのは本当に難しく、日本のバブル崩壊から経済の立直し政策の様には絶対にゆきません。まして、外資による資本投入で作り上げた経済は、真実の見えぬ国からは撤退する事を余儀なくすると思われます。事実、韓国の資本投下は中国を沈みゆく船と判断し、ベトナム等へシフトしています。とにかく、これからの中国はきちんと見据えてから訪中することが肝要だと思います。

全てを知る事…

様々中国を知る事は意義あることと思います。けど知らなくてもよいこと、しらなければよかったと思うことも中国では多々あります。僕の北京在住の友人は、親に捨てられた子等を保護している擁護院に資金援助をしています。その実態を知った時この国が如何にいびつな政策を行っているかを知りました。地下鉄で物乞いを肢体不自由者の現実や観光地で物乞いをする肢体不自由者の子達の真実を知れば目を背けたくなるより、吐き気を催す程の嫌悪感が生まれます。そして、その子等に何も出来ぬ自分に「他国の事ゆえ…」妙な言い訳をお題目の様に考え思考を閉じる自分が嫌にすらなります。この歪な中国を知って尚、中国と相対する勇気が僕にあるかと問われれば、即答どころか返事すら儘なりません。今までは旅行者であり、日本人だから旅行中の一過性の問題だと考えていましたが今は異なります。いつも、言いますが中国人は家族でも簡単に人を裏切る傾向があります。まして、親族や友人は命の危険すら伴います。但し、中国人の中には自らの命を賭してまで助けてくれる人も少なからずいます。ただ、どんなに親しくても油断してはならぬのが中国人である現実を心に留めておいて下さい。変な話ですみませんでした…

Re: 全てを知る事…

中国の行く末には不安要素が多すぎますね。
もともとは中国のブラックな部分にはそんなに触れるつもりはなくて…。
旅行の中で色々感じたり驚いたりするのが楽しいだけ、始まりはそこだしそれは今も変わっていないんです。
今でも見たくないものは無意識に見ていないところがあるかも知れない。
けど、やっぱりどうしても目に入ってしまうことや考えてしまうことがある。
そんな中で今後、もしかしたら知らなくて良いことを知ってしまうようなことがあるのかも知れません。
ただやっぱり、人の裏切りだけは今後も見たくないです。
プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
クリックしていただけると励みになります↲