2016-09-06

庫車旅行一日目

2016年8月11日、羽田を出発し北京首都空港へ到着したのはお昼。
昨夜は空港近くに着いたのが遅く、そのあと居酒屋に飲みに行ったため寝不足気味だ。

北京首都空港から乗り換えて向かうのは、新疆ウイグル自治区の首府、烏魯木斉(ウルムチ)。
世界でもっとも内陸に位置する都市である。

新疆ウイグル自治区は中国最西に位置するエリアで、全土の約6分の1にあたる広大な面積を持つ。
中国沿岸部の都市群、いわゆる“内地”と、中央アジア、ロシア等の各国との関係において緩衝体のように存在する一方、東西の文化が古来行き来し、東洋文化と西洋文化が交わる場所でもある。
防衛の要所であり、自然物資の宝庫であり、文化・美術・宗教の歴史的観点からも非常に重要な地域だ。

5月にも新疆ウイグル自治区・イーニン周辺を訪れたばかり。 
カザフスタンとの国境辺りだ。
その旅行の際に現地の友人が私に言った。
「8月に新疆へおいでよ」
二人の友人からそう言われ、心が動いた。
新疆ウイグル自治区の旅行においての醍醐味は夏だ。
今まで3度、いずれも春秋。私は未だ、灼熱の新疆を経験したことがないのだ。
真夏の新疆を知らずしてここを語ることはできまい。
実はお盆休みにはすでに別の旅行予定が入っていたのだが。
しかし、私の心の中はすでに決まっていた。

さてそれではどこに行くことにしたかと言うと、一日を友人たちが暮らす新疆南部の都市、庫尓勒(コルラ)へ。
三日を同じく新疆南部、コルラからさらに西へ向かった古都・庫車(クチャ)へ。
5泊6日の庫車旅行と題打った。
友人たちには会いたい、けれど未だ訪れたことがない場所にも行ってみたい。
両方叶えようとした結果、このような旅程ができあがった。

羽田から北京まで空路4時間、北京からウルムチまでも空路4時間。
ウルムチ空港へ飛行機が着陸し機内から降りたとき、時刻はすでに21時半。
朝9時の日本航空で出発してから、時計の短針はぐるりと一周まわってしまった。

1608111.jpg

中国の標準時間は北京で設定されている。
内陸に位置するこの地が暗くなるのは遅い。なにしろ北京とは2400㎞もの距離がある。

一日かけて辿り着いたウルムチだけど、ここもすぐに発たなければならない。
このあとウルムチ站へ向かい、そこから23時59分発の夜行列車でコルラへ向かうのだ。
空港では、ウルムチの友人フェイフェイとその旦那チャンさん、それからチャンさんの弟が迎えに来てくれた。
フェイフェイとチャンさんから頼まれていたものがあったため、ウルムチ站に着いてからそれを渡す。

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ここでウルムチーコルラの切符と、コルラークチャの切符を発券する。
予め購入しており、窓口で発券してもらう。
中国の列車駅はこの時間でも大混雑。
特に新疆旅行の際にはいつも時間がかかりたいへんな思いをしているため、発券するまで安心できない。
なぜかわからないけど、新疆では毎度スムーズに発券してもらえず、支払済・席確保済にも関わらず「ない」とかなんとかそんな話になってしまう。

無事発券が済み、フェイフェイが「ご飯食べにいく?」と訊いてきた。
空港で軽食、二度の機内食でおなかはぜんぜん空いていなかったが、せっかくだからフェイフェイともう少しいたいなぁと思い、ご飯を食べに駅すぐ横の食堂へ。
あいにく清真料理(ハラル料理)のお店は料理がもう終わってしまったということで、私たちは隣りの小さな食堂へ入った。

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トマトや菜っ葉の麺は間違いがない。
さっぱりした味わいはおなかが空いていなくても箸がすすんでしまう。
私は中国の麺が大好きだがここのところこういう麺に出合えていなかったのでうれしかった。
しかし、ここは四川料理の食堂だ。はるばるここに来て。
「でも、コックは四川じゃなくて新疆人だけどね」

フェイフェイは言った。
「私も一緒に旅行に行きたいよ」
彼女とは5月のイーニン旅行で一部旅程を共にし、友達になった。
「クチャには行ったことがある?」 そう訊くと、
「私が新疆で行ったことがあるのは、イーニンとコルガスだけだよ」 笑いながらそう答えた。
そうだ、彼女の故郷は内蒙古自治区で、さらにずっと海南で働いていて新疆へやってきたのはそう昔のことではないのだった。
私との5月のイーニン旅行は、彼女にとっても新疆に来て初めての旅行なのだった。

「蒙古(内蒙古自治区)へ行く時にはきっと一緒に行こうね」
そう約束していた。
本来今日は、フェイフェイは帰省している予定で会えないはずだった。
しかし予定が変わりこのように会えることになった。

フェイフェイの実家は、内蒙古自治区・満洲里だという。
ロシアとの国境の街で、中国北辺を横長にのびる内蒙古自治区の東北の先っぽに位置する。
「帰省するのにどれくらい時間がかかるの?」 そう訊くと
「列車に乗って3日間」
どれだけ遠いかということだ。そして中国がどれだけ広大かということだ。
彼女は蒙古語が主流の北の先っぽに生まれ、中国語を学び、南の先っぽの島・海南で働き、そうしてウイグル語が主流の西の新疆へやってきてここで結婚した。
中国を端から端へ移ってきた。
初めて内蒙古を訪れる時には、彼女のふるさとを旅先に選ぼう。そう決めた。

もうすぐ23時というところで、チャンさん兄弟が待つ駅前の広場へ。
預かってくれていた私の大きなキャリーバックを受け取り、駅前に入場するセキュリティーチェックで別れる。

新疆の列車駅は警備が非常に厳しく、どこもかしこも武装警察が高みから監視しているほか、駅前広場に入る前に一度セキュリティーチェック、それから駅構内に入る前にもう一度のセキュリティーチェック。
セキュリティーチェックもとても厳しいので面倒この上ないが、治安維持の為には仕方ない。
この厳しさがなかったら、この地は危なくて遊びになんて来れない。
先ほど発券しに行った券売所も入場時にセキュリティーチェックがあり、その次には身分証を提示して係員のOKをもらって入場するところが、フェイフェイは身分証を忘れて持っていなかった。
私がパスポートを見せたあと、係員の女性が携帯を見た隙に、私と共にさっと入場した。
フェイフェイは、「見てなかった、見てなかった」 と笑いながら舌をぺろっと出したが、この係員は失格だ。
ここではこうした緩さは治安に直結するため、こういうことは非常にまれだけど。

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23時59分発、K9756次、乌鲁木齐(ウルムチ)発ー阿克苏(アクス)行き。
私は途中駅、库尔勒(コルラ)で下車。
明日の朝6時にコルラへ着く予定だ。
この列車は、ウルムチを出発してコルラを通り、私のその次の目的地「库车(クチャ)」を通過したのち最終駅、阿克苏(アクス)へ向かう。
中国の列車はこのように長距離移動が基本だ。

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中国の寝台列車には高いベッド(軟卧)と安いベッド(硬卧)があるが、私は値段が高い方を選択。
高いベッドの部屋は二段、安いベッドの部屋は三段だ。
どうしても上部のベッドになってしまうが、これがなかなか大変なのだ。
歳をとったら無理だな、と思う。

寝る時間は5時間しかない。
昨日は寝不足だし、明日は友人たちと一日行動するのだから、ビール飲んだりしないで速攻で眠る…ところがそうはいかなかった。
同室の上部のベッドに寝るおじさんのいびきがこの世の物とは思えない程すさまじかったのだ。
全然眠れない。
耳をふさいでも脳内に侵入してくる巨大いびき。
何か音を出すと、起きないまでもいびきが中断することを発見した私は、見境なく布団やらザックやらを叩いていびきを止めようと奮闘したが、結局はもって3秒。その3秒でいびきに動じない程の眠りに落ちることは不可能だった。



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ありがとうございました♪

まゆさん、こんにちは。
先日、南京の雨花石についてコメント欄でお伺いした者です。
その節は丁寧に対応いただき、本当にありがとうございました。

このたび、南京より帰ってまいりました。
雨花石も、干支の『飛行石』も夫子廟エリアで無事ゲットできました~!
観光地価格とはいえ、予想外にリーズナブルでしたので、うっかり値切るのを忘れたほど笑。
お手頃価格なのに可愛くて、祖母も喜んでいました♪

南京は風格のある美しい街でした。
犬も歩けばならぬ、南京を歩けば文化遺産に当たるといった風情で、街全体がまるで風光明媚な博物館のよう。
とくに超然とした城壁は感動モノでした!
痛いほどの日差の中、すれ違う人もなく彼方まで続く城壁を歩いていると、白昼夢に誘われるようになったのが忘れられないです。

南京というと、まゆさんもおっしゃっていたとおり、どうしても歴史問題(というより現代政治?)のせいか、躊躇してしまうところもあったのですが、行ってみるといい意味で大違い!
反日どころか、むしろすごく親日的じゃない?!と感じるほどに皆さん優しくしてくださいました。

それと驚いたのが地元の人のマナーです。
地下鉄のホームではきちんと乗車位置に並ぶ&降りる人が優先、痰を吐く人が少ない、煙草を吸う女性が少ない、ちょっとしたことでも、笑顔で『谢谢!』、『不好意思』などなど…。ここって台北?と思うほど。
とくに若い女性を中心に、中国沿岸部の成熟ぶりには目を見張る思いでした。

長々と申し訳ありません!
秦皇島の記事も拝読しました♪
老龙头にはどこか切なくなるような美しさがありますね…。海に下ってゆくことと、潰えてゆくことが重なりあうような。
まあ、実際に行くと人民パワーでそれどころじゃなさそうですが笑。

と思ったら再び新疆に行かれたのですね!
新疆の方々との温かいやり取り、従前より楽しく拝見していたので、大切に読み進めたいと思います♪

本当に長くなってしまいましたので、どうか読み捨てていただき、かつ返信・お気遣いは御無用になさってくださいませ。
このたびはありがとうございました!

Re: ありがとうございました♪

べーこんさん、お帰りなさい(^_^)
充実した南京旅行だったようで、何よりです。
無事お土産もゲットできたんですね!喜んでもらえたようで、私までうれしいです。

南京、暑かったんですね。
夏の南京は酷暑だというから、きつかったのでは…。
南京は古都とはいうけども、あまり期待していなかったんです。大都市だしな、と。
でも都会と歴史がちょうどよく混在していて、素敵な街だなと思いました。
城壁、素晴らしかったですよね。

そうそう、マナーと言えば少し違う話かも知れませんが、南京でデパートのトイレに並びながら「早く~」と青い顔をしていたら、前の若い女性が爽やかな笑顔で「お先にどうぞ」とやってくれたんです。
中国ではなかなかそんな経験ないので、素敵な女性だな~と思っていたんですが。
べーこんさんの話を聞いてみると、南京にはやっぱり思いやりのある人が多いみたいですね。

こうやって色々なことを考えて、今回の旅行良かったな~って思えることが何よりのお土産かも知れません。
ご無事の報告、何よりです。ありがとうございました(^^)

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プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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