2016-10-13

銀川旅行一日目~その二~

銀川空港へ到着したのは20時過ぎ。2時間のフライトだった。
空港には空港バスが4路線あり、そのうち1号線が市内へ行くようだった。
20元を支払い乗車すると、周囲の風景はおどろくほど真っ暗になった。
辺りは建物もないような風景なんだろうと想像し、けれども30分もしたらちらほらと街の灯りが増え、あっという間に都市風景に変わった。

到着したのは旧市街。
人々の憩いの場、南門広場の南だった。
私が宿泊予約をしているホテルは、ここから北上した鐘楼に近い場所だったので、地理を把握するためにも歩いていくことに。
道行き人に尋ねながら進む。
膨大な荷物を抱えながらでこぼこと道が悪いなか進むのは、けっこうな一苦労だった。

ホテルに着き窓の外を見ると、煌びやかな夜景。

16092213.jpg

北京や上海のような大都市の夜景ではない。
中国の素朴な夜景。
カラフルな電飾やネオンがくるくると色を変える。
それはどこか懐かしくも、日本にはない味わいだった。
大都市でもなく、かといって僻地でもない。
私にとってはちょうどいい按配なのだ。
デジャブとノスタルジーが入り混じったような感覚を覚えながら、
「私はこの街を好きになる」
そう予感した。

時間はすでに23時。
初日でも時間がもったいないので、さっそく散策に。
ホテルを出れば辺りにはいろんなお店が建ち並び、向かいには果物の市場が展開されていた。
歩いて行きほどなくして、巨大な鐘楼に。
鐘楼の前には大通りが通っていた為に、なんとなくそこを右折してみればすぐ向こうには鼓楼が見えた。

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何もかもがライトアップされきれいだった。
この中国式回廊に沿って小さな池があり、こんな時間でも多くの人が休んでいる。
こうしたライトアップを、かえって雰囲気を損ねると言う日本人はきっと少なくないだろうと思う。
歴史ある塔や仏閣、そんなものにも電飾は絡まり、夜になると自ら発光する。
時にはそれは滑稽にも見える。
けれども、そんな「単純さ」が私は好きだ。
そこに、中国の根っからの明るさを見るような気がするからだ。

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こちらは向こうに見えた鼓楼。
大通りに、鼓楼と鐘楼が少し離れてならんでいる。
この鼓楼、すごい迫力だった。
新しく作り替えられたものではない。
歴史の重厚感を持って、どっしりと腰を据えているように見えた。
今まで、中国でいくつかの鼓楼・鐘楼を見てきたが、私にとって銀川のそれは群を抜いて突き刺さってくるものがあった。
歴史的な背景、建築美、保存状態、街の風景との調和。
何が自分のこころを射止めたのか考えてみると、いろいろ浮かんでくる。
けれど、そこにははっきりとした理由なんてないかも知れない。
ただ、素晴らしい、好きだな、と思った。

16092216.jpg

鼓楼の内部は封鎖されていた。
石レンガの向こうには、銀川の歴史を見守り象徴してきた鼓楼とは対照的な、近代の繁華街の賑わいが見えた。
こうした繁華街はどの都市にも作られるようになり、中国の都市風景を画一化することになった。
若者で溢れ、どの街でも見るような洋服や靴などのお店に、うるさいほどの音楽が鳴り響く。
けれども、こうして鼓楼ごしに切り取られた近代風景を見てみると、なんだかとても繊細な輝きをもつ宝石のようにも見えてくるから不思議だ。
この街は古さだけではない、新しさだけでもない、そう感じた。

賑わうエリアを求め、ふらふら歩いてきたのには訳があった。
銀川を訪れるにあたって、私の重要項目の中に、
「蘭州拉麺をたらふく食べる」 というのがあったのだ。
蘭州拉麺は言うまでもなく蘭州が本場の麺だが、他の地域でも食べることができる。
新疆でたった二回だけ食べたことがあるが、たいへん美味しかった。
蘭州は今回お預けとなったが、そのお隣の銀川とあれば少なくとも今まで旅行した場所の中ではもっとも本場に近いと言える。
そういうわけで、まずはこれを食べたい。

街を歩けばそこかしこに、そのお店はあった。
旅行の時間は限られている。おなかは一つだ。
つまり、食べることができる回数も限られている。
そんなこんなで吟味し、結局ごく普通の小さなお店に入ってみた。
時間はすでに遅く、店内には女性客ひとり。

拉麺が出てくるまでの間、壁に架けられた料理の写真を撮る。

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どれもものすごく美味しそうで、今回の旅行中では食べることが叶わないことを心から悔やんだ。
一ケ月くらい滞在しないと、これはダメだ。
一際大きく写されていたのは、「新疆大盘鸡」と「手抓羊肉」
ここはすでに西域の領域なために、新疆ウイグルの料理も頻繁に見かけた。
手抓羊肉は、銀川の一押しらしい。

この写真のすぐ前では女性がひとり食事をしていたが、私はお構いなしで横でパシャパシャと撮影していた。
すると、「どこの人?」とその女性。
日本人だというと、続けざまに色んな質問をされた。
留学生じゃないの?
どこで中国語勉強しているの?
一人で自分で旅行に来たの?
この女性、ここ銀川の旅行会社に勤めているのだと言う。
名古屋との直行便があるとしきりに繰り返した。
この時、まさか銀川との直行便があるとは思っていなかった私は、どこかを経由した航空券なんかを扱っているんだと思った。
近年の中国人観光客の増加により、少し前まではまったく想像もできなかった地域との空路が結ばれるようになった。

後ろでは、出来上がった拉麺を手にどうしていいかわからない店員さんが困っている。
一度はテーブルに置いてもらったものの、伸びてしまいやしないか心配で、結局食べながら話すことに。

16092218.jpg

この拉麺は辛みがあるタイプだった。
蘭州拉麺といっても基本スタイルは同じだが色々あるのだ。
牛骨ダシの澄んだスープに、細い手延べ麺、それにたっぷりの香草。
文字は同じだけど、日本のラーメンとは全く違う別物だと説明しておきたい。
蘭州拉麺はさっぱりしながらも味わい深く、栄養価も高い。
塩分や油分はほぼ感じられない。
とってもヘルシーなのだ。

向かいの彼女と話しながら食べる。
実はわからない部分もけっこうあったのだけど。
最後に私たちは連絡先を交換して、彼女は先に帰っていった。
滞在中、再び顔を合わせることはなかったけれど、帰国した今でも連絡をとっている。

明日は車を一台手配していた。
友人の後輩の弟、というのがここ銀川でガイドをやっているとのことで、紹介してもらっていた。
8月のクチャ旅行ではガイドで痛い目を見ていたため、この件に私は最初から慎重だった。
「ガイドはこりごり。車だけ」
確認してみると、一日400元。
これはおそらく相場よりも安い。
「漢族?」
これは一番最初に確認したことだ。
少数民族に対する偏見だといわれようと、仕方ない。
明日は12時にホテルまで迎えにきてくれる。
「時間があれば自分も一緒につきあうよ」
友人の後輩の弟、リーさんはそう言った。

16092219.jpg

近くの商店でたくさん色んなものを購入した。
おばちゃんは袋を二重にしてくれたりとても親切だった。

ここ銀川はかつて「西夏王国」の首都だったところだ。
歴史のロマンたっぷりの場所。
その西夏の名がつく「西夏ビール」。

それから手前はイスラムのスナック菓子。
モスクのデザインの上にイスラミックカリグラフィーが印刷されていて、なんとも西域ふう。
ここ寧夏回族自治区の回族はイスラム教徒だ。
この地の人間の大半をイスラム教徒が占めている。
ここはイスラム教民族の都市なのだ。

日付はとっくに変わり、窓の外の夜景はすでにほとんど灯りを落としていた。
それでも眠るのが惜しくて、暗くなった外の風景を見ながら、少し開いた窓から入り込む外の空気を肌に感じながら、もう一杯もう一杯とビールを飲んだ。



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蘭州拉麺…

 僕は独身の頃、三食全て麺だけで生活していた麺好きなんですけど中国の麺料理で一番好きなのは蘭州拉麺です。但し、蘭州市で食べるとの条件が付きますけど… と言うのも蘭州では朝食時の午前中まで提供する店が本物で一日中やっているのは観光客相手で本物のではないと教えられました。理由は蘭州っ子は、朝食としてしか食べず、昼食や夕食にしないてので地元民相手の店は午前中までしか提供しないそうです。
 僕は通算で10日ほど蘭州にいて蘭州拉麺を色々と食べ歩きましたが、一番の老舗と呼ばれていた店は麺も湯も本当に絶品でした。
 最初に店に入るとレジ側にあるトッピングの具材を選びます。僕は卵と肉と野菜を皿に入れて貰い、一度精算します。この時、麺と湯も精算されチケットを渡されます。
 それをもって調理台の前に行くと基本の拉麺をくれます。黙っていると麻辛油が入れられます。適当な席に座りトッピングを載せて食べます。朝は満席でどんぶりを持って外で立ち食いをしている人も沢山います。

 ス-プは牛骨です。蘭州拉麺は回族による清真料理(イスラム料理)なので当然、豚肉は入りません。イスラムはハラルにより厳格に食されるものが定められ、衛生にも特殊な程に配慮されているので外の中華料理より衛生的に安全とされています。
 麺は「拉」の示すとおり手延べでその場で瞬く間に伸ばします。茹で時間も短く、2分も掛からず茹で上がります。
 ス-プは濁りのない清湯で青葱が散らしているだけがベ-スです。そこに麻辛油をかけてくれます。初めて食べた時、蘭州っ子の彼女がタップリとトピングを載せて、麺を十分に掻き混ぜて食べる様に教えてくれました。
 とにかく、麻辛油の刺激の強さに驚きました。辛油の辛さより麻油の痺れる刺激に参りました。ところが不思議な事に翌日もその翌日も食べたくなって蘭州滞在中は毎日、店を変えて食べていました。彼女に蘭州人みたいだと笑われるほどでした。

 その時、「麻」の味を覚えました。痺れる辛さの外に、独特の香りと味が料理に強いインパクトを与えるていることを知り、帰国の際に買い求めました。すると「麻」は赤、緑、黒や産地や時期によって種類が豊富な事を知ります。
 今は北京の市場に出向いて数種類を1kgずつ買い求めています。北京のス-パ-や日本で手に入れられものではあの味は出ません。麻婆豆腐も同様でこれがなければ画竜点睛を欠くことになります。
 蘭州拉麺は本来の味とは異なりますが、僕にとっては甘酸っぱい思いでの味でもあります。黄河第一橋から蘭州の名前は忘れた公園、動物園、清真寺、博物館、そして映画館と歩いた道々を思い出します…
 今は互いに別の人生を歩んでいますが、あの出会いがなければ今の自分はいなっかたと言えます。もう一度、彼女に会うことはあり得ませんが、あの蘭州拉麺の味だけは無性に食べたくなります。でも、北京でも西安でも上海でも同じは名はあれど蘭州のものとは異なります。朝の明けきらぬ時間にあの街で食べてこその味だと写真を見ながら思いました(^^)

Re: 蘭州拉麺…

そんな話を聞いてしまうと、本場の蘭州拉麺が食べたくなってしまいます!
今まで食べたのは、新疆で2度、今回の3度だけなんですが、それでもすごく美味しかったから、本場はどんなにかおいしいんだろう!
そう言われてみれば、新疆で友達が拉麺に連れて行ってくれたのは、2度とも朝でした。
さっぱりしていて手軽に食べれて朝食に向いてるのかも。
新疆の麺好き友達も、今回のガイド・リーさんも、「拉麺は早くていい」と言ってました。
おいしいとかじゃなくて、そこなんだ、とは思ったけれど。
やっぱり現地が一番だし、それがまた旅の理由になるんですけど、ただ旅は縁だと思っているので、私にはまだそのタイミングではない…から行先が変わったんだろうな。
いつか蘭州に行ったら、絶対地元民の本物のお店にします。もし見つかれば、なんですけど、。
そして辛い拉麺を食べてみたい。
「麻」の拉麺を食べてみたい。今回食べた辛みのある麺は、「麻」はなくて「辣」だけでした。

toripagonさんは蘭州にそんな思い出があるんですね。
人だけでなく、場所とか風景とか物とか、あらゆる出会いって素晴らしい。
それが心に刻まれていって年輪みたいになって、人の奥行って出来上がっていくのかもしれないです。
重なって埋もれていった年輪は外にはもう出てこないけど、奥底にはたしかに残ってる。
toripagonさんにとって蘭州の思い出が大事なように、そのかつての彼女さんにとってもtoripagonさんやその時の風景はそうなんだと思います。
プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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