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2018-08-23

38日間周遊 〈3日目〉 合肥

2018年7月2日、目覚ましのアラームで無理やり起きたのは8時。
三日目にして重たい身体に不安を覚えながら支度に急いだ。
そのまま荷物をまとめチェックアウトし、キャリーバックをホテルフロントに預けた。

今日から少しきつい日程が始まる。
今日一日汗だくになったあと、夜は夜行列車のためシャワーも着替えもできない。
夜行列車で向かうのは紹興で、今夜出発したあと明日の6時過ぎに到着する。
そして一日観光したのち、そのまままた夜行列車に乗るが、これが長い。
おおよそ30時間、つまり翌日一日移動して翌々日に目的地に到着する。
この蒸し暑い中、まるまる三日間を超す時間、シャワーを浴びることはできず、なんとか状況を作って着替えだけは、という日程。
こういう日程を組んだのは自分だから仕方ない。

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ホテルを出発して、まず向かったのは少し離れたところにある合肥南部バスターミナル。

ここから今日は郊外に向かう。
合肥市区から南へ80㎞ほどのところに、三国武将として有名な周瑜の墓がありそこに向かうのだ。

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周瑜墓がある街、盧州までバスチケット30元を支払い乗り込んだ。
盧州までのバスは頻繁に出ているようで、車両も大型のもの。
時間にして二時間かからないくらいだったが、爆睡し朦朧とした意識の中到着した。

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盧州は小さな街。
高層ビルはなく、どんどん近代化していく中国の中で、少し前の街並みを残しているといった感じだ。

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帰りのことがあるので、いったん出たバスターミナルのチケット売り場を覗いてみた。
帰りは、ここ盧州と合肥のちょうど間にある古鎮、三河古鎮へ立ち寄ってから帰りたかったが、行き方がわからなかった。
窓口に訊ねてみたところ、三河までは長距離バスではなく路線バスが出ているとのこと。バスがあるなら安心だ。

時刻はちょうどお昼、ご飯を食べてから周瑜墓への行き方を考えることにしよう。
そんなふうにして通りをうろうろして見つけたのは、新しい建物が少ないこの街で目立つ真新しいお店。

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‟老郷鶏”、安徽のファーストフードのよう。全国に400店舗を展開しているらしい。
せっかく安徽省に来たのだからここにしよう、と入ってみた。

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肥西老母鶏湯を小椀で、それにご飯とビール。
鶏湯は本当は大きいサイズがよかったが、小椀で13元、中椀で20元を超すので我慢した。
道のりは長い。仕事を辞め私は今、お金がないのだ。

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この鶏スープ、とてもおいしくて感動した。
骨ごと入った鶏からダシが濃厚に出ていて、色味も濃い。味付けのないシンプルなダシの味がおいしい。
スープをご飯にかけて締め風に食べてみるとこれもまたおいしい。

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ご飯を終えて、いよいよ周瑜墓に向かう。
見てみると路線バス1路、2路、3路の停車駅に「周瑜墓園」というのがある。

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バスに乗ってみるとすぐだった。
大通り沿いにバスを降りてみたが最初それらしいものが見当たらず、人に訊きながら進んでみると、反対車線に大きな牌楼があった。

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目の前はその名も「周瑜大道」。

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牌楼をくぐってみるとそこに周瑜墓の入り口はあったが、なんと施錠されている。
隣の建物の人に「今日休み?」と訊いてみると、
「今は休み時間、2時半になれば開く」とのこと。

一時間ほど門の前で待つと、やっとのこと一人の女性がバイクに乗ってやってきた。
「ここの係員?私、入りたい!」
外国人ではるばるここまでやって来たアピールをすると、
「二時半からだけどもう入っていいよ」と脇の係員用の扉を通してくれた。
事務室には帳簿があり、そこに記入してから入場する。
見てみると、昨日は十人ほど、今日は午前中に三人が来場しているよう。

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入場してみるとさっそく正面には周瑜を祀った建物。
これはもちろん現代に整備されたもので歴史的なものではない。

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両側には孫策、孫権はじめ一族の像。勇敢な孫権の妹も。

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周瑜は、三国時代、呉の名将として有名。
孫権を支え篤い信頼を得て活躍した。
有名な赤壁の戦いでは、劉備軍と協力して曹操軍を大敗させたその功労者として、また人格者、多才な美男子としてのイメージからも根強い人気を得ている。

私は三国志は漫画くらいしか読んだことがなく無知に等しい。
ただ孫権、周瑜に関しては、映画レッドクリフを見たから若干身近に感じるようになった。
数年前にはその赤壁へも行った。
像を見ながら思い浮かんだのは映画の断片。
色んな小説を読んでいればさまざまなパターンの想像ができるだろうに、私にはその材料が少ないので、脳裏に浮かぶのはそのまま映画の場面。
周瑜のかっこよさもあの俳優さんだし、小喬の美貌もあの女優さんのまま。

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周瑜を祀る建物の裏に回ると、いよいよ周瑜のお墓があった。
周瑜はここ盧州の生まれだったため、死後ここに祀られた。

昨日逍遥津公園で見た張遼の墓よりも大きい。
周瑜ファンが置いていったのか、生花も供えられている。
日本にも、三国志関連の史跡専門に中国を旅する愛好者は少なくないだろう。周瑜は特に人気だから、はるばるここまでやってくる日本人もきっといるに違いない。

映画の中の人、本の中の人。
こうしてお墓に来てみると、そんな人たちが急に現実味を帯びてくる。
実際の人物から飛躍して架空の人物みたいに装飾された人たちも、みな本来はごく普通の人間であったはずだ。
運命に翻弄されたり、その能力が優れたものであったりはしても、みな同じ人間だった。
現代になり物語化しても、本来はその人その人の実際の一生があったのだ。
お墓を目の前にするとそんなことを思う。

お墓の近くには井戸があった。

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近くにたたずむ像は周瑜の妻、絶世の美女といわれた小喬のもの。
小喬は周瑜が死去したあと、ここで14年にもわたり墓守をしたのだそう。
そしていつもこの井戸でお化粧をしたりしていたので、井戸水は紅の色に染まった。
そこから頬紅井の名がついたという。
周瑜のハイライトは赤壁の戦いだ。
赤壁の戦いで名を上げたあと数年も待たず病で死んでしまう。
年齢にして35歳、私とおんなじだ。
仲睦まじい夫婦だった周瑜と小喬、小喬は寂しかっただろうな、と思った。
英雄は若くして去りそれがさらに伝説となる。
霍去病も病だったなぁ、武将でありながら戦いではなく病で命を落とすというのがまた不思議なものだ。
国は違うけど新選組の沖田総司もそうだな、と思い出す。
夭折、美男子、武勇伝。
これらは人気の三要素かもしれない。

ほんとうにどうでもいいことなのだけれど、ここに立てかけれれていた説明板。
日本人客も多いのだろう、中国語、英語、韓国語に続いて日本語があった。

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翻訳がおかしいのはよくあることだけれど、これはどうしたものか。
中国らしいな~と変なところで中国に来ていることを実感する。

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周瑜墓を後にしてふたたびバスに乗り、到着したバスターミナルまで戻ってきた。
そこにはここから合肥市区方向にある「三河古鎮」行きの路線バスがある。
盧州の街の中では、路線バスは夏季2元だったが、こちらは距離が遠いためか3元。
それでもこの金額で遠くまで移動できるのだからありがたい。
爆睡してしまったため定かではないが、それでも一時間近くは走ったのではないかと思う。

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三河に到着したのは16時半のことだった。
窓口に確認してみると、合肥行きの最終バスは17時半とのこと。
一時間しかない。

ここ三河の由来は、豊楽河、杭埠河、小南河が交わるところにある。
明代にその名がついたのだそう。
ここに古い町並みを残す三河古鎮が観光客に開放されている。
景区までは少し距離があり、歩きながら、帰りのバスに間に合わせるには30分も観光できないな、と覚悟した。

入り口には巨大な観光センターが建設されており、この時点ですでに昔ながらの風景は失われてしまっているのだけれど、内部は思いのほか素晴らしかった。

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時間帯の問題もあるのか、観光客も少なくお店もほとんどしまっていたため、そんなふうに感じる部分はあったかもしれない。
2500年の歴史がある古鎮である。
石畳は古くから往来した人々の足により、磨かれて光っている。

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左右には徽派建築が建ち並ぶ。
いわゆる‟うだつ”である馬頭墙がその特徴だ。
たくさんの建物が身を寄せ合っているから、一度火事が起きると一帯に被害が広まってしまう。そのための防火設備だ。
安徽の建築にはこのような防火対策を見ることができる。

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壁はこのように細かに石を重ねあげて作られている。
もともとは塗り込められていたのが、年月とともにその姿を現したものだ。

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一軒一軒はお店になっていたが、素晴らしいなと思ったのはそれぞれの建物は現代も住居として生きていたことだ。
観光地でありながら、そこには人がそのまま暮らしている。

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それぞれにはこのように、灯篭でできた表札?がかかっていて、こんなのも雰囲気を感じる。

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こちらは干された鳥の羽。
なんだろうと思ったら。

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きっとこれだ。孔明扇を売るお店。
赤壁でも買ったな~。

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豆皮に米酒なんかがここの特産のよう。
米餃というのがあちらこちらにあり気になったが、いよいよ時間が怪しくなり慌てて戻ることにした。

無事にバスターミナルに戻り、合肥行き最終バスのチケットを購入した。
まだ少しだけ時間があったので、隣のお店を覗くと、ちょうどいいことに先ほど気になっていた米餃が売られている。
一つ、なんと1元だというので二つ買ってみた。

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ざっくりいうと、ふんわり軽くした揚げ餃子みたいな感じ。
おそらく皮に米粉を使っているんだろう。
そして、これがすごくおいしかった。いくらでも食べれそう。
出来上がっていたものを買ったが、揚げたてだったようで熱々。
二つとも中の餡は違う具材で、一つには川エビがあり香ばしく、もう一つにはやわらかな豆腐が入っていた。
この米餃、南方にはよくあるのかな、私は出合ったのは初めてだった。

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合肥行きのバスが出発してまた爆睡。
一時間ちょっとで合肥市内へ到着した。

タクシーでホテルへ向かった。
「日本人の女性は性格がいいから中国人は日本人と結婚したいと思うんだ」
運転手のおじさんは言った。
「うーん、実際はそうとも限らないよ」
色んな人がいるし。中国もそうなように。
そんな話をしていると、
「ロシア人やウクライナ人の女性はすごくきれいだ」
突然そんな話をしだした運転手さん。
「でも若いうちはいい、歳をとるとすごく太るからダメだ」
そんなことを言うので、
「日本人もそれは同じだよ」と返す。
そんな話をするからには合肥にはロシア人が多いのかなと、
「合肥には外国人は多いの?」と訊いてみると、
「うん、アメリカ人なんかがいる」
この運転手さんなかなかおもしろかった。

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ホテルで預けていたキャリーバックを受け取り、合肥站へ向かった。
列車券を受け取った後、近くの食堂で夕ご飯。

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特色小炒というのにしてみた。これで20元。
細長い豆腐のようなものと、安徽の特産であるキクラゲなどが炒めてあるが、苦手なセロリが入っておりやっつけるのに苦労した。

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食事を終えてふたたび駅へ。
駅前の大通りを眺めながら、合肥にさよならをした。

構内に入ってみると、列車は若干遅延しているようだった。
顔を洗い歯を磨き、乗車に備えた。

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K1039次、22時30発の予定が30分ほど遅れて改札となった。
次の目的地は「紹興」。
到着するのは明朝6時半すぎ。おおよそ7時間半の道行きである。
列車は蘭州始発の寧波行きで、途中駅からの乗車、途中駅への下車となる。

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せっかく手に入れた下段ベッドの切符だったが、途中駅からの乗車だったので、すでに人に荒らされていた。
明日は早朝に到着してしまうのですぐに寝なければならなかったが、真っ暗な車室、ベッドにくつろぎながらテーブルにビールを置き、ゆっくりとした振動のなか流れる暗がりの風景を眺めているのが心地よくて、なかなか横になることができなかった。

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〈記 7月2日 紹興站前にて〉

参考:
合肥 ― 盧江行き長距離バス 30元
盧州路線バス 2元
周瑜墓 無料
盧州 ―三河行きバス 3元
三河 ―合肥行き長距離バス 15元
合肥―紹興行き 列車券 241元

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三河古鎮

三河古鎮は外国人が入り口の輪タクに乗ると三河古鎮ボッタクリツアー開始。寺院へ連れていかれ、お布施を数百元要求されます。
徒歩で正解ですね(笑)

前のコメントの話になりますが、武漢は矢張り暑い!
友人一家が住んでいるのですが、暑すぎて子供は山西の実家に避難させているとか。

長沙も暑かったですが、風が強くて日が陰ると意外と過ごしやすかったです。
観光するところは岳麓山と橘子洲くらいしか無いのですが、臭豆腐を筆頭に食べ物はどれも美味しかったですよ。

Re: 三河古鎮

Kenさん、三河古鎮の入り口の輪タクはぼったくりですか!
そういえば、入り口に確かにいました。私は観光する時間がなかったので素通りでしたが…よかった、利用しなくて。

武漢は中国三大火炉ですけど、今年は日本も中国もどこも暑かったですね。私は合肥と紹興は死ぬかと思いました。
それも旅の思い出ですけどね。
長沙は食事おいしいんですね、臭豆腐はいまだ口にしたことがないんですよ。
私は基本、経験してみたい派なのですが、匂いからの食わず嫌いです。臭豆腐にいくかどうかはわかりませんが、いつか長沙に行くときには、食べ物を楽しんでみます。

時間貸し…とぼったくり…

時間貸し…
 中国の7天酒店等のチェ-ン店系のビジネスホテルは時間貸しをしてくれます。また、荷物を預けたホテルに荷物をピックアップする時にシャワ-を使わせてと事前に頼んでおけば免費で貸してくれることが多いです。列車までの1~2時間程度を借りて休むことも可能なのでお願いすると洗操もできて快適な旅になりますよ(^^) 

ぼったくり…
 中国に限らず世界を旅していると外国人価格や地元外価格があります。日本人や欧米人は定価に近い価格概念の社会で生活しているので他と異なる価格に対し不公平と捉えボッタクリと称しますが、彼らからすれば価格の確認や交渉をしなかった方が悪く、そのル-ルを知らぬ者が勝ってな事を言うなとなります。中国人はインド人やベトナム人から比べるとまだ紳士的だと思う事があります。一歩、国外に出たらすべてを確認する用心さと価格交渉に負けぬメンタルの強さが必要だと思います。ちなみに山門にいた輪タクもキチンと交渉すれば良いだけです。彼らも余り悪どい商売をすればどうなるかは知っています。

Re: 時間貸し…とぼったくり…

あ、そういう手があるんですね!荷物を預かってくれたうえについでにシャワーを頼んでみることができるのは、とてもありがたいです。荷物預かりも金額は大した金額ではないだろうから、それは使ってみる価値がありますね。
今回は、シャワーなんかもそうですけど、三日間列車だったこのとき充電が困りました。
バッテリーは大容量のを三つ持っていったんですが、日本のスマホと中国のスマホと、移動WiFiのと、あとタブレット。
充電がしきれなくて…。
コンセントあるところって探してないとあるのに、探すとなくて困りました。
寝台車も、テーブル下にコンセントがある列車に出合ったのは今回一度だけだったし、通路のコンセントもみんな使いたいから空かない。駅待合のもそう。通路のコンセントはそれすらない列車も多くて困りました。
数日ホテルに泊まれない状況下のときには、時間で部屋借りるのはそういう面でも使えるなと思いました。

ぼったくりは、難しいですね。
中国ではたしかに価格交渉や確認をしなかった方が悪いです。しかし私は未だにそこが進歩しないところです。
値切るのも苦手で、相手にすぐ足元を見られてしまうし、強気な態度も駆け引きもできないので、物を買う時はそれでも買いたければ買えばいいし嫌ならやめればいいだけなんですが、タクシーのときは困ります。
また地方によって適正な価格も違ってくるので、外国人旅行者がその価格が不当なものか妥当なものなのかを一瞬で判断するのも難しいです。
ただ中国を旅行している時は、多少余分に出費することがあるのは、もうあるものだと思っています。
余にも不当な場合は警察へ、ちょっと高く取られてしまったな~というのは文句を独り言いってそのまま旅の思い出にしてしまいます。
プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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