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2018-08-23

38日間周遊 〈5日目〉 紹興ー昆明

2018年7月4日、昨夜紹興站を出発して寝台列車での移動、目的地である昆明に到着するのは明朝4時。
今日はまる一日列車の中である。
やることもないので思う存分寝坊しようと思っていたけれど、一度6時頃目が覚めて、寝たり起きたりをしながら、結局起き上がったのは11頃だった。

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ベッド四つの部屋の中には私と女性とおじいちゃんおばあちゃんに孫二人の六人。
早い時間に女性が下車してからは一日このおじいちゃんおばあちゃん孫二人と部屋を共にすることになった。
ところがこの孫ふたりが大変なモンスターだった。
昨夜乗車した時にはせっかく手に入れた下段のベッドはこの家族の荷物で埋まり、四人部屋に六人いるものだから私の居場所はなかった。
なんとかベッドは明け渡してもらえたが私の荷物の置き場所がなく、キャリーバックはベッドの上に置いた。
ベッドの上に座っていても、モンスター二人が投げるものが飛んできて気が休まるときはなく、さらに私の荷物にも手を出すので、部屋を出る時には荷物を持って出なければならなかった。
しかし部屋を出るとふざけて鍵をかけられてしまうので、これもまた困ったものだった。
のんびり車窓風景を楽しみながらこの一日を過ごそうと思っていたが、それはとても叶いそうもない。
諦めて旅行記を書く作業をした。

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今日の食事はカップラーメンとなった。
車内販売で果物や食事も回ってくるが、無難なカップラーメンでいくことにした。
おばあちゃんも車内販売の麺を食べ始めたが、モンスターのちゃぶ台返しにより、スープも麺も一面に散らばり無残な結果に終わった。
窓もテーブルもベッドも床も、そして私の顔も、ぐちゃぐちゃだ。なんてことだ。

旅行記を書き終えて、徐々に暮れ行く外の風景を見た。
山が続き時々集落や街が通り過ぎる。
いったい今はどのへんだろう。

やがて夜になり、星が散らばりだした。
ごとりごとりと進みながら、ふと銀河鉄道の夜を思い出した。
宮沢賢治は幼いころから線路や野原で遊び、そうした記憶と感受性が結びついて数々の作品が生み出された。
銀河鉄道の夜はそうして手掛けられた未完の作品である。
またこの作品は、妹を亡くした悲しみを収めるために樺太に向かった列車旅が直接的に関係している。
いずれにしても賢治にとって列車というのは重要なファクターだった。
山の間を抜け、いくつものトンネルを通り、そのたびに眺めていた星空は途切れて、鉄道建設とトンネル建設は切り離せない関係にあるのに、銀河鉄道の夜にはトンネルは出てこないんだよな、ふとそんなことを思った。

列車は暗い山の中を走ったが、時折灯りをともした家々が通り過ぎ、一瞬だけそれぞれの家の中が見えては流れていった。
暗がりの中に浮かび上がって見えたのはそれぞれの生活で、それはまるで、私たちが列車に乗って走り過ぎていくのではなく、一人ひとりのさまざまな人生がまるで走馬灯のように流れ去っていくかのようだった。
私はいま、どこかのしらない人の人生を一瞬一瞬のぞきこんでいるみたいだ。

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楽しみにしていた車内でのお酒。
買う時には黄酒だと思っていたら、ひっくり返してラベルを見てみると原材料名に白酒とある。
これは白酒に漢方を加え着色されたお酒なのだった。
白酒と黄酒では、蒸留酒と醸造酒でまったく違う。
それなのに気づかないで飲んでいたなんて、結局私はなんにも味がわかっていないということだ。

明日は4時に到着するので朝早い。
お酒を飲み終え0時を迎え、そろそろ寝ようかと思ったが、やっぱりそうはいかない。
モンスターの片方が大声を上げて泣き出し、これが結局、昆明站到着まで続いた。
そして結局、ただの一睡もすることなく、列車は終着駅に到着してしまった。

〈記 7月5日 昆明にて〉

⇒ 昆明・河口(西南)編  38日間周遊 〈6日目〉 昆明 へ続く

◆北京ー合肥ー紹興◆(第1日目~第5日目)

【6月30日】
羽田ー北京ー     [夜行列車泊]

【7月1日】
ー合肥 ~李鴻章故居~明教寺(曹公教弩台跡)~蘆州府城隍廟~逍遥津公園(張遼墓) [合肥泊]

【7月2日】
ー盧州~周瑜墓ー三河古鎮ー合肥ー  [夜行列車泊]

【7月3日】
ー紹興~黄酒博物館~大善塔~倉橋直街~周恩来故居~魯迅故里~書聖故里ー [夜行列車泊]

【7月4日】
紹興ー昆明行き列車      [夜行列車泊]


《中国旅のあしあと》 ☆地域別の足跡はこちら☆

《旅のあしあと》 ☆時系列編の足跡はこちら☆


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小皇帝…

小皇帝…
 僕なら中国人のチビモンスタ-に襲撃されるまでは我慢しますが度を超したことをされれば車掌に苦情を申し立てます。その時は、部屋を変えてくれるか彼らを別の部屋に変えてと言います。大抵は車掌側が相手側にきつくお灸を据えてくれます。絶対にやってはならないのは直接的に文句を言ってはなりません。僕は中国語ではなく英語の出来る車掌を呼んでもらって言います。その際、謝罪は期待してはなりません。但し、『最近は中国のマナ-も改善されたと聞いていたが相変わらずですね」と付け加えると大抵は車掌が謝ってくれます(但し、中国語で言っても効果は薄です)

 夜行列車は色々と考える時間を与えてくれ、変わりゆく景色が日本と異なるだけに最上の時間となることが多くて一人旅の醍醐味です。まぁ、チビッコの襲撃もスキルアップで旅行者レベルが一つ上がりました!!(^^) タララタッタッタ-♪

Re: 小皇帝…

子供がモンスターなのはどこの国も一緒ですね。
まるでスイッチが入った甥っ子が二人いるようでした。
おじいさんとおばあさんは完全に持て余していて、日本であれば「すみません」の一言がかたちだけでもあるでしょうが、それを求めることはできません…。
直接文句を言うのはよくないんですね、確かにもめるかも。
私はやりとりするのが面倒なのでひたすら耐えました。
toripagonさんのセリフは、さすがですね。たしかにそれは効果があるかも…。
モンスターと同室は大変でしたが、このご家族にもきっとストーリーがあって、これから子供のお父さんお母さんのところへ帰るのかな、それとも預かっておじいちゃんおばあちゃんの家へ一緒に向かっているところなのかな、そんな想像をしました。
一緒の空間で時間を過ごしていると、ただそれだけで親近感や感情が湧いてくるから不思議です。
大騒ぎも今から思えばいい思い出です。
プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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