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2018-08-23

38日間周遊 〈9日目〉 昆明

2018年7月8日、本日は昆明から南東へ約100㎞のところにある、「石林カルスト風景区」へ足を運ぶ。
そして今夜は19時40分の夜行列車でまた次の目的地である成都へ出発する。
列車を逃すとすべてが狂うので、時間には注意しなければならない。
そのため8時半にはホテルをチェックアウトして荷物を預け、出発した。

ホテルのすぐそばには地下鉄2号線の三交橋站があったため、それを利用して石林行きの長距離列車がある東部バスターミナルに向かう。
一駅先の東風広場站で3号線に乗り換えていけばすぐ、乗車賃もたった3元で済む。
ところが到着してみるとそこは東部ではなく北部バスターミナル。

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九日目にしてすでに疲れがたまっていたのか、乗り換えどころかそもそも最初から反対方面行きの車両に乗り込んでしまったよう。
ダメもとでここに石林行きのバスがないかどうか訊いてみたが、ないとのことだった。
今日は時間ロスできないというのに、ここで一時間のロスをしてしまった。
急いで2号線を東風広場站まで戻り、そこから3号線に乗り換えて東部バスターミナルへ向かった。
昨日一昨日も河口へ行くのに利用したターミナルである。

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石林行きのチケットを求めると窓口の女性は、
「景区?それとも県城?」と訊いてきた。
巨大な観光地にはときどきあることだが、ひとことに「石林」と言っても、観光客が訪れる風景区の石林と、石林の市区がある。
慣れないで間違えると目的と違う場所に行ってしまうから注意が必要だ。
私はもちろん、景区の方。
時間は決まらず人数集まり次第で34元だった。

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爆睡して一時間半後、
「石林だ!」そんな車内の声で目が覚めた。
窓の外を見ると、ごつごつした奇岩がそこらに広がっている。
もう間もなく到着かなと思われた頃、バスはぼろぼろの建物の前で停車した。
下りようとする乗客に、
「まだ着いてない」と声をあげる運転手さん。
ここで一人の女性がバスに乗り込んできた。
南方を思わせる民族衣装に身を包んでいるが、タスキをかけて小型マイクを耳にかけ、どうやら石林のスタッフのよう。
「昆明に戻る最終のバスは6時です。それを逃したらあとは高鉄があります」
そんな説明をする。

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バスはやがて風景区のバス停車場に到着し、少数民族衣装の女性は、どこでチケット買うなど説明してくれた。
中国の大型観光地は広すぎて、確かにどこでチケット買うとかどこから入場するとか、まるでわからないことも少なくない。
「帰りのバスはどこから出発するの?」
そう訊いてみると、「ここから」とのこと。
どうやら同じ場所に戻ってくればいいよう。

バス停車場からチケット売り場まではまたしばらく歩くことになった。
案内標識も行き届いていないので、よくわからずチケットを買いそうな人についていった。
チケットは、175元、これに景区内を移動する電動カート代も加わるので合計200元を支払った。
高すぎる金額で、このお金が景区保護のために活用されることを信じたい。
このチケット売り場からすぐそこには電動カートの乗り場があり、ここから電動カートに乗って風景区まで向かうことになる。

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風景区入り口に到着しいよいよ、入場。

「石林カルスト風景区」は、正式には雲南石林世界地質公園という名がついている。
ここだけでなく雲南、貴州、広西チワン、重慶一帯にカルスト地形が広がっていて、まとめて世界遺産に認定されている。
この石林は雲南のカルスト地形風景区のひとつであり、もっとも有名な場所となっている。
面積にして300㎢、その中でさらに五つの風景区に分かれる。
あまりに広すぎるので、一般に観光客はそのごく一部を覗くことしかできない。

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入ってすぐに広場のように少し開けた場所に奇岩が林立していた。
はっきり言って、ここからどうすすんでいいかわからない。
自然が作り出した風景にそもそも順路などなく、気が向くままに進んでみるしかない。

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ここには石屏風と名前がついていた。
周恩来もかつてここを訪れ記念撮影をした場所なのだそう。

賑やかな音楽が聞こえてきたので、そちらに向かってみた。
そこでは民族衣装を着た年配の女性男性が数人踊っていた。

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女性が踊り、男性が弦楽器を弾いている。
みな日焼けで真っ黒な皮膚をしている。
ここは標高1500m~1900mにも上る高所で、爽やかな気候とはうらはらに紫外線は厳しいだろう。

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二つの音階を単純に行ったり来たりする単調なリズムだが、妙に記憶に残った。
周囲を取り囲む観光客も、それに合わせて体を動かしている。

ここは石林イ族自治県、イ族という少数民族が多数暮らす場所である。
旧石器時代にはここ石林には人類が生活をしていたことがわかっており、数千年前にはさまざまな大小の部族が起こっていた。
それらはみなこのイ族の祖先であると考えられている。
観光客に公開されている景区にあるのかは知らないが、イ族により残された壁画や文字がここにはあるのだという。
イ族とこの奇岩群は一心同体のように繋がりが深い。
ここで披露されている音楽は、「遠方的客人請你留下来」(遠方のお客さん、どうぞゆっくりしていってください)というイ族の中のハニ人と呼ばれる少数民族の音楽なのだそう。
1953年に作曲されたもので、このイ族ハニ人の村では客人を篤く歓迎する歌として歌われているのだということだ。
この人たちもみな、ハニ人なのだろう。

ここでイ族ハニ人の歓迎を受けて、売店が並んでいるので軽くお昼を食べることにした。

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買ってみたのは、縉雲焼餅とマンゴーと大理ビール。
縉雲焼餅は薄い生地の間にネギ味噌が挟み込まれている。
大理ビールはプルタブが壊れていて、取っ手が取れてしまった。
お店の人に手助けを頼むと、「これで飲みな」とわずかな隙間にストローを差しこんだ。
ここでわかったのは、ストローで飲むとビールがこんなにもまずくなること。
同じ飲み物とは思えず、まずくてたまらず、なんと飲み切ることができなかった。

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ここから、奇岩の迷路に入っていくことにした。
石林風景区は五つに分かれており、今私がいるのはその中の‟大石林風景区”になる。
この大石林風景区が一番のメインとなり、その周囲を囲むその他の風景区はそれぞれの好みで足を向けることになる。
今回私は時間がないので、この大石林を見るだけで終わってしまうだろう。

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通路はこのように、自然に形成された岩と岩の間や割れ目に、階段を設置することで内部を見学できるようになっている。
そのため順路などなく、まるで迷路のように不規則に、まるで気まぐれのように、複数に道が分かれまた交錯している。
一つひとつは不安定な階段で、中には少し危ない場所もある。
普通の人間でもかろうじて通り抜けられるような細い場所もある。

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石林風景区は、字のごとく奇岩が剣状、柱状、キノコ状、塔状になってまるで林のように林立する。
この林の中をさまようのが石林観光である。
奇岩の林の中を、観光客向けに整備された石階段がうねうねと登ったり下ったりしながら続いている。
階段は時に二手に分かれ、また時に驚くような方向にのびていた。
進路がこちらでいいのか疑うような形状のものもあった。

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こちらは進路のように見えないが、れっきとした下り道である。
かがみながら頭をぶつけないように慎重にくぐっていく。
足元もつるつるとした石質でさらに濡れていて非常に滑りやすい。
頭をぶつけそうな岩々も、みな鋭くとがっている。
ここはヘルメットがいるのではないか?なんて思う。

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2.7憶年前、地殻変動により隆起した石灰岩が長い年月をかけて雨水により溶解浸食され、このようなカルスト地形を生み出し奇岩を形成した。
中生代から新世代初期、つまり6600万年前くらいにはすでにカルスト地形が形成されていたのだという。
その後、現代まで絶えず変化を繰り返し続けている。
宇宙も地球もすべてあらゆるものが、自然界に存在する、人間の手出しできない法則の上に存在していることを実感する。
奇岩迷路を進んでいけば、針のように尖った形状や、不自然な位置にのっかった危ない石、不思議なところに穴が開いた岩壁に、するどい割れ目、なだらかな起伏にゆるやかな凹凸、そんなものであふれていた。
中には鍾乳石のようになったものもあった。

実を言うと入場した初め、
「なんだかディズニーランドの山みたい」なんて興ざめするようなことを思ってしまった。
まるで人が工夫を凝らしてつくったものみたいに感じたからだ。
けれどもいったん迷路の中に入り込めば、すぐにそんな考えは消えた。
これは人が作り出せるものじゃない。
人の想像力だとか意図するところからは、こんな奇妙なものたちは生み出されないだろう。
誰もこんな形にしようとしてできたわけじゃない。
結果としてこういう形になっただけ。
ここにあるのは芸術作品ではない。
結果そうなっただけのものに人間が勝手に魅力を感じ引き寄せられているだけなのだ。

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時々、ちょうどよい窪みがあり、飲み物を置くのにちょうどよさそうだった。
また排水溝のようになった水の通り道も幾筋もあった。
これらもみな、なんの意図も関与していない自然にできたものなのだった。
水による溶解浸食というのが納得できる、そんな形状も多数あった。

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こちらは千年亀と文字が書かれている。
上に乗っかった石のことだろう。
こんなあちらこちらで観光客がこぞって‟自分の”撮影に励んでいる。

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迷路は時にあまりに狭くて、太った人は困るだろうというようなところも多かった。
人がなんとか通れるような通路を団体観光客が幾組もすれ違うのは大変だった。
そんな賑わいだったものの、奥に行けば奥に行くほど人は減り、やがて一人になった。

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一人になり、やがて思考に耽る。
地球の歴史に思いを馳せ、人間の小ささに感じ入り、一方で生命の強さを知る。
そして最後、想像は宇宙に飛ぶ。

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なんでこんな形状をしているのか、まるでわからない奇石がごろごろしている。
溶解浸食といっても、どうして真ん中に穴があいているんだろう。

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形だけでなく、色彩や質感もさまざま。
ここには一つとして同じ表情のものはなく、またこの迷路の中で、一度出合ったものにもう一度出合うことは難しい。

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岩と岩の細い割れ目が、天まで続いているかのよう。

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中まで入ってみると、意外にも空間があった。
光と影の間にあって、かがやく緑がまぶしい。

時間がやや心配になってきたが、ここははっきりいって迷路。
順路なんてないし、とてもではないがルートを覚えてくるなんてできない。
来た道を戻ると時間がかかりそうだなぁと、思い切って突っ切ってしまうことにした。
すると突然あかるく開けた道路に出た。
どうやら大石林風景区を抜けた模様。

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曇り空もわずかに青空が見えている。
ここに観光案内の看板があり、ここをまっすぐ進めばそのまま出口に出ることがわかったためこれにて石林観光を終了することにした。
時間があれが周囲に広がる別の風景区にも足を延ばしてみたいが、19時40分の列車に間に合わなくなってしまう。

こうして再び電動カートに乗り込み、最初にバスを降りた停車場まで戻ってきた。
昆明行きのチケットを買うが、人が集まり次第の発車。
これがかなり待つことになり大きな誤算となった。

ようやく昆明東部バスターミナルに戻ってきたのは18時だった。
今から地下鉄でホテルに戻り荷物を受け取り、また地下鉄に乗り昆明站に行く。
まだ列車券を引き替えていなかったから窓口で発券し、駅構内に入場し、できればそこで夕ご飯を食べて洗顔歯磨きをし身体も拭きたい。
そんなことを考えると時間は少し危うかった。
なにしろ中国の駅はいろいろと面倒なことも不便なことも多いから、時間がかかることを前提にしておかなければならない。

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実際駅に到着してみると、ものすごく時間がかかった。
地下鉄で下りたA出口が駅の真裏で、正面にまわるのにかなり時間がかかってしまった。
さらに窓口はそうとうな混雑で、待てども待てども順番が回ってこない。
「中国人は自動発券機使えるのに、なんで窓口並ぶんだよ…」
中には今日だけでなく今後の旅程の列車券をまとめて十枚ほど発券しているバックパッカーさんもいて、「もう、この駅じゃなくてもいいじゃない」なんて焦る頭で考える。
発車する駅ではない駅で発券する場合、手数料が5元かかるのだ。
さらに係員に「予約番号教えてください」なんて促され、「え、なんの番号?」なんて言って後ろの人を待たせて探し始める人も。
外国人ならともかく、中国人なら予約番号と身分証の一致が必須だなんてことは常識なのに。
中には何か問題があり切符が欲しいのに発券できず、こんなに長く列に並んだのに追い返されてしまった親父さんもいた。
悲しそうな表情をしていたが、気持ちはわかる。
そんなこんなでやっとのこと発券できたとき発車まであと30分をきっていた。

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ところが切符を見てみると、19時40分発ではなく、20時03分発となっている。
どうやら時間が変更されたよう。
予想外に時間ができたので、わずかだけど急いでご飯を食べることにした。

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そして売店でお酒を買い込み、洗面所で洗顔歯磨き身体を拭いて改札に行った時には、すでに改札は開いていた。

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鉄道マニアが好きそうな車両。
乗客を乗せる一般車両ではない。
線路をゆっくり走り、駅構内を抜けていった。

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およそ17時間の夜行列車の旅。
次の行先は成都。
明日の13時頃に着く予定だ。

またまた嬉しいことに、下段ベッドを手に入れることができた。
同室は若いカップル。
目の前でいちゃいちゃし、すごく狭いのにも関わらず同じベッドで眠ろうとしている雰囲気は目が痛いが、先に眠った彼女を気遣い、彼女がわずかでも動くたびに掛布団を直してあげる様子はほほえましかった。

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一方で私はすっかり自分の世界に入っている。
まもなく本日分の旅行記を書き終え、次は明日のビザ延長手続きの準備をしなかればならない。
明日は成都站にジャオユーさんが迎えに来てくれ、その後入境管理局に行ってビザの手続きをする。
でないと今後の旅行を続けることができない。
必要書類は現地で準備することができるが、私個人の問題があり、提出する日程についてあらかじめまとめておく必要があった。
結果はどうなるかわからない。
もともと成都での予定は白紙で、中国入りしてから紹介してもらったジャオユーさんと連絡を取り合い、観光に付き合ってもらうことになったが、いまだにいつどこに行きどういう行動をするのかはわからない。
ビザ失効の問題もあり、実際いつまで成都にいるのかもわからない。
明日からは未定なことだらけだ。

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街明かりから離れ、やがて周囲は真っ暗になった。

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列車は時折しずかに停車した。
すでに深夜。
草木も眠る、という時刻である。
静まり返った駅に人の気配を感じない。

窓の外は相変わらず真っ暗で、すでに人工的な明かりを見つけることはなかった。
民家の灯りもなく、どうやら山の中を走っているようだ。
時々音もなく光る空に、浮かび上がった山の輪郭が見えた。
ビールをすでに空け、手元には白酒の小瓶が残っている。
夜はまだまだ、長い。

〈記 7月8日 成都行き列車にて〉

参考:
地下鉄2号線、3号線 3元
昆明ー石林風景区行き長距離バス 34元
石林風景区ー昆明行き長距離バス 34元
石林風景区(電動車込み) 200元
昆明ー成都行き列車券 431元

’18・38日周遊③成都・漢中・西安(西南・西北)編へ続く⇒

◆昆明ー河口ー昆明◆(第6日目~第9日目)

【7月5日】
ー昆明~雲南鉄道博物館~西寺塔・東寺塔~昆明老街  [昆明泊]

【7月6日】
昆明ー河口~ベトナム国境~ベトナム・ラオカイ入国  [河口泊]

【7月7日】
ベトナム国境~河口ー昆明  [昆明泊]

【7月8日】
昆明ー石林~石林カルスト風景区ー昆明ー  [夜行列車泊]


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旅程は決まってるんですね。
私はチキンだから何時間も前から駅で
待ったりして思うように動けないっす。

Re:

時間を無駄にしたくないので旅程は基本だいたい決めてから出発しますが、不測の事態が起こってまったく白紙の状態で動くこともあります。
でも今回は中国の夏休みと重なって、列車のチケットが発売と同時に完売完売で、少しでも予定が狂うとあとの予定がみんな影響をうけてしまうような状態だったので、焦りました。
プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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