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2018-08-23

38日間周遊 〈19日目〉 成都

2018年7月18日、今日はいよいよビザを受け取りに行く日。
結局二人で話し合って、明日になったらジャオユーさんが車で私を西安まで送ってくれることになった。
明日出発して二人で旅行がてら回り、西安まで行き、21日西安から私は一人夜行列車に乗って嘉峪関まで向かう。
ジャオユーさんは私を送ったあと車で成都に戻り23日から出勤する。
そういう話にまとまった。

私は急いで21日西安発、22日嘉峪関着の列車を調べ、切符を買った。
便数は多数あったが、あいにくすべて寝台車両の座席は売り切れ、しかたなく21日20時半発、22日14時半着の硬座、つまりもっとも安い座席を購入した。
17時間の硬座はそうとうきつい。
座席なし券も売れていることから、そうとうぎゅうぎゅうの車両が予想できた。
ジャオユーさんは心配し、硬座はたいへんだから乗車したら寝台車両の空きがないか確認するように勧めた。
私は、「大丈夫、大丈夫、12時間の座席なしっていうのも経験しことあるから」そう言ったが、
「ずっと成都に残ってもいいんだぞ」
そんな話をしながらも、結局このまま切符を予約した。

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朝ご飯はマンション近くの蘭州拉麺のお店。
私が蘭州拉麺が好きなのを知って連れてきてくれるのがうれしい。
「麺の太さがこれとこれ違うのわかるか?」
麺はそうめんのような細麺から太麺まで選ぶことができる。
麺の太さが違うだけで風味も変わるよう。

ビザ延長1

そして私たちはとうとう、入境管理局でビザを受け取った。
事前に申請して取得したビザと、現地発行のビザは少し違った。
発行地には四川成都とある。
私にとって大事な思い出となった、このビザだった。

「これで四回目、四回分の駐車場代請求しないとね」
ビザの発行には手数料がおそらく160元ほどかかったはずで、しかも現金不可、事前に振込、とのことだった。
しかしジャオユーさんは「マーヨーズは気にしないでいいから」といい結局ビザを受け取ってしまったから、彼が代わりに支払ってくれたんだと思う。
河口でドジを踏んだあの時、あれほど願ったビザだったが、まさかこの期間でこれほど状況が変わろうとは思ってもいなかったし、現在の心境もまったく想像もしていなかった。

その後連れてきてくれたのは、成都の市区ど真ん中にある古いお店が並ぶエリア。
そういえば、9日に私が成都入りしたあの日ここを通って、「自分が好きなところ」と紹介してくれたところだった。
ここには古い昔ながらの茶館があった。
古くて小さい、それでいて現地の人に愛されている場所だと思った。

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竹でできた椅子に座り、お茶をいただく。
大きめの茶碗に花と茶葉が浮かんだお茶。
蓋をずらしながら飲む仕草は優雅だ。
けれども私はどうしてもこういうのが得意ではなくて、不格好になってしまう。

左右を見れば、みな見事におじいちゃんたち。
よく見るとお茶ではなくて真昼間から白酒をがんがん飲んで、タコのように顔を真っ赤にしている。
楽しそうで、幸せそうで、豊かな生活だと思った。
「若い人いないね」
そういう私にジャオユーさんもうなずいた。
お店の主は白髪のおばあちゃん。
お客さんもみんな親父さんからおじいさん。

世の中は需要と供給により変化していく。
あと十年二十年もしたら、こうした場所がどんどん失われていくのは明らかだった。
これは日本も同様である。
私たちのように、古いものが好き、という感覚は、実に時代の流れと相反した感覚なのだ。
この世の中に、永遠はないと思う。
すべての物は生まれ、花が咲き、やがて朽ちていく。
だからこその生命のかがやきなのだ。

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お茶を飲みながらゆっくりして、
「このあとは文殊院に行こう」ジャオユーさんが提案した。
文殊院もまた、9日の夜にジャオユーさんがバイクのドライブで通過してくれた場所だった。
成都市区で有名な学問の神様を祀る寺院で、大学試験前にはたくさんの学生がお参りにくるのだとか。
私の中国語レベル向上にもいいかもね、そんな話をしていたから連れて行ってくれることになった。

成都入りしてから天候が悪く、しかしその分涼しい毎日で過ごしやすかった。
それが今日は天気が回復し、汗ばむ陽気。
「日本もこんな感じ?」そう訊くジャオユーさんに、
「うーん、日本はもっと暑いよ」
聞くところによると、ここ数日日本は猛暑で記録的な暑さなのだとか。
今まで日本でも中国でも嫌になるくらいの暑さを経験してきたから、今日の成都は暑いといっても、そこまではない感じ。
それでも暑いのが苦手な私たちはぐったりした。

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文殊院に着いて中に入ってみると、入場無料のよう。
中国で入場無料はめずらしい。
横にはサービスでお茶を配る女性たち。
「中国では‟無料”って言葉はすごく怪しいんだけど」
私がそういうと、ジャオユーさんは笑った。

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中にはいくつものお堂が縦一列に並ぶ。
内部は仏さまがいるので撮影できないけれど、外の建物は立派で何枚か写真を撮った。

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とりわけ屋根が精緻でまた特色があると感じた。
瓦屋根は勢いよく軒を反らしており、装飾も細やか。

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お線香をたいてお供えした。
また「この方面には詳しくないけど」と言いながらも、対聯などの言葉の意味を解説してくれた。

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こちらの塔はこのように時計回りすることで功徳が得られるそう。
とりあえず回ってみる。

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丁寧に矢印も。けれども私たち以外にまわっている人はいない。

「新疆のロプ人の村でもこういう風に回る風習があった」
私は4年前にコルラを訪れたときのことを思い出した。
コルラ郊外のロプ人村で牛の骨かなにかの厄除けを三周まわったのだった。
ジャオユーさんは以前コルラで生活していたことがある。
「あぁロプ人村寨だね」
成都で知り合った人は成都人でありながら新疆人でもあり、ともに新疆の話ができるのは嬉しいことでありなんだか不思議なことだった。

文殊院をあとにしてすぐそばにある一軒の小さな食堂に入った。
凉粉のお店だった。
凉粉は以前はあまり口に合わず好きではなかったけれど、成都入りして以降頻繁に口にしてすっかり好きになってしまった。

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頼んだのは辛いもの(左)と甘いもの(右)。
私は辛いのも大好きで、ただ早く食べれないというだけなんだけれど、ジャオユーさんはここでもまた、私に先に辛い物を食べさせてくれて、途中で「交換」と言って甘い方のをこちらにくれた。
甘い凉粉は砂糖の甘さで、こんな味もあるのかと驚いた。
日本でいうとところてんみたいな感覚なのだけれど、日本のようにさっぱりした味はなく、中国のはどれもすごく辛いか甘いか、めりはりのある味覚だ。

「マーヨーズ、化粧品買いたいんじゃなかったか?」
実は数日前に話していたのは、マスカラがなくなりそうなので買いに行きたいという話だった。
今回は一カ月超の旅行になるので、荷物は最小限に、でも足りなくならないように、と念入りに準備してきていたが、予想外にマスカラが足りなくなった。
マスカラなんでなんでもいいのでどこでも、と思ったが、ジャオユーさんは成都のイトーヨーカドーに連れてきてくれた。
伊勢丹、イトーヨーカドー、日本のお店ということでしばしば話題にあがっていたこともあり、じゃあ行ってみよう、ということになったのだ。

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イトーヨーカドー、中国では伊藤洋華堂。発音が全然違う。
「日本語でなんていうの?」
「イトーヨーカドー」
「イト、ヨ、カ、…何?」
中国語へたくその私が何をいう資格もないけれど、へたくそな日本語がかわいくておもしろくて、ついついジャオユーさんを使って遊んでしまう。
彼はこれから日本語を勉強するんだと言って、何度も何度もイトーヨーカドーを練習した。
「これは勉強しなくていいよ、他にもっと先に勉強する言葉あるでしょ?」
そう言っては笑った。

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中国のイトーヨーカドーはどんな感じかなと思うと、いきなりダイソーがあった。
それに化粧品売り場が並び、高級な化粧品は必要ないからと素通りすると、そこにはDHCがあった。
DHCなら安心と、ここでマスカラを購入することにした。
見学ついでに二階の洋服売り場も見に行ったが、やっぱり中国の洋服はあまり好みじゃない。
「イトーヨーカドーはね、安いイメージだから、ここで服買ってもイトーヨーカドーとはあえて言わないの」
そういうと、「中国でも高くないイメージだよ」とのこと。
けれど、日本というだけで信頼度が高いから、そういう付加価値がここにはあるのだそう。
スターバックスがあったので、しばらくお茶をし休憩したのち、夕食に向かった。

今夜もまた、ジャオユーさんの友達と食事することになった。
旅行仲間のワンさんというそう。
三人でテーブルを囲み、今夜は白酒ではなくビールで乾杯した。

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料理の目玉はザリガニで、重慶ですでに食べたことがあったのでおいしいことはわかっていて嬉しかった。
二人は少数民族の話題で夢中になって話しているので、私には聞き取れない部分が多かった。
少数民族という理由で職につけない、そういう共通の友達の女の子の話をしていた。
ジャオユーさんには友達が多く、それらは単に遊ぶ友達だとか楽しい友達なのではなくて、考えを共有しまた討論することができる信頼関係の構築された友達が多いな、と思った。
私にジャオユーさんを紹介してくれたロンさんもその一人だ。
どういう友達がいるのか、友達をどう大切にしているのか、そういうことから彼の人柄が伝わってくるようだった。

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結局私たちはたくさんのビールを飲んだ。
こうして場はお開きとなり、ジャオユーさんは私を新疆の串焼きのお店に連れて行ってくれた。

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「現地の味覚とまではいかないけれど」
彼は肉を食べないのに烤羊肉串を頼み、新疆のビールである烏蘇ビールを飲んだ。
私の目下ののぞみは、ジャオユーさんと新疆ぐるり旅に出かけることだ。
新疆に特別な思いを寄せる私が成都で出会った人は、新疆と深いつながりを持つ人だった。
私が感じる不思議な縁は、ジャオユーさんも同じみたいだった。

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〈記 7月25日 酒泉にて〉

⇒ 38日間周遊 〈20日目〉 成都ー漢中 へ続く

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まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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