FC2ブログ
--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2018-08-22

38日間周遊 〈28日目〉 中衛

2018年7月27日、今日は中衛観光メインの日。
朝起きて出かける支度をしていると、ドアがノックされた。
覗いてみると、フロントの女性。
「実は外国人宿泊の手続きができません、昨日はよかったけど、今夜はここに宿泊することができません」
なんてことだ。

中国では外国人が宿泊する際、現地公安への登記が必要になる。
その業務ができる宿泊施設とできないところがあり、これが厄介なのだった。
大都市の大きなホテルならたいがい問題ないが、中小都市やまたは中小級のホテルは外国人不可のところが多く、泊るところをさがすのが大変なことがある。
けれども大手サイト上での予約ならば、それらが明記されている。
日本語なら不渉外、中国語なら内賓という文字があれば、不可だ。
私はもちろんそれを確認して予約しているが、こんなことになってしまった。
これが不渉外ホテルだったのか、あるいは何かの問題だったのかは、わからない。

ホテルの女性は自分のスマホを使って、代わりに外国人が宿泊できるホテルを探し予約してくれるといった。
「どんなホテルがいい?」
「料金は300以下で、ここから極力近いところがいい」
「ここなんてどう?うちのホテルより大きいし部屋もここよりいい」
たしかにこの黄河大酒店の部屋は小さくて設備も質素だったけれど、そんなふうに言うのがどこかおかしかった。

女性は一緒にホテルまで案内してくれると言った。
フロントで今夜分の宿泊代を返金してもらって、一緒に行くことにした。
新たに予約をしたのは鼓楼正面の中華式建築の大きなホテル、逸興大酒店だった。
そこで女性が「今日はどこへ行くの?」と訊いてきたので、
「今日は沙坡頭へ行く」と答えた。

「沙坡頭」は、今回の旅行で中衛へ立ち寄ることにした一番の理由だった。
二年前の銀川旅行の際、現地で知り合った友人が、この沙坡頭を勧めてくれた。
見せてくれた写真は、砂漠と黄河と緑が同居した、まるで物語の中の一場面のようなうつくしさを持っていた。
「行きたい!」そう言ってみたけれど、銀川からこの沙坡頭がある中衛までは車で片道三時間かかるそうで、諦めた。
それでもいつか行ってみたくてずっと気になっていたのが、とうとうこのタイミングで叶うことになった。

「沙坡頭まで遠い?」
そう訊いてみると、車ですぐとのこと。
「遠くないよ、タクシー呼ぼうか?」
これはありがたかった。
実をいうと流しのタクシーを拾おうと思っていた。
けれどもタクシーにも運不運があって、ホテルから車を呼んでもらえればそのリスクはずっと少なくなる。
ぼったくりも可能性が低くなるし、いい加減なことも起こりにくくなる。
そういうわけでホテルの女性に呼んでもらうことにした。

新しいホテルにチェックインして部屋で待っていると、タクシーが来たと電話が入った。
タクシーのおじさんが話す中国語はなまりがあって、簡単な言葉でも聞き取るのが難しく、それでもかろうじてコミュニケーションがとれそうだった。
「沙坡頭に行きたい、砂漠があることろ」
そう言うと、それですぐに通じるかと思いきや、おじさんは「なんだなんだ、どこに行きたいんだ?」といった様子。
一言に沙坡頭といっても広いのかな。
「あぁ駱駝に乘ったりして遊べるところでいいんだな」
おじさんは納得して発車した。

1807271.jpg

中衛は小さな街。車はすぐに街の風景を抜けて開けた場所を走った。
やがて正面に沙坡頭観光センターなる巨大な建物があらわれ、そこにはチケット窓口の文字も見えた。
「着いたかな?」と思いきや車は見向きもせずにここを右折し、またまた広い道路を進む。

路線バスも通っていないみたいだし、こんなに広いと思っていなかったので、やっぱりタクシーを呼んで正解だった。

1807272.jpg

やがて「沙坡頭黄河区」「沙坡頭砂漠区」の標識があらわれ、それぞれは反対の方向を指していた。
私はどちらへ行くんだろう。

1807273.jpg

やがて入場門へ到着し、チケットを買うことになった。
ところがチケット代が高い。
沙坡頭観光区内には様々な乗り物や観光ポイントがあり、それぞれに料金がかかるようだった。それらがセットになったチケットが数種あったが、460元に695元。
「高すぎる、これはダメだ」
タクシーのおじさんは言った。
確かに高い。高すぎる。こんなの支払う人いるのか?まるでぼったくりではないか。
「これはダメだ。よし、入場券だけ買おう、それであとは自由に都度支払えばいい」
おじさんは提案し、私は入場券のみを購入した。
入場券だけでも100元。高い。
「なんでこんなに高いの?」
うんざりしたように私が言うと、
「ここは観光客がたくさん来るからこうなってしまったんだ」
おじさんもうんざりしたように頷いた。

入場口の手前には博物館の名前がついた小さな展示室があり、そこは入場券なしで観覧できるみたいだった。
観光し終わったら電話をし、ここで待ち合わせることをおじさんと約束し、携帯番号を交換し別れた。

1807274.jpg

入場してすぐ横にはとうとうと黄河が流れていた。
まず最初にあった‟乗り物“は、豚皮のいかだ。
排子、また革船とも呼ばれる。
この豚皮のいかだは黄河上流に見られる特色のひとつだ。
豚の皮を風船みたいに膨らませた、いかだ。
日本人からすると少し気色悪くも見えるけれども、長い間、黄河とともに生きる人々の生活を支えてきたものだ。
実に2000年以上もの歴史を持っているのだそう。

1807275.jpg

1807276.jpg

黄河は中国を代表する大河。
全長5464m、中国で長江に次ぐ長さだ。
まるで絵の具をたっぷり溶かしたような、まっ茶色。
見事なまでの透明感のなさ。

向こうに見えてきた橋は、ガラスの橋だった。
中国人が大好きなあれだ。
床面がすべてガラスでつくられており、スリリングに渡ることができる。
せっかくなので私も渡ってみることにした。
渡るだけで30元はやっぱり高い。

1807277.jpg

私は高所恐怖症なので十分に怖いが、中国人にとっては取るに足りない高さ。
みな思い思いに写真を撮っている。
下を流れるのはまっ茶色の黄河。

1807279.jpg

「最佳拍撮点」つまり、一番の撮影ポイント。
そう指示された場所には、ガラス面に滝の絵が描かれている。
ここで撮影すればあたかも滝の上にいるかのような写真が撮れるというわけだ。
けれども、これって本当にここに必要なものか?

1807278.jpg

ガラスの橋は行き止まりで、一番奥でUターンすることになる。
橋を下りて、また黄河を左手に見ながらひたすら歩く。
観光を放り投げてしまいたくなる暑さ。

18072710.jpg

18072711.jpg

観光区の最奥にあったのは、砂漠の丘。
そこには簡易に木の棒が並ぶ階段やロープウェイがあり、上部からは砂そりで滑り落ちてくる人、身体にワイヤーを固定して空を飛ぶように降りてきてそのまま黄河を向こうまで飛んでいく人。
ここが中国人に人気の観光地だというのがよくわかる。

18072712.jpg

18072713.jpg

階段で登ることも考えたが、私は高所恐怖症。
以前に敦煌で怖い思いをしたのを思い出し諦め、ゴンドラで登ることに。
往復で50元、これも高いが仕方ない。

18072714.jpg

けれども、最上部からの景色は入場料も何も金額を忘れるものだった。
これが、二年前に銀川で夢見た風景だ。
砂丘から見下ろす、黄河。
黄河を取り囲む濃厚とした緑。
遠く向こうにそびえる山々。
吹きすさぶ風は砂をまき散らし、私はカメラをハンカチでくるんだ。

私は銀川で友達になったリさんとシャンさんにこの写真を送った。
沙坡頭を紹介してくれたのは彼らだったからだ。
「私いま、中衛に来ているよ」
するとリさんは、「砂漠区には行ったか?」
「え、ここが砂漠区じゃないの?」
そう返しながらも、ここに来るときに「黄河区」「砂漠区」の道路標識があったのを思い出した。
「そこから門をくぐると砂漠区へ向かう車があって、入場券があれば無料で乗れるから行くといい」
リさんはそう教えてくれた。

18072715.jpg

あなたが今いるのは黄河区です、の看板。
こうして砂漠区へ行ってみることにしたが、ここに食堂があったので先に食事をすることにした。

18072716.jpg

頼んだのは中衛烩小吃。
ここの特色料理が食べたいというと、これがそうだということで頼んでみた。
いろいろな具材が雑多に煮込まれている。
存在感があったのは、硬め揚げ豆腐のようなもの。
スープを吸い込ませて食べる。
味は可もなく不可もなく主張の少ない味で、脂っこい中国の食事の中ではさっぱりとした味が嬉しい。

こうしてリさんの教えてくれたようにバスに乗り、砂漠区へ向かった。
バスはすぐに砂漠の風景に変わり、わくわくする。

18072717.jpg

バスはやがて砂漠の中につくられた停車場に停まった。
観光地化が残念な人にとっては少し面白みの欠ける場所かもしれない。
というのは、ここは砂漠で思いにふける、というよりも砂漠で遊ぶ場所だったからだ。

18072718.jpg

駱駝が数え切れないほど待機している。
向こうには駆動車乗り場があり、またあろうことかサーカスまであった。
ここに来てサーカスを見る意味がわからない。
私はここで足を砂から保護する袋を借りた。10元でデポジット含め30元を支払う。
そうしてこうした遊びから離れて、行けるところまで砂漠を歩いてみることにした。

18072719.jpg

砂漠を歩くのはひと苦労。
小さな山を越え、また越え、汗が吹き出す。
べとべとした顔に舞う砂がからみつき、身体は気持ちが悪いが一方でこころはどんどん洗われていく。
観光区域から一人離れていき、やがて誰のすがたも見えなくなった。
といってもどこまでも歩いて行けるわけではない。
間もなくしてこのような柵に出合い、勝手にそれ以上行けないようになっている。

18072721.jpg

18072722.jpg

18072723.jpg

18072724.jpg

18072725.jpg

18072726.jpg

砂漠の砂は太陽の熱をたっぷりと含んで火傷しそうな熱さだった。
上からも下からも熱が身体を照り付ける。
見上げれば青い空に散らばる白い雲。
白い雲一つひとつは、見る間に位置を変えそして形を変えていく。
砂漠の褐色は、それら空の色、雲の動きに合わせて見る間に色彩を変えていき、それはまるで、一瞬一瞬違う場所にいるかのような錯覚を私に与えた。

18072720.jpg

この枯れたような灼熱の場所にも、命は生まれる。
さらさらと風に流れていく砂の中で、どのように根を張っているのだろうか。

18072727.jpg

砂漠区をふたたびバスに乗り黄河区へ。
雲が黄河に影を落とし、また先ほどとは違った表情を見せてくれる。

ゴンドラに乗り地上へ。
けっこうな高度感があり、けれども高所恐怖症の私でも、黄河を見下ろしながら下りていくのは楽しかった。

タクシーの運転手さんと約束した展示館に行き落ちあったが、「ちょっと人を迎えに行かなければならなくなった」というので、「いいよ、行ってきて。ここで待ってる」といいしばらくここで休憩することにした。
けれどもこの展示館、空調がかかっていなく暑い。
結局ほとんど見ることなく、入り口だけ。

18072728.jpg

入り口には砂漠についての展示、説明があった。
中国を代表する砂漠の砂がサンプルとして並べられ、見比べることができる。
一言に砂漠といっても砂質、成分がまったく違うことが見てとれる。

18072729.jpg

こちらは有名な敦煌の鳴砂山の砂。少し黒みがかった色合い。

18072730.jpg

こちらは立ち入れば生還することができないことから「死の砂漠」と名付けられた、新疆南部に広がるタクラマカン砂漠の砂。
現代にあってはこの死の砂漠にもなんと一本の道路が通った。
果てしない、まっすぐにのびる一本の道路。
この公路をドライブするのが私の夢だ。
そう言うとジャオユーさんは、「夢じゃない、来年行くんだから」と返した。
「月に行きたいって言っても叶えることはできないけど、それ以外はどんな場所でも叶えてあげることができる」
冗談交じりに言うけれど、なんだか本当にどんな場所にでも行けるような気がした。

18072731.jpg

そしてこちらはテンゲル砂漠の砂。オレンジ味の強い色合い。
ここ中衛の北部に広がる砂漠だ。
中衛に点在する砂漠観光地はみなこのテンゲル砂漠の一部といえる。

かなり待ったが、タクシーのおじさんが戻ってきた。
おじさんと話をしながら、ここ周辺には他にも見どころがあるということで、明日もまた一緒に回ってもらうことにした。
今日は沙坡頭の往復で60元。最後に料金が変わることもなかったし、悪くないと思った。
「じゃあ明日は11時に出発でいい?」
時間を決めたのは私だ。
「じゃあホテルに着いたら電話するよ」
おじさんはそう言って帰っていった。

暮れていく、中衛の鼓楼があった。
その近くに賑やかなエリアがあり、たくさんの人が集まるのを昨日の散策で知った。
そちら方面へ向かい、さらに奥へ。
向こうに寺院の屋根が見えたからだ。

18072732.jpg

そこにあったのはたいそう立派なお寺。
「高廟保安寺」、実は行きたかった場所のひとつだった。
多くの人が集まりダンスしているけれども、すでに21時を迎えようとし、門はかたく閉ざされている。
写真に残すことはできなかったけれど、このお寺なかなかの規模で、内部の建物は屋根だけでも壮麗さが伝わってきた。
明永楽帝の時代に創建され、清代まで重建を繰り返し現代の形になった。仏教、道教、儒教にまつわる三教合一の寺院なのだという。

18072733.jpg

ふたたび広場へ。
毛沢東の像の向こうには数え切れない人たちが集まりダンスしている。
まるで、夜になったらみんなで集まってダンスするように、DNAに組み込まれているみたい。

18072734.jpg

こうして気が向くままに歩き、右に曲がり左に曲がり。
そうしてカラオケ屋さんが建ち並ぶ賑やかな場所に出て、そこを抜けると開けた歩行街、向陽歩行街に出た。

18072735.jpg

両脇には屋外にテーブルを並べた飲食店がずらり。
そのほとんどが烤肉のお店。
みなテーブルにたくさんのビール瓶、串焼きを並べて賑やかに食事している。
「少しの注文でも大丈夫だから」
たくさんの客引きがいる中で、10代くらいの若い女の子がそう声をかけてきた。
私の問題は一人であること。
たくさん注文することができない。
「本当に少しでも大丈夫?一人だけど」
「大丈夫」

18072736.jpg

けれども結局、少しでは悪いかなと食べきれない数を注文してしまう。
最初に出てきたのは、ここ特色料理の蒿子麺。
真っ赤なスープが特徴で、どうやらこれはトマトの色のよう。
トマト、菜っ葉とともに小さな豆腐。
美味しかったけれど食べきれず。

18072739.jpg

それから西夏ビールに串焼き。
それからホタテ。
ホタテは中国の特徴で、ニンニクや春雨と一緒に濃く味付けされている。
日本みたいなシンプルなホタテやカキは、中国で出合うことはない。

18072738.jpg

お店の人がサービスしてくれた西瓜はとても甘くておいしかった。
ここではそこら中に西瓜を売るトラックを見る。
中衛の砂西瓜は甘くて有名なのだそう。

18072740.jpg

鼓楼の向こうには月が昇っていた。

〈記 8月7日 自宅にて〉

参考:
宿泊費 288元
沙坡頭入場料 100元
ガラスの橋 30元
ゴンドラ往復 50元


クリックしていただけると励みになります☆
↓↓↓
にほんブログ村 旅行ブログ 中国旅行(チャイナ)へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
クリックしていただけると励みになります↲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。