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2018-08-22

38日間周遊 〈30日目〉 呼和浩特

2018年7月29日、定刻10時45分に列車は呼和浩特東站へ到着した。

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硬臥の中段での長距離移動は少しきつい。
硬臥の寝台車は三段ベッドがふたつ、ドアはない。
部屋は狭く、荷物を抱えながら真ん中のベッドに上るのも楽じゃない。
軽食をとったりトイレに行ったり一服しに行くことすらしんどく思える時もある。
猛暑の中、全身汗だらけでお風呂に入れない不快な感覚。
車両には空調があったが、効きがいい時と悪い時があった。
長期旅行ともなると疲れが蓄積されて、楽しみよりもやけっぱちな気分の方が勝っていることに気づく。

それなのに、なんでだろう。
次回もこんな旅をしたい。
次回はもっと挑戦してみたい。
不快な感覚のさなかにもうそんなことを考えている。
私は自虐人間か?

飛行機、高鉄を使わず、長距離列車、長距離バスのみを使って中国をぐるり一周する。
そんなテーマでスタートした今回の旅行も、終盤に差し掛かってきた。
長距離列車は今回の旅の重要な要素だったが、呼和浩特に到着した今、それももう、明日呼和浩特から二連浩特へ向かう残り一回のみとなった。
本来であれば東北地方へ向かい、最終日は24時間以上をかけて夜行列車で北京に戻る予定でいた。
しかし予定を変え、ルールを破り飛行機で成都に舞い戻ることにした。
そういう意味で、私の一人旅はもう間もなく終わろうとしている。
明日向かう二連浩特は呼和浩特の‟ついで”のため、この呼和浩特はいわば最後の通過都市。
真新しいホームに降りて、感慨深く思った。

呼和浩特(フフホト)は、内蒙古自治区の省都である。
内蒙古自治区は大雑把にいえば、万里の長城あたりを境にして、中国北部に東西にわたって横たわる巨大な省。モンゴル国の真下に位置する。
フフホトはこの内蒙古自治区のちょうど真ん中あたる。
中華圏とモンゴル民族の境界にあり、その中継点として重要な位置にある大都市である。

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大都市であることはわかっていたが、駅からホテルに向かうべくタクシーに乗り、こんなにも近代的都市であることに驚いた。
私が宿泊予約をしたホテルはこの近代的ビルが立ち並ぶど真ん中にあり、目の前には巨大な道路が通り、ひっきりなしに車が行き交っていた。
「大きなビルと大きな道路しかないよ、つまんない」
フフホトに着いてジャオユーさんに報告するとともに、私はそう言った。
「フフホトには行ったことがないけど想像できる、新しい建物だけのつまらない都市だ」
古きよき時代を愛するジャオユーさんだ。

宿泊するホテルは巴彦塔拉酒店。
フロントの対応は悪く、中国であれこれ望む方が間違っているとわかっていても、疲れもあってか少しいらいらとがっかり。
景観もつまらないし、人の印象も悪い。
なまりも強くコミュニケーションも取りにくい。
旅行最後の通過都市。
それなのに私の旅気分に高揚感はすでになかった。

無機質な風景に周囲を散策する気も起きず、夜まで部屋で休むことにした。
服を洗い、部屋に干し。
シャワーを浴び、とりあえず化粧をし。
溜め込んだ旅行記を書いた。
つまらないなんて思ってしまったけれど、おなかは空くものだ。
ホテルにはレストランがあったけれど入る気はなく、かといって周囲に散策するような食堂もなかった。
「夜ご飯はしっかり食べないとダメだぞ」
ジャオユーさんがそう言って勧めてくれたのは、蒙古の特色料理だった。

「冰煮羊」
なんだそれは?
送ってくれたあるお店の情報を見ると、それはある種の羊肉の火鍋のようだった。
ジャオユーさんは動物の苦痛を思い肉が食べれなくなった人。
それなのに私と一緒にいる時には肉料理を頼んでくれたし、こんなふうに肉好きな私を否定しないことは嬉しかった。
勧めてくれたお店はここから数㎞離れたところにあるみたいだったけど、これも一つの出合いだし、どのみちホテル周辺に魅力を感じなかったので、タクシーに乗って出かけてみることにした。

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氷煮羊はさまざまなお店があり、また勧めてくれたこの澤成氷煮羊も支店がいろいろあるみたいだったが、私が行ってみたのは大学東路の大通り沿いの一店舗だった。
店内は多くのお客さんで賑わっており、人気店だということが見てわかった。
席ないかな、と思ったけれどちょうど一席が空いたところだった。
一人であることを伝えると、「羊肉は1斤から。小さいのはないから」
不愛想に言い放つ店員さん。
1斤、500g。
多いけど私なら食べれるよね。
そういうわけで、羊肉500g、レタスと椎茸を頼んだ。

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こちらがお鍋。
店員さんがどんどん準備してくれるので、運ばれてきた立派な羊肉を撮り逃してしまった。
鍋の調味料、配合された薬味、それから500gの肉を銅製の鍋に放り込む。
ここで特徴的なのは、最初に氷を放り込むこと。
これが氷煮羊の由来だ。
これに火をかけると、氷が解けて調味料や肉を煮込む。

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蓋をしてしばらく。
店員さんのOKが出て食べ始める。

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こんなふうに鍋の中で踊る羊肉を捉まえ、タレにつけていただく。
ネギやニンニクを加えるところは同じだけれど、タレの風味は中華式と違う。
しょっぱくて味噌のような感触があるタレ。
フルンボイル草原で食べた羊肉につけたタレも、満洲里で食べた火鍋のタレも、こんなふうだったなぁ、と思い出した。
もしかしたらモンゴル独特のタレなのかもしれない。

羊肉はたいそうおいしくて、500gはぺろりだった。
私はほんらい、薄切り肉のしゃぶしゃぶ火鍋が好きで、厚切り肉はあまり好きじゃない。
でもさすが内蒙古は羊の王国。
おいしくてあっという間になくなった。

お店を出てタクシーに乗り、ホテルではなくて青城公園を指定した。
このままホテルに戻るのはつまらなくて、やっぱりフフホトの街を散策してみたかった。
どこを散策するべきかわからず、適当に繁華街とみてこの公園に向かってみただけだ。
運転手のおじさんにもそう伝えた。
「青城」とはフフホトの別名である。
フフホトは蒙古語で「青い城」という意味を持つ。
けれども現代のフフホトに、この美しい語感のかけらも感じることができなかった。
それでも来たからにはこの街のどこかを覗いてみたい。

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公園には用はなく、公園から思うままに大通りを歩いてみた。
するとやがてイスラム風現代建築が建ち並ぶエリアにでた。
モスクではなく、現代の建物がイスラム風に設計されたもの。

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と思ったら、古い清真寺(モスク)を見つけた。
このエリアの中心はここだったよう。
ど派手な現代建築に紛れるようにひっそりと佇んでいる清真寺。
その周辺にはムスリムがいて、清真のお店が並ぶ。
私はイスラム教徒ではないし、正しい理解にも及んでいないが、どうしてかこの方面に縁があるよう。

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夜の清真寺はたいそう煌びやかできれいだった。
こうしてこのまま歩いてホテルまで戻っていくことにした。
ホテル方面にのびる大通りには、ずっとイスラム建築が続いていた。

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全然関係ないけれど、今はやりの‟月子”施設にも出合った。
月子は、女性が出産したあとに何もすることなく養生する中国の風習のひとつ。
こうした施設はお金がかかるが、すべて面倒みてくれ赤ちゃんの世話までしてくれる。
たまたまだけれど、ジャオユーさんと旅行中、この月子の話題になったことがあった。
彼はこの風習に批判的で、私もまたそうだったのでそれについて話した。
私は以前に、テレビ番組で月子施設の様子を見たことがあった。

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やがてホテルに辿り着き、近くの商店で馬奶酒を購入。
部屋で飲んでみると、これが飲みやすい。
度数は5%だったがほとんどアルコールを感じず、まるで乳酸菌飲料を飲んでいる感じで、美味しいけれど酒欲を満たすには及ばなかった。

〈記 8月8日 自宅にて〉

参考:
宿泊費:168元

18年38天旅行◇中衛ー呼和浩特
北京ー合肥ー紹興ー昆明ー河口ー昆明ー成都ー漢中ー西安ー嘉峪関ー酒泉ー中衛ー呼和浩特


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まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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