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2018-08-22

38日間周遊 〈34日目〉 成都

2018年8月2日、起きたのはお昼近く。
昨日は家に着いたのが深夜2時を過ぎていて、眠ったのは朝の4時ころだった。
ジャオユーさんはしきりに「生物時間」と繰り返し、最初はなんのことかと思ったが、
「自分の‟生物時間”はとっくに過ぎているけど、気持ちは起きていたい」ということだった。
長い休みを取った後の一週間のお仕事、お疲れ様。
なのに夜遅くまで私に付き合ってくれてありがとう。
普通であれば昨日のフライトの時間であれば、お酒は飲まないかもしれない。
けれども私が大の酒好きだから、付き合ってくれたのだ。

朝ご飯とお昼ご飯を合わせて食べに行ったのは、見覚えのあるお店だった。
「前に抄手を食べに来たの覚えてるか?」
上里古鎮からの帰り、私は風邪をひいて体調を崩していた。
成都に戻ったあと、辛い物はよくないからとこのお店で抄手をごちそうしてくれたのだった。

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今回の目当てはこの牛腩面。牛バラ肉を使用した麺。

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それからこちらは辛い抄手。
抄手はいわゆるワンタンの親戚。なんでも辛い味付けになりうるのはさすが四川だなと思う。

腹ごしらえをしてドライブしながら向かったのは、「青城山」。
成都市区から西に65㎞ほどのところにある。

青城山は成都を代表する観光地で、5年前の成都旅行でも訪れたことがあった。
あの頃の私は中国語がまったくできなくて、ピンインもわからず数字すらも言えない状態で一人旅をしていた。
そんな状態で一人旅を繰り返していたのはある意味すごいなと思う。

成都へ向かう全日空で隣に座った女の子は、日本に生活する中国人で日本語がペラペラだった。
彼女とは今でも交流が続いている。
その彼女は飛行機での会話で、「そんなに中国が好きなのにどうして中国語勉強しないの?」
至極もっともなことを私に言った。
また成都郊外から市内に戻るバスの中で隣になったシンガポール人もまた、私に同じことを言ったのだった。
「そうだよな、挨拶くらいは言えないとな」
そうして年変わって、遅ればせながら中国語学習を始めたのだった。

このときの成都旅行はいわば、私にとってひとつのきっかけを与えてくれた旅行だった。
中国語がまったくできない私は、この時の旅行では何をするにしても勇気を出してやっていた。
バスに乗る時も山に登る時も勇気がいたから、その分、達成感というのもあったのは確かだけれど。
青城山はそんな状態でこころみた山で、さらに私にとっては初めて登った中国の山だった。
そういう意味で思い出も深く、ジャオユーさんにも何度かその話をしていた。

青城山は実はひとつの山を指すのではない。
およそ200㎢もの範囲に広がる山々をまとめてそう呼ぶ。
その中で観光地として旅行客を受け入れているエリア二か所を、それぞれ「前山」「后山」と呼ぶ。
一般に観光客のほとんどが足を向けるのが前山で、私が5年前に登ったのもこの前山だった。
青城山は道教の聖地として有名だが、それはこの前山の方。
ジャオユーさんによると后山にはてっぺんに仏教寺院があるのだという。
私が登ったのが前山だということを知り、「今度マーヨーズを連れて后山の方に行く」と言ってくれた。
それが一週間後すぐに実現するとは思わず。
ジャオユーさんは行くといったら本当に連れていってくれるし、他の場所もきっとそうだろうと信じている。

そういうわけで向かった青城山后山。
高速道路を走り、やがて都江堰へ、そして山道に入った。
山道はくねくねとしていて、日本のそれを彷彿とさせた。
右手には清流が流れ、そのまま走っていくと建物が並び賑やかな場所に出た。
観光客もたくさんいる。
なんだか日本の観光地のようだなぁ、とどこか懐かしい気持ちになった。

「ここでちょっと試みてみる」
ジャオユーさんは言った。何を?
私たちの車に一人の人が近づいてきて話しかけてきた。四川語だ。
ジャオユーさんもまたとびきりの四川語で何かを言ったが、私には聞き取れない。
ジャオユーさんは私を指さし、その人も私を見た。
話はついたようだ。
ジャオユーさんは20元を支払い、車を進めた。
「ここから先は車の立ち入りができないから、‟ガイド”だと言ったんだよ」
この日本人観光客のガイドで奥の民宿まで送るんだって。
信じてくれたから20元で済んだ。
ジャオユーさんはそう言った。
ガイドは無料なので、一人分の入場料で入場できたというわけだ。

入場門から車はさらに山道を登り、民宿や食堂が建ち並ぶにぎやかなエリアを越し、周囲はやがてひっそりとしてきた。
さっきのところで宿を決めないのかな。
そう思っていると、一軒の伝統建築の前で車を停めた。

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ジャオユーさんは中に入っていき空室を確認し、今夜の宿はここに決めるよう。

山奥のひっそりとした雰囲気と中国伝統建築。
こんなところに宿泊できるなんて、5年前の私には想像もできなかった。

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私たちが宿泊する部屋は一番奥にあった。
なかなかの雰囲気で、中国式の椅子に腰かけてみた。

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こちらは隣の部屋で、私たちの部屋よりもグレードが高い。
見るのは自由。
そういって見学する。
よく観光を通して目にすることの多い、伝統的ベッド。
本当はこのベッドで眠って見たい気持ちもあった。

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この民宿でくつろいでいるだけでも楽しいなと思う。
そう思って休憩していると、ジャオユーさんがとうとう沈没した。
仕事のあとに私を空港まで迎えに来てくれて、その後朝4時まで付き合ってくれた。
寝不足と疲れはわかっていたから、しばらく眠ってもらうことにした。

宿を出発したのは15時頃。
先ほど賑やかだった方面へ向かって歩く。のどかな山の風景はただ歩いているだけで楽しい。

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やがて古鎮に辿り着き、川を渡り入っていった。

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ここは「泰安古鎮」。
青城山后山の入り口ともいえる古鎮だ。
到着したときから小雨が降っていて、地面は濡れている。
昨日の夜大雨が降ったというのに、私たちは傘を忘れたことに気づいた。

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さすが山の中の古鎮で、どの食堂にも野草が山積みになっている。
どれも生き生きとしておいしそう。

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やがて牌楼があらわれた。
「これは古いものだね」
先ほどジャオユーさんが教えてくれたが、汶川地震の際ここも大きな被害を受け、建物の多くは倒壊してしまったそう。
だからここには新しく建て直されたものも多いが、この牌楼は地震にも倒壊することなく残った。

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こちらは粑粑というそう。
大きなおやきみたいな感じで、温かくておいしい。

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またもう一つ、小吃を紹介してくれた。
こちらは鍋魁というもの。
私が食べたものは甘いものだったが、中身が肉のものや甘くないものもあるのだそう。
ジャオユーさんは目的の味があったみたいだったが、なくなってしまったということで仕方なくこの甘いものを買った。
「子供のころ、これが好きだったんだ」

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いよいよ雨が強くなってきたので、屋根の下に逃げた。
するとそこにはちょうどよく食堂が。
時刻はまもなく16時という時間で中途半端だが、ここでしばらく食事をしていくことに。
ジャオユーさんの目的は確かに食事だっただろうが、私は食事という名目でお酒が飲めると内心よろこんだ。

テーブルは一番外よりの場所を選んだ。
「雨の日にこうして、外を見ながらお酒飲むの幸せ」
そう言いながら、本当にそうだなと自分で思った。

一人旅期間は見事に死ぬほどの暑さだったというのに、四川滞在はそのほとんどが涼しく、なんだか不思議。
湿気はあるもののここちよい空気を味わう。
「昨日太陽に‟飲みすぎるなよ”って頼んだのにな」
ジャオユーさんは言った。
昨晩マンションに戻る時、どしゃぶりの雨が降った。
それで部屋からそんなふうに太陽にお願いしてみたのだ。
二日酔いなんかにならず、忘れず成都の空に昇ってね、と。
もちろん冗談だけれど、太陽はジャオユーさんの言葉を聞いていなかったか、お願いを聞かず飲み過ぎてしまったか、姿を見せることはなかった。

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頼んだのはこちら三品。
左はニラとスモークベーコンの炒め物。
泰安古鎮は豚肉の燻製が名物のようで、あちこちに真っ黒に燻された豚肉をみた。
右は上里古鎮でも口にした細長タイプの筍。
上は野草のニンニク炒め。
これが全部おいしくて私の好みだった。
ジャオユーさんは肉を食べないので、ベーコンは私が受け持った。
この燻製が濃厚に効いたベーコンは、去年の鳳凰古城の旅行を思い出させた。
ミャオ族の村にもまた、このような燻製ベーコンがあり食べたのだった。
野草の炒め物は日常的に食べたいくらい好みだった。
いかにも葉っぱという感じが、他の野菜とは違う食感。

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おともにしたお酒はこちら。
猕猴桃酒。猕猴桃はキウイだ。
ここ泰安古鎮の名物のお酒なのだそう。
そういえば先の12日間旅行でも、成都郊外ではたびたびキウイ畑を見つけ私たちの話題にあがっていた。
実をいうと私はキウイがそんなには好きではないのだけれど、お酒であればおいしくいただけることが証明された。
度数は17度。
高くないし、かといってそんなに低いわけでもなく、ちょうどいい。
ほどよくお酒がまわり、心地よい気分になった。

雨が落ち着いてきたので、ふたたび宿の方へ。

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宿のすぐ裏手は川が流れ、雨の影響で茶色く濁っている。
そのまま宿を通り過ぎ、さらに奥に上っていってみることにした。
「まだ夕ご飯食べなきゃいけないから運動しておなかすかせよう」

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ひっそりとした山の中には転々とまた宿があった。
向こうに見えた民宿もまた、中国の伝統建築。
とても雰囲気がある様子だったので、「きれい!」思わず口にすると、
「本当はここに泊まりたかったんだけど満室だったんだ」
ひっそりとしていても、観光客はたくさんきているよう。

その後、どれだけ歩いただろう。
少し新しめの民宿が建ち並ぶエリアに出た。
どこからか爆音のカラオケが漏れてくる。
こんな場所にカラオケの声はふさわしくないよなぁと思い、
「聞くに堪えないね」つい本音が漏れる。
「そう思うよ」
ジャオユーさんも同調してくれた。
「こんなところに来て、ご飯食べてお酒飲んで麻雀やってカラオケやって」
それだけなんてつまらない。
彼はそう言った。
たしかにそれではこういう場所に来た意味は半減するなぁと思う。

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やがて人の気配がしない、外観がまったく同じ現代建築が建ち並ぶところにでた。
まるで日本の住宅街のようだが、突如山の中にこんなのが出現する違和感に加えて、人の気配がまったくないのが異様だった。
「住んでる人いないの?」
そう訊くと、ここは売りに出している開発中の場所なのだという。
別荘みたいにする人もいるだろうし、観光客に貸し出す人もいるだろう。
けれども見たところ、売れている様子はぜんぜんない。

ジャオユーさんは物色するように、ある部屋を覗いた。
「ここは湿気が多い場所だから、自分がここの物件を買うことはないな」そう言った。
彼は現在二つの部屋を民宿として管理している。
これで終わる気はなく、古鎮で民宿を経営することも考えている。
「マーヨーズが日本式民宿を営業するのもいい」
何度もこの話題が出た。
中国ではおかしな‟日本式”が多い中、日本人による日本式の民宿、さらにマーヨーズがやってますって言ったらたくさんの観光客が来ること間違いなしだ。
そんな話をしては笑った。

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真っ暗になり、ふたたび泰安古鎮まで歩いて戻ってきた。
夜の古鎮は活気があって気持ちを高揚させる。
平楽古鎮、上里古鎮、そしてこの泰安古鎮。
今回さまざまな古鎮で夜を過ごす経験をさせてもらえたことは、私にとってとても新鮮で刺激の多い経験となった。
ジャオユーさんと行動し、今まで経験したことのないことばかり。
外国人としての旅行ではなく、なんだか現地人として旅行しているような、そんな感覚で。
それはそもそも、旅のスタートからしてまったく異なるような感覚だった。

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時刻は21時、ここで食事をとることにした。
ジャオユーさんは商店で白酒の小瓶を二本買い、持ち込んだ。
彼はビールを、私は白酒をいただく。

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頼んだ食事は二品。
魚料理だがやっぱりひき肉と薬味に隠れて、魚の姿を見つけることができない。
お箸で発掘しながら魚をいただく。

話は花が咲き、お店は閉店の準備をしながらも快くお店を開けてくれていた。
私たちが急いで帰る準備をしようとすると、
「ゆっくり話していいよ」笑顔で返してくれた。

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宿に戻ったのは23時ころ。
私たちは部屋の外、中庭に面した椅子に座り、残った白酒とビールを飲みなおした。
他の宿泊客も椅子に座り静かに語らっている。
いい雰囲気だな、と思った。
真っ暗な闇の中で、赤い提灯と灯籠があたたかい。
静けさに包まれて時間を忘れた。

〈記 8月9日 自宅にて〉

参考:
青城山后山入場料 20元


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まゆ

Author:まゆ
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中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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