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2018-11-07

30日間成都滞在〈14日目〉

2018年10月8日、月曜日。
一週間の国慶節連休を終えて、ジャオユーさんは出勤した。
今日は仕事始めで職場で会議があるのだという。
私は呑気な無職で申し訳ない。

この連休の一週間、掃除や洗濯などを放置してきた。
午前中はそんなあれこれをし、ジャオユーさんがお昼休みに帰宅したのは12時。
彼は昨日の私の夜遊び問題で、かどうかはわからないけれども、ほとんど眠ることなく夜が明けてしまったのだそう。
お昼を食べて職場で仮眠することができるだろうに、毎日マンションに戻って一緒にご飯を食べてくれる。

昨日の朝、ジャオユーさんが頼んでくれたものが嫌いなものだと言って、ご機嫌を損ねてしまった。
何が食べたい?と訊いて「なんでもいい」というからお店を選ぶとこれは嫌だ、なんてわがままな女性が世の中にはいるというが、私はたまにそういう人間かもしれない。
ただ言い訳をすると、これは嫌いだから食べないなんてことは一言も言ってなくて、黙々と食べたのだ。
ただ隣に好きなものがあったので、最後にちょっとそれが食べたくなってしまっただけなのだ。

ジャオユーさんは昨日のそれを受けて、「何が食べたい?」と訊くようになってしまった。
「なんでもいい」
そう言って私たちが向かったのは近所の小さな食堂。
お店に入ってもまた、
「何が食べたい?」
そんなふうに訊くようになってしまった。
「豚肉が好きではないとは言ったけど、好きな料理もあるし、食べないわけじゃないからそんなに気にしなくていい」
私はそう言ったけれど、うまく伝わらない。

結局、このお店の売りである「燃麺」を食べることにした。
私は以前はスープのある麺が大好きだったが、ジャオユーさんと出会って以降、こうした汁なし麺も好きになってしまった。

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出てきたのはこちら。

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それをこうして混ぜて食べる。
いわゆる油そばで、油と麺を食べているようなものなので、おいしいが健康的とはいえない。
けれども麻辣の辛さがくせになるおいしさ。

お昼を食べ終わって寝不足なジャオユーさんはそのまま会社へ。
成都に来てから、ジャオユーさんが出勤している間は暇になるだろうから、成都市区の観光地をまわりまくるぞ!そんな風に決意していた私だったが、結果ぜんぜん出かけていない。
今日の午後も時間はあるけれども、気分が乗らない。
あそこもここも、行くなら二人で行きたいなと思い、ほったらかしたまま。
ジャオユーさんはパンダ基地に行くことを勧めてくれるけれども、パンダこそカップルで見たいものだ。

そういうわけで、出掛けることなく今日は日本食を作って彼の帰宅を待っていよう、ふと思いついてそういうことにした。
何を作ろう。
問題は、私は料理がぜんぜんダメなわけではないが得意ではないこと、それから彼は肉類を一切食べないこと、それから日本食に使う材料の多くがここではなかなか手に入らないこと。
これならいいかも、と思ったものにはみな肉が入っていた。
これなら彼も好きかも、と思ったのは魚料理。
けれども内陸の成都では、日本食に使われるような魚が手に入らない。かろうじてサーモンくらい。
困ったな。
醤油などの調味料は中国でも大手スーパーや外資系商店で手に入る。
けれども、料理酒、みりん、味噌など一部の材料は日本から持ってきていた。

こうしてとりあえず向かったのは、伊藤洋華堂、イトーヨーカドーだ。
成都の買い物事情にまだ詳しくないので、行ったことのあるイトーヨーカドーに歩いて向かうことにした。
歩くこと30分、ようやくたどり着き、スーパーコーナーへ。

一つは、魚料理を作ることにした。
日本で当たり前の魚は手に入らないし、また日本のようにパッキングされたものも少ない。

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こんなふうに魚まるごとの姿に、どれがなんの魚でどういう調理をすべきか悩む。
また裏には水槽があり、フナ類をはじめ川魚が生け簀で売られている。
中国の魚は生臭いのをなんとかしたいからああいう調理法が発展したんだよな。
心配なのは生臭さだった。
よし、いちかばちか味噌煮にしてみよう。
サバの味噌煮を思い出した。
ではどの魚を選ぼう。
フナを選ぶ勇気がなくて、結局氷の中で眠る黄花魚というのを選んでみた。
一尾選んで、売り場の親父さんに内臓処理をお願いしやってもらう。

後から聞いたところによると、この氷漬けコーナーの魚は川ではなくて海の魚だったよう。川の魚はみな、生け簀で売られているのだということだった。

また同じ魚介類売り場で、アサリを詰めてもらった。
もう一品はアサリの酒蒸しに。

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こうして、買い物かごはどんどんふくらんでいく。
今夜だけでなく今後あれもおつまみにつくりたいな、あれも、と、パンやバター、チーズなどがどんどん追加されていく。
結果、なんとお会計は300元近くになってしまった。
私に生活能力がないことを改めて思い知った瞬間だった。
中国にはいたるところに果物や野菜、そのほかの食材を売る小さな商店がたくさんあり、そしておどろくほど安い。
けれども大手商店でしか手に入らないものもあるから、うまく使い分けるのがいい。

購入した食材は大量で、持って歩くのも厳しかった。
とてもではないが歩いて帰れず即タクシーへ。

マンションに着くともう17時近く、焦る。
もうすぐジャオユーさんが定時を迎えてしまう。
私は手際が悪いので、だいたい作っておいて、彼が帰宅したら再加熱して仕上げることにした。
結局18時を過ぎて彼は帰宅し、あくせくしている私を見て中華鍋を覗いた。
「おお!きれいな魚!」
一方、私は自分の能力の限界と経験値のなさに、いっぱいいっぱい。

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左奥が、黄花魚を使った味噌煮。
中華鍋に下ごしらえをした黄花魚を入れた瞬間、焦った。
味噌スペースに対して、頭と尻尾がはみだしてしまうのだ。
すぐにでも焼けていくので、何度も味噌のたれをすくってはかけたが、結局尻尾は焼失してしまった。

右奥はアサリの酒蒸し。
手前はエビをつかったお好み焼き。
それから超シンプルなお味噌汁。
料理のおともはウイスキー。
実に色彩のない地味な食卓になってしまったが、しかたない。

はじめての私の料理に、彼はとても喜んでくれた。
写真を撮りSNSにアップし、それを見た親戚からの「誰?」という電話に対し、「日本人の彼女が日本の伝統料理をつくってくれた」と答えている。
味噌煮はちょっと厳しいけど、一応日本の味覚といえばそうか。
できればサバでやりたかったし、日本のおいしい魚をもっと知ってほしい思いもある。

私はおいしく作れたなと思うけれど、ジャオユーさんは料理に厳しいので私のレベルの低さはお見通しだったとは思うが、すべてに対し褒めてくれた。
「日本食はなによりも健康的なのがいい」
確かに、魚の下ごしらえや味噌やソースに含まれている塩分以外には塩分はまったく加えていないし、お好み焼きを焼くとき以外に油を使うこともなかった。
お好み焼きを食べて、「これは野菜をたくさん食べれるからいい」とも言った。

ふとジャオユーさんの手元を見てみると、アサリの酒蒸しを一つしか食べていない。
「もしかして、これ食べれない?」
そう訊いてみると案の定、「貝類はおなかを下すから食べれない」という。
さらに、肉類を食べない代わりにエビは食べるけど、痛風だからあまりよくないのだともいう。
非常にむずかしい。
私なんて苦手なものと言ったら八角、セロリに豚肉の一部の料理、これくらいだ。
私よりよっぽど難しいじゃない。
そう思ったけれど、目の前の彼はなんとも幸せそうな表情をしていて、私はなにを言うのもやめた。
ただ二言、「大喝!大吃!」
これまでになく、たらふくになった夜だった。

〈記 10月16日 成都市区にて〉

⇒ 30日間成都滞在〈15日目〉 へ続く

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まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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