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2018-11-07

30日間成都滞在〈17日目〉

2018年10月11日、朝起きるとジャオユーさんが言った。
今日はお母さんがヨーロッパ旅行へ出発する日で、一緒に見送ろうということだった。
今日が出発の日だということは知っていたけれど、私の記憶では10時半という時間だけがあり、てっきり夜の11時半に発つフライトなのだと思っていたが、実際は午前11時半に空港へ集合ということだった。
成都へ来て以来、夜は洗顔と歯磨きだけし、シャワーは朝という習慣になっていた。
ジャオユーさんが、職場から10時半に戻ってくるのでそれまでに支度をするようにということだったので、私は大急ぎで支度を始めた。
掃除や洗い物などをし、シャワーを浴びて、キッチンへ。
お母さん出発に合わせてサンドイッチを作ろうと材料を買っておいてあったが、予想外に時間がなくなってしまった。
卵をゆでて、パンを切り、野菜を切り、そんなことをしていたら10時半。
急いで洗濯物を干し、彼が待つ駐車場に向かったのは遅刻5分、ノーメイクでネイルも剥がれたままというひどい状態だった。

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車でお母さんの家付近に向かい、大通りで拾った。
「マーヨーズが食べ物を用意してきたから」
そうジャオユーさんが言うと、
「日本の味だね」
いや、ごく普通のサンドイッチなんだけど、とバツが悪くなり、
「口に合うかわからないですけど」と濁らすと、
「私は世界の色んな国を旅行してきたから、どんな食べ物でも大丈夫」
世界の味覚どころか、中国どこにでもあるようなサンドイッチなんだけど…。

お母さんは今日から20日間に渡ってヨーロッパを旅行する。
「一人で参加するんですか?」と訊くと、
団体旅行で30人ほどの参加者がいるけれども、友達とではなく一人で参加するのだという。
先日もロシア旅行へ行ってきたばかりだそうで、人生を謳歌していてうらやましい。
私がそう言うと、
「お母さんからしてみたらマーヨーズの方がうらやましいと言うよ、若い身体があるんだから」
それはそうかも知れないけれど、60歳を過ぎた年齢で旺盛に海外旅行ができるのは、健康な身体と意欲的な精神があるからで、私はそのことがうらやましいのだった。
それにお金もなければ旅行はできない。
私も、旅ができる状況、旅をしたいという精神状態を、何歳になっても持ち続けたいと願っているし、そんな人生であってほしいと思っている。

空港に着き、お母さんは私を抱きしめてくれた。
「気を付けて、そして楽しんで」
私がそう言うと、「あなたもね」
ヨーロッパから成都へ帰国するのは11月2日。
私が成都を発ち日本へ帰国するのは10月24日だから、これが最後になる。

お母さんを送り、市街地へ戻ってきた。
ジャオユーさんは午後にはまた出勤しなければならないけれど、ちょうどお昼休みの時間で14時まで余裕がある。
日本のお昼休みは一時間とか、少ないところだと45分とか、それに比べて自由だなと思う。
他の企業はどうかわからないけれど、ジャオユーさんは仕事に支障がなければ11時半から14時までお昼休みをとっている。
そういうわけで、のんびりとしたお昼ご飯。

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屋外にテーブルが並ぶ食堂の一つに決まった。
ちょうどお昼時で、いったいのお店がたくさんのお客さんで賑わっている。
お店の中には筆書きの数種のメニューが書かれていたけれど、どうやらメニューというものはあってないもののよう。
彼はお店の人と話しながら、料理を頼んだ。

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お母さんへ渡したものとは別に、自分たち用にもサンドイッチを用意していた。
トマトチーズと卵をふたつずつ。
それなのに一気にまるごとかぶりついてしまうジャーユーさん。

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これと、野草炒めと豆腐スープ。
胃に優しい選択だ。
昨日は飲み過ぎて、ジャオユーさんは胃がつらいという。

ジャオユーさんは職場へ戻り、私は付近を散歩して戻った。
成都に来たら、昼間はあちこち探索しようと考えていた。
けれども結局ほとんど出かけないまま。

夕方彼が帰宅し、今夜は昨日烤羊肉をやった際に用意した羊のスープを使って、新疆版の麺を作ってくれることに。
昨日羊を切り分けた際に残った骨。
それを煮込んだダシを残していた。
スープはすでに白濁し脂分が固まっている。
こうしてみると相当な脂が含まれているようだ。

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それをふたたび火にかける。

そうして麺づくり。
スーパーを覗いて気づいたけれど、中国には小麦粉の種類がたくさん。
ケーキ用の小麦粉が薄力粉で、あと強力粉もわかった。
その外にも、包子専用の小麦粉など、さすが中国で複数の種類が売られていた。
ジャオユーさんにそう言うと、もともとはそんなふうには種類が分かれていなかったけれど、現代になり麺用だとか包子用だとかが売られるようになったのだそう。

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彼は麺用の小麦粉に水と塩を加え、こねだした。
そうして寝かせる。
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寝かせた後、平に伸ばし油をひき、さらに寝かせる。

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次は具材を作っていく。
トマト、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、それから羊肉にニンニクを細かく切っていく。ショウガは大胆に包丁の腹で潰した。
最後にセロリの登場にセロリが食べれない私は焦ったが、
「最後に好きな分だけ加えるだけだから大丈夫」と言う。ネギみたいな感じかな。

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羊肉や生姜、山椒、他の具材を加えて炒めていく。
そうして加熱していた羊スープを投入。
その間に数種の調味料を加えていたけれど、記憶に残っていない。
「こんなにたくさん工程があったら覚えきれないよ、複雑だね」
私がそう言うと、
「そんなことはない、本来はとても簡単なんだ」
ただ自分がいろいろ複雑に作っているだけなのだという。
羊のスープも本来はわざわざ用意する必要はなく普通の水でいいそう。
「羊のスープを使ったらいいかなと思って使っただけで、実際は対して味に大差はないんだ」

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次は寝かせていた麺を起こす。
「拉麺」と言うので、蘭州拉麺のように伸ばして伸ばして細い麺をたくさんつくっていくのかと思えば、引っ張って細く伸ばしたところで、それを細かくちぎってスープの中に投入していく。
短いタイプの麺だとは思わず、予想外だった。
「寝かし具合が足りないから、うまく伸びない」
引っ張って軽く振りながら、時々麺生地は持ちこたえず千切れてしまうことがあった。
「上手な人はもっと早くやるんだけど、自分はそこまではできない」
そう言って麺をちぎって次々投入していくけれど、私にしてみれば十分に早い。

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こうして出来上がった新疆麺。
野菜をふんだんに使っているところと、羊肉がポイントだ。
苦手なセロリも少しだけかけてみた。
トマトの風味が効いて安心するおいしさだった。
野菜の割合がほとんどの健康的な麺。
日本でいう麺料理というよりは、スープが加えられた野菜を山ほど食べている感覚。
足りないかなと思ったけれど、食べ終わってみると満腹だった。

昨晩飲み過ぎて元気がないジャオユーさんは、運動する元気もないので散歩に出掛けたいと言い出した。
こうして歩いて出かけ、近くの大学構内へ。
21時を回る時間帯だというのに、構内は人でいっぱい。
もちろん学生も多ければ、一般市民もたくさん。

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数日前に昼間に来てみた大学。
あの時にも運動場へ来てみた。
この時間にも関わらず、球技やジョギングなどを楽しむ人たちで埋まっている。
陸上トラックには、陸上部のようなレベルの集団から、健康の為にのんびり走る人たちも。
日本にはちょっとない雰囲気かなと思う。
早朝から深夜まで、健康のために身体を動かす人口は、日本は中国ほどはないかなと思う。

ジャオユーさんはここの設計が良くない、ここの施工は間違っている、などぶつぶつ呟いている。
この運動場はずっと工事中で、出来上がったばかりなのだそう。
今まで中国を旅行してきて、変な部品がついていたり、こことここの部品が違っている、サイズが合っていない、そんなことはそこら中日常茶飯事に目にしてきたので、それを話すと、
「それは違う、ちゃんとしたところはそんなことはないんだ」とムキになって言う。
「高級ホテルでもそういうことはよくあるよ」
そう言っても、「違う、それは偏見だ」と言う。
彼はよく、中国の製品だって優れている、中国だってよくなってきている、そういうことを繰り返す。
それでいて私が中国らしいなというあれこれを話すと、まるで私が中国を下に見ているようなことを言う。
「だってジャオユーさんだって自分でよく言うじゃない」
そう返すと、
「自分の国を言うのはいいけど、他の国のことを言ってはダメだ」という。
私は偏見と言うよりは、実際にあったこと目にしたことを言うだけなんだけど、それもあまりよくないらしい。
「あれはなんの為にあそこにあるのかわからない」
彼は進行方向の先にあるモニュメントを見てそう言った。
私は何も返さず黙るのみ。

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夜の大学構内をのんびり手をつなぎ歩きながら、マンションへ。
こうした生活がいつか本当に実現するといいな。
深夜まで賑わう路地を戻りながら、そう思った。
めずらしくお酒を飲むことがなかった夜だった。

〈記 10月26日 自宅にて〉

⇒ 30日間成都滞在〈18日目〉 へ続く

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まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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