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2018-11-07

30日間成都滞在〈20日目〉

2018年10月14日、日曜日。
午前中まずマンションを出てご飯を食べにいったのは、近所の米線の食堂。

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ジャオユーさんは辛い米線を、私は鶏スープの辛くない米線を。
このお店は綿陽米線のお店。
綿陽は成都市区から北東に向かった場所にある都市。
そこは米線、つまりライスヌードルが有名なのだそうで、成都市内でも何度か綿陽米線のお店を見かけた。

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中には大きな昆布が入っており、これがどうやら綿陽米線の特徴のよう。
私は米線よりも麺の方が好きなのだけれど、ジャオユーさんは米線の方をよく食べる。
成都のお店には、各メニューで米線、麺、また時には刀削麺などから選ぶことができるところが多かった。
例えば、鶏スープで、米線、麺の好きな方を選ぶことができる。
彼は米線の味が好きというよりは、麺よりの茹で上がりが早いのでこちらを選ぶことが多いのだそう。

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その後私たちはマンション近くの茶館へ。
二階へ上がったところにその茶館はあり、ジャオユーさん馴染みのお店なのだという。

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外に席を選び、しばらくここでくつろぐ。
天候は相変わらずどんよりとし、空は真っ白だったが雨が降っていないことが幸いだった。
「何を考えてるんだ?」
そう訊く彼に、
「空が白いなって」
成都へ来てから青空を見ることがほとんどなかった。
雨が降らなければ一面白い空。
しかし成都ではこうした天候は普通のようで、
「成都人は青空が珍しいから、天気がいいと嬉しくなるんだ」
彼はそう言った。
新疆では毎日高温の晴天で、だから真っ青な青空は嬉しくもなんともなく、むしろうんざりするのだという。
旅で訪れるのと生活するのとでは感覚が違う。
私は旅行者として、圧倒されるような迫力の新疆の青空が好きだった。
そんなことを話していると、マンションの上に僅かに陽が差し込み、そしてまた消えた。

「ここの清算はマーヨーズの任務」
そう言って私は店内に入り、飲んだお茶の価格を訊くと。
「88元」
うそ、高くない?
そう思ったけれどそのまま清算し戻ると、ジャオユーさんがいくらだったか訊いてきた。
「88元だったよ」と答えると、
「高いな、もし自分だったら40元だったはず」
彼に言わせると、ここは彼の馴染のお店なのでいつも安く対応してくれるのだという。
「88元は一般価格だろう。オーナーであればいつもの40元にしてくれたと思うけど、今の女の子は元々の価格にしてしまった」
あとでオーナーに言っておくよ。
彼はおそらくお金を返してくるだろう。
彼はそう言った。
ジャオユーさんは毎年このお店にかなりの額でお茶を購入しているので、そのように要求することが可能なのだと話した。
でもお茶少し飲んで88元は、正規価格でも高いと思うのだけれど、きっといい茶葉なのだろう。
けれども私の舌は鈍感で無知なので、正直やっぱり高いと感じる。

お茶館を出て高速にのり向かったのは、成都市区東北方面にある付近の街、新都だった。
新都には桂湖という湖があり、そのすぐそばにある寺院、宝光寺へ。
「宝光寺には子供の頃行ったことがあるだけだから行ってみよう」
一方、桂湖は見てもそんなに大したことないから見る必要はないとのことで、立ち寄らなかった。

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宝光寺へ入場しようとするも、チケット売り場はどこ?と思っていると。

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これがチケット売り場。
壁にはまるで監獄のように小さな空洞が並んでいる。

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中を覗くと係員が正常に業務を行っており、観光客が窮屈そうに手を差し込みチケットを受け取っている。
「何これ、変じゃない?」
そう感じる私が変?そう思いつぶやくと、
「奇妙だよ、だからさっき写真撮ってしまった」
ジャオユーさんはすでにこのチケット売り場を発見し、その奇妙さに複数の写真を撮りSNS上にアップしていた。
中で働く係員は、いったいどんな感覚なのだろう。
入場価格は一人5元。

宝光寺、その歴史は後漢にまでさかのぼり、唐代の歴史書にはその名の記載が確認されている。
明代に破壊され清代康熙帝の時代に重建された。

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内部はたくさんの建物でいっぱい。
入り口をくぐり弥勒菩薩を祀った天王殿をくぐると、その先には塔が建っていた。

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「なんだか傾いているよね?」
目の錯覚?
「いや、傾いているよ」
中国の斜塔といえば蘇州の虎丘が有名だけれど、この塔はそれよりもずっと斜塔だと思う。

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その先には、七仏殿。
毗婆屍仏、屍棄仏、毗舎婆仏、拘楼孫仏、拘那含仏、伽葉仏、釈迦牟尼仏、この七つの仏さまが祀られているので七仏殿。
けれどもこれら仏さまの名前はどれもどんな意味があるのだろう。

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建物は奥へ奥へと続いている。
その中にはかなり立派な石造りの仏舎利塔が収められたお堂もあったが、お堂の内部は撮影ができないため、写真に残すことができなかった。
石を彫って作られた仏舎利塔はたしか2、3mほどの大きさだったかと思う。
繊細な彫刻が施され、内部には三つの仏舎利が収められているということだったが、実際はどうだろう。

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建物の並びの一番奥には巨大なお堂があった。
内部は他の仏さまが収められた他のお堂とは違い、正面には机、その背後には大きな獅子を描いた木壁がある。
その木壁は古びて黒ずんでいる。
この雰囲気はなんだろう、まるで。
大きな机の両側には、「静粛」などの文字が書かれた板が建て並べられている。
「ここは‟法律“の場所だよ」
ジャオユーさんはわかりやすくそう教えてくれたが、ここは裁きを下すところなのだった。
中国歴史ドラマでも目にする。
「ここはお寺なのになんでこんな場所が必要なの?」
こういうのはお役所の建物なのでは?
そう訊くと、
「お寺の中のことを裁く場所なんだ」
大きな寺院なわけだ。

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大きなお堂の並びから右手に続く細い回廊をくぐっていくと、その先にはまた別の建物が迷路のように続いていた。
その中の一つが、「羅漢堂」。

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内部には様々な表情と仕草をした羅漢で埋め尽くされている。
「おそらく文革で破壊されただろうから、多分これはその後作られたものだと思うけど」
ジャオユーさんはそう言った。
お堂自体は清代のもの。
内部には一つとして同じものののない、577体もの羅漢像がぎっしり。
羅漢像の並びの中心部には、金色のみごとな千手観音が安置されているが、それらもすべて写真に残すことはできない。

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お堂の並びから抜けてみると、木々が建ち並び静寂としている。
散歩しながら歩いていくと、その先には竹の椅子が並び、お茶を飲みくつろぐ人々の姿があった。
私たちもまたここでお茶を飲んで休んでいくことにした。

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お茶の種類は10元前後。
一杯たのめばお湯は巨大なポットで与えられ、いくらでも継ぎ足し可能。
私はこういうお茶で十分だから、お茶の飲み方も質もまったく違うとはいえ、今朝のお茶館よりもこういうところで十分かなと思う。

その後ふたたび新都を去り、高速にのり成都市区へ戻ってきた。
夕食は、成都へ来て間もなくVIPカードを購入した小龍坝へ。
成都市区で有名な小龍坎にのっかったお店だが、安くて味も悪くない。

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ジャオユーさんと火鍋に来ると、だいたい頼むメニューは決まっている。
私は肉が好きで、牛肉を。
彼は肉が食べれないので魚を。
それから彼はかならず血のかたまりである血旺を。
四川、重慶にはこの血旺を好む人が多い。
それから牛の胃。
それからたくさんの野菜。
いつも食べきれずに残ってしまう。

お酒は部屋から持ち込んだ、洋梨ウォッカ。
私たちはこれで乾杯し、いろんな話をしながら徐々にテンションはあがり、お店を出るころ私はすでに酔いが回っていたが、私たちは梯子することにした。

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向かったのは以前にもバイクで通りがかった賑やかなエリア、蘭桂坊。
若者がお酒を飲みに集まるエリアなのだそう。
眠らない街、成都の一角である。

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その中で私たちは一軒のお店に入った。
お店の中はダンスをする男女でいっぱい。
外国人も多く、お酒のメニューを見てみると英語表記だったので、そういうお店かもしれない。
陽気な音楽がかかり、気分も盛り上がっていく。

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メニューをみると、カクテルがたくさん。
この前別のお店で一人で飲んだマルガリータ。
でも実は一番好きなのは、ダイキリ。
日本でも、マティーニもギムレットもあるのにダイキリが表記されていない場合、私はよく「ダイキリできる?」と訊いて作ってもらう。
カクテルを多種用意するお店ではだいたいラムも置いてあるので、多くの場合がそれで作ってくれる。
酔っ払っていた私は少し遠慮がなくなっていて、支払いをしてくれるジャオユーさんをおいて、
「ダイキリできる?」
とバーテンダーに訊いてみた。
ダイキリの正確な発音がわからないので、思い切り日本語の「ダイキリ」。
メニューにはラムがあった。
バーテンダーさんはすぐに日本語発音のダイキリを理解してくれて、
「ダイキリ?」
と美しい発音で返してきた。

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(ジャオユーさん撮影)

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やっぱりおいしいダイキリ。
ジャオユーさんはメニューがさっぱりわからずに、どうやら適当に頼んだようだけれど、なんともかわいらしいカクテル。
こちらもラムを使用したもののよう。
ジャオユーさんがトイレに席を立ったすきに盗み飲みをしてみると、おいしい。
度数も高くなく、女性がうれしいカクテルかもしれない。
竹の器で中身が見えないのをいいことに、こっそりほとんど飲んでしまったが、彼は気づかない。

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(ジャオユーさん撮影)

このお店はダンスを楽しむお店で、私は酔っ払った勢いで一人で好きなだけ踊った。
お客さんのほとんどは男女で踊っており、ジャオユーさんは私を引っ張って踊りだしたが、私はこういうダンスの経験がなくさらにセンスもないので、彼が動きたい方向とかみ合わずちぐはぐ。
「ごめんね」そう言うと、
「大丈夫、ダンスに決まりなんてないんだから」

この時点で私はかなり酔っ払っていて、楽しかった記憶だけは鮮明だが、行動がうすぼんやりとしている。

その後またバイクに乘り、別の賑やか若者エリアに行ってみたがどこもいっぱいだった。
そこで次に向かったのは、先日私が一人で行った雰囲気のいい酒吧。

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このお店は私の行きつけになりそう。
ビールを飲み、ここでもテンションは止まらない。
のちにジャオユーさんのスマホには実に楽しそうな私の写真が残っていたが、ダースで頼んだビールを飲み終わらずキープしてもらったことと、それからとても楽しかったこと、それ以外の記憶がない。
バイクに乗りながら、風を切る中くらくらと意識が遠のいていくかすかな記憶は残るが、それ以外どのようにして部屋まで戻ったのか、覚えていない。
それでもなぜか脳裏に焼き付いているのは、遠のいていく意識の中で、私たちを取り囲む眩しく輝く街のすがた。
なんて巨大な街。
それはまるでひとつの生命のように、脈をうっていた。
私たちは今や、太い血管の中を脈打ち流れていく、その生命の一部だった。
それは鮮明な記憶だった。

〈記 10月27日 自宅にて〉


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まゆ

Author:まゆ
中国が大好き。お酒も大好き。
中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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