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2019-01-02

15日南方周遊〈4日目〉 九江

2018年12月14日、身体が重くて目覚めてからもなかなか起き上がることができなかった。
本来は早朝に出発し、本日は九江の南郊外に位置する名山、廬山に向かう予定だった。
昨日はこの平地でもあれだけ寒かったから、山の中はさぞ寒いだろうなと、厚手の服にヒートテックを下に着こみ、発熱素材のタイツに起毛靴下を重ね着し、お昼前にようやく長距離バスターミナルに到着した。

九江バスターミナルからは各地へ向かうバスが出ていて、それなのにどこにも廬山の行き先を示す文字を見つけることができない。
チケットは購入できたのだからバスはあるだろうけども、不安になり訊ねてみると、「12番で待って、まだバス来てないから」とのこと。
チケットには検札口14番と書いてるけれど。
どうやら時間は決まっていなくて、準備でき次第出発するよう。

近くに食堂があったので、何か温かいものが食べたいなと覗いてみた。
昨日はワンタンを食べたので、今度は餃子にしてみることに。

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10元の餃子はおいしくて、スープまで飲み干してしまった。
おなかが落ち着いて改札12番まで戻ると、その向こうにはちょうど廬山行きのバスが来ていた。
あやうく逃すところだった。

18121402.jpg

バスと言っても、小型。
ここから一時間ちょっとの道のりだという。
「帰りは何時が最終?」
乗客のだれかが訊ねると、「4時半」
「なんでそんなに早いんだ」と言い返す乗客。

バスの中には案内表示が。
「盧山風景区までに途中山門で停車します。そこでチケットを買い二階へ上りそこでまた乗車してください。10分待つので乗り遅れないように」
バスはこのままこれで廬山まで行くかと思いきや、出発して5分ほどで別の場所で停まった。
そこにもまたまったく同じ外観の小型バスが。
どうやらここでこれに乗り換えていくよう。
大同でも同様の乗り換えをしたことがあるけれど、なんでわざわざこんなシステムになっているのかわからない。
乗客は乗り換え、先の座席と同じ場所に座った。

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バスが出発してほどなくして、廬山のチケット売り場に到着した。
送れないようにみなについていく。
チケットは160元。高いけれど仕方ない。
ガイドブックによると、12月15日からオフシーズンに入りチケットが無料になるようで、今日は14日、痛い出費である。

チケット売り場を二階にあがり、待機していた先ほどのバスに乗車。
山門というからにはここからすぐと思いきや、ここからが長かった。
バスは山道に入り、くねくねと曲がる山道をどんどん高度を上げていく。
車窓の風景はいつしか雪景色に。

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雪景色かと思えば、木々の一つひとつは、雪が積もったものではなかった。
すべて、凍りついているのである。
積もった雪が解けて水になったものが凍りついた、氷の枝。
私が暮らすところは雪が降らないので、こうした風景は珍しくまるでもう絶景を目にしたかのような気分。

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運転手さんの言った通り、出発から一時間以上して廬山の麓街、牯嶺鎮へ到着した。
「帰りはここから出発するの?」
時々、バスを降りた場所と出発する場所が異なることがあるので確認してみると、「ここから」という。
少し先には商店などの並びがあり、そこに「汽车站(バスターミナル)」と名が小さく見えた。わかりにくいけれどそこでチケットを買えばいいよう。

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バスを降りたすぐ先には、公園があった。

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そこからは真下に広がる別荘やホテルの屋根が見下ろせて、どれも雪をかぶって壮観だった。
みなここでこぞって写真を撮っている。
空はみごとに晴れ渡り、雲ひとつない。
真っ青な空はまた、雪景色をまぶしく際立たせていた。

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公園の木々もまた一つひとつの枝が凍りついて、遠くから見ればそれはまるでそれ自体が白い木のようにも見えたし、私はどこか、神社のおみくじが大量に結びつけられたご神木を思い出した。
近づいてみれば、よくもこううまく枝に凍りついたなというようにみごとに樹氷となっている。
日の光に照らされてきらきらと細やかに輝いて、繊細な芸術作品のようだと感じるそばで、大きな音を立ててぼたぼたと落ちてくる氷の塊。

お店の並びを歩いていくとトイレに行きたくなり、けれども公衆トイレが全くないので、軽く食事をしようと一つのお店に入ってみた。

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頼んだのは、清湯麺。
シンプルな麺が食べたいと思い頼んでみると、思いのほか強い味がついていてスープも濃厚で、でもおいしかった。
肝心のトイレは故障中ということで撃沈。なんてことだ。

廬山の最高峰は漢陽峰で高さ1474m。そう高くない印象だ。
一方ここ牯嶺鎮はすでに標高1150mの高さにある。
夏場には有名な避暑地なようで、毛沢東はじめ共産党幹部も別荘をかまえ避暑に利用していたのだそう。
盧山の麓に暮らした陶淵明も盧山を歌にしるし、五度ここを訪れた李白も廬山草堂という庵を建てた。そのほか多くの詩人が廬山を題材にしている。
廬山の観光の目玉といったら、瀑布など山中の風景なのだそうで、九江市内でもたびたびそうした観光の広告を見かけた。
ここ牯嶺鎮からはいくつかのルートや観光ポイントがあるようで、順路があり行き方が決まっているものではなく、それぞれを車で回るかたちになるもよう。
バスでここを訪れた観光客に、車の足はない。
ガイドブックによると、風景区を二方面に向かう観光バスが出ているようだったが、乗り場やルート、停車先などに関する詳しい情報が一切なかった。
見渡してもそれらしい車もそれらしい乗り場もそれらしいチケット売り場もない。
訊いてみようかとも思ったけれど、ガイドブックの簡易な地図があったので、歩いて向かってみることにした。

どの方面に向かうか迷ったけれど、共産党がかつて会議を行った施設とやらの史跡の先には湖があるようで、そちらに向かってみることにした。

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けれども歩き始めてしばらくして、後悔。
あるけどもあるけども、地図上の‟ちょっと先“にも辿り着かない。
けれどもすでに引き返すのもだるい距離を歩いてきたので、そのまま強行する。
先ほどまであんなにいた観光客はすっかりいなくなくなり、歩いているのは私だけ。
ただひっきりなしに、頭上から溶け出した氷の塊がぼたぼたと落下する音だけが響く。
氷の塊はなかなか大きく、当たったら気絶するかもしれないな、と用心しながら。

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やがて、「周恩来紀念館」という文字が見えた。
周恩来もここに別荘を構えていたとか、そういうことだろうか。
けれども門は閉ざされ、雪や氷による害により安全の為に閉鎖、と案内が出ていた。
普段は公開されているよう。

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鉄門の向こうを覗くと、立派なお屋敷が並んでいる。
あのどれだろう。

18121414.jpg

昨日の九江は寒さでぐったりした。
山中はさぞ寒いだろうと警戒し、備えてきた。
厚手のニットのワンピースの下にはヒートテック、発熱素材のタイツの上には昨日急遽歩行街で購入した起毛素材の靴下を重ね履きし、そしてコートの上からファーのマフラー。
これがなんてことだ、失敗だったよう。
雲一つない空に、ぼたぼたと落ちてくる氷の塊が物語るように、今日は日差しがあり気温が上がっているよう。
下り坂を歩く私でも、暑さでコートを脱ぎたくなったほど。
それでも息は真っ白だったから、私が歩き疲れただけなのだろうか。

どれだけ歩いたかうんざりしたころ、ようやく目的地に設定していた共産党の会議史跡に到着した。

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ここのところ、共産党の史跡ばかり訪れている気がする。
これではまるでそちら方面のようではないかと思われそうで心配にもなる。
でも正直に言うと、たまたまなだけ。
こんなところまできて会議史跡を見るよりも、自然景区を見に行くべきだ。
本来はそのつもりだった。
けれども行動意欲を失っていた私は、ここで引き返してしまうのだった。

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共産党会議はここで三度行われており、そのうち1959年に行われた廬山会議が有名なのだそう。
ひっそりとした山中に、急に趣異なる石造りの建物は、とても異質だった。
当時ここに毛沢東はじめ多くの共産党幹部、共産党員が集まって会議を開いたその様子を想像すると、なんだかただごとではない。
愛国施設なので無料、ということで入ってみた。
一階は資料展示のようだったので飛ばし、そのまま二階へ。

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会場が再現されている。
一つひとつの座席には、当時を再現して名前が正確に割り振られている。
正面の壇上には、毛沢東、周恩来、林彪など。
座席を見ると、それぞれにお茶と灰皿が丁寧にも置かれている。

18121418.jpg

ここから自然景区に向かうことを諦め、もう帰ろう、ということになった。
来た時は下り坂。
戻る時は上り坂。
途中でどこかのホテルに向かうのか、ワゴンがお客を乗せて小道を曲がった。
小道は上り坂になっており、凍りついた路面にワゴンは四苦八苦し、助走かけて勢いよく登っては、あともう少しのところで無残にもお尻から滑り落ち戻ってくる。
数度のリベンジを見守ったあと、私は去った。
あの後そのワゴンがどうなったかは、わからない。

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枝に凍りついた氷の塊は、ひっきりなしに落下してくる。
座って休憩していたら、私の膝にも落ちてきた。
あまりの痛さに思わず叫んだ。
膝には痣ができてしまった。
大きさにして、ペットボトルのような氷の塊まであるのである。
あたり一面、そうして落下した氷の塊がごろごろしている。
雪だと思っていたのは実はそうではなく、みな氷の塊だったのだ。
頭に落ちてきたらひとたまりもないな。
そう思い足早に歩くも、「落石注意」の注意のしようがないように、足早に歩いた先にも落下してくるので意味がない。

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ふたたび商店や飲食店で賑わうエリアに戻ってくれば、今度は解けた雪が完全に氷化し、まるでスケートリンクのようになっている。
つるつると滑っては、「大丈夫?」とお店の中から心配そうなまなざしを受け、とうとう最初の公園まで戻ってきた。

18121421.jpg

まるで時が止まったかのよう。
なぜかそう思った。
生きているのか死んでいるかわからない。
ただ、静止している。
静止しているのならば、そこに生も死もない。
この木も、氷が解けて落ち始めたら時が動き始めるのだろうか。

到着した時に見つけた小さなバスターミナルの名がついた建物に向かっていると、外で女性が声を上げていた。
「九江へ帰る人はここで!」
チケットを買うと、22元。
行きは16.5元だったので少し高い。
ここからバスを降りたバスの集まりの方へ向かおうとすると、「そっちじゃなくてそこを右に曲がって」と言う。
右に曲がるとそこにはトンネルがあり、トンネルを越した先にはバスターミナルがありたくさんの小型バスが停車していた。
見てみると、観光ポイントへ向かう景区内バスも。
ここに来れば、あんなに歩かなくても観光ポイントに行けたんだ。

指定された小型のバスに乗り、人がいっぱいになるのを待った。
結局、最終と告知されていた16時半になりようやくの出発。

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雪景色に見える実は氷景色を眺めながら、バスはどんどん高度を下げていった。
練乳がかかったかき氷みたいでおいしそう、そんなことを考えながら、気づけば爆睡。

九江市内にバスが着き、寝ぼけ眼で下車すると、もうすっかり夜だった。
中国の長距離バスでよくあること。
下りた場所がなんにもない街のどこかで、どこにいるのかさっぱりわからない。
ただ、「着いたよ」と言われ下りる。
タクシーが捕まればそう問題はないけれど、そうでない場合は非常に困る。
この時もなかなかタクシーが見つからず、それでもようやく捕まえて荷物を預けていたホテルに戻った。

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食事は悩んだけれど、近くの真新しい中華系のファーストフード店へ。
注文したものが売り切れだったので、店員さんのお勧めで台湾卤肉を。

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牛肉が入った甘めソースにゆで卵。
中国に来て台湾は少し不本意だったけれど、おいしい。
セットでついたのは茶碗蒸しみたいなもので、これもおいしい。
ビールを二本頼み、それがインパクトあったのか、店員さんたちから声をかけられるとき「ビールの人」と呼ばれるようになってしまった。

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こうして時間を見て、タクシーに乗り九江站へ向かった。

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今夜は23時44分発の夜行列車に乗って、次は貴州省の貴陽へ向かう。
19時間20分の道のりである。
出発は遅いけれど、明日は到着が19時になるので色々買い出しをした。
カップ麺に水にビールにお菓子にパン。

ベッドはまた上段。残念だけど仕方ない。
途中駅からの乗車なので、乗り込んだ時すでに車内は寝静まっていた。
悪いけれどドアを開けて部屋に入ると、下の段は夫婦と赤ちゃんを卒業したくらいの小さな子供だった。
彼らはまだ起きていて、部屋のカーテンも空いていたので、私は姿勢がきついながらも上段ベッドからかろうじて流れる風景を眺めしばらく時間を過ごした。
真っ暗な中にも、途中で流れていく眩しいどこかの灯り。
それは住居だったり、派手な電飾のビルだったり、また街灯だったりなにかの工場だったりした。
いずれにしても、眩しい明かりは通り過ぎれども、人の気配はいっさいない。
外はたいそう寒いだろうな。
なぜかそんなことをずっと考えた。
今、私はいったいどこを走っているだろう。
思いをめぐらしながらも、ようやく眠ろうと決心し身体の向きを変えた。
けれども、ここからが大変だったのだ、ほんとうに。またもや。

〈記 12月15日 貴陽にて〉

参考:
ホテル → 九江長距離バスターミナル タクシー代 15元
九江 → 廬山 長距離バス代 16.5元
盧山 → 九江 長距離バス代 22元
朝食(餃子) 10元
廬山入山料 160元
昼食(清湯麺) 12元
共産党会議遺址 無料
九江バスターミナル → ホテル タクシー代 16元
夕食(台湾卤肉定食、ビール) 25元
ホテル → 九江站 タクシー代 15元
九江 → 貴陽行き列車券 450元


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中国へ行く度に、スケールの大きさに圧倒されます。各地を旅行し街歩きし、体感したことを綴っていきます。

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