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2013-10-23

成都旅行二日目~青城山へ・前編~

2013年10月12日、痛む目をこじ開けてホテルを出発、向かうは市内南方面にある「新南門バスターミナル」です。
中国西南地方には、数多くの観光名所があるにも係らず、大きな空港が少ない。その為、ここ成都が観光の基点として利用されることが多い。そうしたことから、市内にはバスターミナルが多く、その中でも新南門にあるバスターミナルは便が多いそう。

本日向かうは、道教の聖地“青城山”です。
青城山への直行バスは新南門からは9時発の一便のみ。これを逃すと、市内西北方面の茶店子バスターミナルに行き、都江堰行きのバスに乗車し、路線バスを乗り継いで行くことになります。
今日は土曜日ですが、先週が国慶節の大型連休だった帳尻合わせで、多くの人が出勤日なのだそう。おかげで、窓口は比較的空いていて、8時半を過ぎていましたが無事に乗車券を購入できました。21元です。

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セキュリティチェックを通過し、時間が迫っているのでそのまま乗車口へ。様々な行き先のおんぼろバスが、所狭しと並んでいます。
すでにバスの席はほぼ埋まっており、改めて安堵です。ちなみに、チケットには座席指定されていますが、そんなものはここ中国では意味はありません。空いている席に座ります。

一時間と少し、バスは到着し全ての乗客が下車します。
しかし、青城山の山門とはとても思えない。「青城山前山?」と聞いてみると、そうだと言う。
降りてみて周囲を見回してもそれらしくない。霞んだ空気のすぐ向こうに青々とした山がそびえているのだろうか…。見ると目の前には、「青城山站」、鉄道駅があるなんて、本には書いてなかったけれど。
地球の歩き方の地図だと、停車場からすぐだしなぁ、歩いてみるか。しかし、嫌な予感に駅に戻ってみると、電動カートが目に入ってきました。「これだ!」10元で乗車。
正解はこれです。歩いて向かったら山門まで1時間以上かかってしまったでしょう。

ようやく青城山前山、山門に到着。
その手前には「建福宮」、逸る気持ちを抑えて入ってみます。

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ありがちな寺院(道教だから道観)ですが、このような謎めいた文字を見ると雰囲気があります。落書きではないんです、呪文です。

“青城山”前山と書きましたが、青城山は前山と后山に分かれ、道教関係の史跡が点在し観光客のほとんどが向かうのが前山です。后山には雄大な自然が広がりそれを楽しむことができるそうで、前山と后山は入り口が違う為注意が必要。
青城山は中国を代表する道教の名山で、成都から北西70㎞の位置にあります。道教の一派「五斗米道」発祥の地として神聖な山とされています。

「五斗米道」は後漢末に張陵が蜀(つまり現在の成都周辺)で起こしたものです。
当時、不安定な状政に住民は皆苦しんでいました。そんな中に起きた農民反乱、184年の「黄巾の乱」は日本でも有名ですが、この結果後漢の衰退を招いたものの、教団は壊滅しました。
一方、遅れて発生したこの五斗米道は、呪術的な儀式で信徒の病を治癒するなどし三国時代に栄え、五斗米道→天師道→正一教と名を変えて、現在も生き残っています。
その名も、信者に5斗の米を寄進させたことが由来になっているそう。
そして張陵が晩年この地に入り布教したことから、青城山は五斗米道の聖地となったのだといいます。

青城山の全景です。

青城山全景

入場料90元、高い!そしてこの前景図が置かれていたので一枚ちょうだいしようとすると、バシッと掴まれ「5元」。
ここで5元払わずとも、もっと簡素でわかり易い地図を山門通過時にただでもらえます。

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山門通過。
もっと険しい山道を想像していたのですが、公園のように整った階段が続いています。見ると新しい道も建設中。
それでも少し息があがってきた10分後。

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ここが重要な分かれ道。
右、月城湖方面に行けば、山頂手前の上清宮までなんとリフトで一気に昇ることができます。
左、天然図画方面に行けば、山頂までひたすら足で登ることになります。
ちなみに、ほとんどの観光客は迷わず右・リフトコースを選ぶのだそう。私は…もちろん左・徒歩コースに決まっています。
歩いて登ってこそ、頂上への参拝に意味があるはず。

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休まず階段を登っていくと、程なくして「天然図画」に到着しました。ここで休憩。汗をぬぐいます。
ちょっとした売店あり、ゆったりと笛を吹くおじいさんあり。鮮やかな神様の像と壁画がありこれが名称の由来と思われますが、それは明らかに新しく、私としては威厳が感じられない、。

ここから10分ほどまた登っていくと、地図には橋のマークが描かれています。

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意外と小さく、橋ともいえないような橋でした。枝を折ったままのようなものを使って建てられており、少しでも揺れたら崩れてしまいそうな、簡素な作り。
ちなみに地図には、山中に様々な○○亭といったものが道々標されています。初め、しっかりしたお堂のようなものがあるのだと想像していましたが、実際に登ってみると、それらは皆このような簡素なもの。

同じような風景の中、やがて一つの区切りである「天師洞」に到着しました。
天然図画より30分程登っています。

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天師とは張陵の呼び名で、かつてここに隠遁していたことからこの名があるのだとか。
道観の中では、参拝客に占いをする道士の姿も。

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このような呪術的はものは、私にとってイコール道教。星座のように並べられたロウソク立てを繋げているのは、お米です。どのような意味があるのでしょうか。

中国三大宗教、仏教、儒教、道教。
その中で道教は、他の二つに比べ知名度の点で劣っています。仏教や儒教がどんなものかおおまかに説明することはできても、道教が実際どんな宗教なのか説明できる人は少ないのでは。道教は、仏教と儒教の間に挟まれ、本格的に研究する人が少なく研究対象として置き去りにされた観があります。

私は、道教にたいへん魅力的なものを感じていますが、基本的知識すらほとんど持ち合わせていないどころか、おそらく勝手なイメージで塗り固められたものを道教として認識しているのだとも思っています。
私にとって、そのイメージとはキョンシー。80年代後半にブームになったドラマ「幽幻道士」の中に出てくる道士さまや様々な怪しげな呪術。思い出すとワクワクします。それはそれで良いのでは、と思います。

実際は、道教には宗教という言葉を宛がうよりも、信仰という言葉の方が、しっくりくるような気がします。
道教は土着的な性格を持ち、他の多くの宗教と違い、どんな土地、人にも馴染み広がっていくものというわけではありません。
その中心にあるのは「道-タオ-」それは根源的不滅の心理を表す一文字です。その根源とは、無為であり、自然である。その究極は不老不死、目指すは仙人。
その真理の追求の過程で錬丹術、医学(経絡・針灸・陰陽)、薬学などが発達しました。それとともに、符を用いた護身や鬼の使役など、道教は非常に庶民的な面と神秘的な面を合わせ持っています。道教は崇高なものではなく、とても胡散臭くて世俗的で、人間臭さで溢れている、そんなものであると思っているし、そんなところに魅力を感じます。

ちなみに、道教と老荘思想は混同されがちで、私もイマイチ知らないのですが、このふたつは実際は直接的関係はないのだといいます。
老荘思想が自然主義であったことで、宗教として形態を取る過程で老子が教祖としてあとから祭り上げられたという説があるとか、ないとか。

この天師洞、けっこう広く様々なお堂があり、少し迷ってしまいました。
岩肌が削られた窪みにある、この祠。

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これが天師、つまり張陵を祀ったもの。中央にある本人は、派手で新しくてちゃっちかったけれど。

天師洞を過ぎると、道が急激に狭くなってきました。

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この先、90度に折れ曲がっています。迫り来るような頭上の岩石の迫力。

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この下は20~30mの直下。筆投げの桶という名が付いているようですが、どんな意味があるのだろう。
面白いポイントでしたが、すれ違いが難しい為、先に進まなければいけません。90度折れ曲がると、また今までと同じような山道です。

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地図を見ると、頂上までの道のりの、もう半分以上を消化していました。なんだか前評判で過剰に警戒していたようです。確かに山道を登っていくのに体力は要りますが、思った以上に道は整っていて、まだ余裕さえあります。

程なくして、「朝陽洞」が見えてきました。

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が、このような有様。崩れてしまったのでしょうか。
中も覗いてみましたが、見るも無残。神様が祀られてはいるものの、物置のほうがまだマシ…なくらい。
2008年の四川大地震でこの辺りも大きな被害を受け、お堂なども崩れてしまったらしいのですが、現在は修復が完了しています。ここが何故このような有様なのかは不明、です。

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さて、青城山の山道ではいたるところに物売りがいました。例えばこのような。
果物などは、スイカだったりキウイだったり、買うとその場で剥いて渡してくれます。その中でも、中央のイモのようなもの。私には巨大なショウガか球根に見えましたが、よく見るとイモ。これも剥いて渡してくれます。中国人観光客を見ると、何やら持参のタレにつけて食べている。
後ほど、飛行機で知り合ったRさんに聞いてみたところ、「日本でいうとサツマイモのようなもの」だそうです。生で食べておいしいのかな~。

天師洞を発ってから1時間とちょっとが経過しています。
気がつけば、青城山一峰山頂に到達していました。シンボル「老君閣」です。

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山門をスタートして、道草を食いながらののんびりで、2時間半でした。軽いものです。…といいながら、恐ろしい筋肉痛がこのあと待ち受けていたのですが。

⇒ 成都旅行二日目~青城山・後編~ へ続く

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青城山の行き方

楽しく拝見してます。やんです。何年前か忘れましたが、私も青城山に行きました。当時は、○○一日游のようなバスツアー使ってました。まゆさんの旅行記を見るとかなり交通が便利になり、ローカルバス等を使っての旅が多いようですが、実際はどうなのですか?長途バスは使いました。私は、1988年に初めて中国を旅行しました。最初の目的地が成都でした。しかし、青城山に行けず、二回目で行くことができました。青城山で木の樽で売っていた「豆腐花」が美味しかったです。たしか1元でした。また、別の場所を思い出したら、まゆさんに聞きたいと思います。

Re: 青城山の行き方

はい、最近は中距離バスや路線バスを利用することも増えてきましたが、実際はいつも苦戦…それが楽しいという見方で頑張っています。本当はやんさんのように、現地バスツアーを利用すれば効率的なのですが、中国語を理解できないと難しいです、。
交通は急速に便利になっている一方で、(私には)日本で情報を得るのが難しくて、さらに複雑になっている気がします。ガイド本の内容はあてにはならず、現地の人に「それ、いつの情報?笑」なんて言われたりします。
ですので私はいつも、他の方の旅行記を参考にすることが多いです。
ガイド本の行き方情報は、それだけ見るとあてになりそうでも、実際に行ってみると、この情報だけでは無理でしょう!といつも思います。そんなことから、私の実体験もどなたかの参考になることがあれば、という思いでこんな長い記事になってしまっています。

やんさんが初めて成都を訪れたとき、中国はどんなだったのでしょう!?私は都会的な姿しか知らないので、わくわくします。
青城山も、震災が転機になったかもしれませんが、階段など新しかった…。残念ながら、豆腐花には出合いませんでした。古き良きものは残ってほしいですね。
それにしても特に驚く変化、レートです、今回1元=19円で両替しました…!!

プロフィール

まゆ

Author:まゆ
中国四川省宜賓市にて生活を始めました。
旅行記に絞ったブログ、一つひとつは旅のあしあとです。

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